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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

「作り手」が大事にされない制作業界でいいはずがない

2013年06月12日 | テレビ・ラジオ・メディア
「4人目のYMO」松武秀樹さんとセミナースタッフの皆さん


昨日のセミナーに参加された佐々木康彦さん(CMパンチ代表取締役)が、ご自身のブログに感想を書いてくださった。

読ませていただき、あらためて感じることが多かったので、紹介させていただきます。

佐々木さん、ありがとうございました。


この時代に
「NO FUTURE A SEX PISTOLS FILM」
を観て思うこと

このセミナーに参加して、どうしてもこのブログに書いておきたいと思ったので今夜は自分の時間を確保しました。

日本の下請け制度は戦時経済下で発達したこと、1940年体制の特徴に「競争の否定」という特徴があったという野口悠紀夫氏の指摘は以前にも紹介した通りですが、今日の碓井 広義氏の話しの中でテレビ業界が生まれてからこれまでの流れの中で構築されてきた下請けシステムについての指摘がありました。

テレビ番組のエンドロールを見ると、その殆どの番組の著作権はテレビ局が持っていることが分りますが、その実際の制作は番組制作会社が行っています。

番組によってはキャスティング専門、ロケ専門、スタジオ収録専門のような下請け構造の中で更に分業化が行われ、非常にシステマチックに制作が行われているわけですが、最終的な著作権を局が持っているということは、この下請け構造が変革する要因はまず無いということです。

ということは、実際の番組作りでいくら頑張っても、制作会社はポジショニングとして局と同じにはなれないということです。

この事について碓井氏は「何十年も一緒にやってきたがパートナーのような存在になる訳でもなく、下請け状態が続いている」と指摘、それが結果として制作業界の魅力を半減させていることと、サクセスストーリーがないところに良い人材が集まる訳がないと警鐘を鳴らします。

そして松武氏も、いまは音楽業界で食べて行くのが凄く大変になってしまい、ミュージシャンになろうという人が激減していて、この状況では業界に良い人を集め、育てていこうと思ってもそれがままならない現状に危機感を持っていることを発言されていました。

自分が関わったことがある、テレビ、音楽の業界。昭和の時代には勤めたい人がそれこそわんさか居て、薄給や激務で人がやめても入れ替え利くし、新人時代はボロ雑巾扱いで10~20人くらいとって1年後は1人が残るみたいな雰囲気が、あの当時ほどではないにしろ、イマでも少しはあるだろうと推測します。

ちなみに音楽、テレビ、マスコミ・出版など業界は多かれ少なかれ、似たようなところがあるような気がしますが…

局に勤められなければ結局下請けだよね…というのは分っていた事ではありますが、本当にごく一部の人たちが、多くの人たちの頑張りに支えられながら、非常に恵まれた環境を手にする。だがそこを支える立場の人間は、ずっと支えっぱなしで実質的な制作をしているにも関わらず著作権は局のモノ…まさにこの資本主義を表わす構図そのもの。

つい先日、政府が「職務発明」の帰属を見直す方針を示しましたニュースに“頭脳”流出リスクが指摘されていましたが、日本の会社の最大特徴であった終身雇用を放棄して、更に発明の帰属も企業にというのは、もともと形のないアイデアなどにカネを払いたがらない日本企業がこれを言い出すというのは虫が良すぎ。

デジタル時代はビジネスモデルもコピー可能な時代です。音楽やデザインなども優れたオリジナルが出現し、それを一度コピーしてしまえばあとは企業がどう売るかという話しになってきます。

これは優れたオリジナルは商売になるけれど、その利益が行き渡るのは非常に限られた範囲になることを意味しており、ギャラの設定や契約方法を後から後悔しても手遅れという話しなります。

この手の話しでやはり忘れられないのは「およげたいやきくん」のギャラが買い取り契約だった話しな訳ですが、、、

前向きにまとめるなら、多くの企業が永続的な発展を目指して戦略的な取組みをしている訳ですが、会社が生き残る仕組みの構築にばかり熱心ですが、そこには個が活きるサクセスストーリーが本来は必要なんではないのか…と。

強固な社会の仕組みの中で自分達なりの生き方を見いだすというところでふと思い出したことがあります。

先週末セックスピストルズの「NO FUTURE A SEX PISTOLS FILM」を見て何か忘れている事ないか、、、と凄く突き動かされた感じがしてました。

ロカビリー、グループサウンズにロックやフォークって昔は不良のやるもので、のけ者扱いという時代もすでに昔話(苦笑)。この映画で描かれているように歌詞やその音楽とライフスタイルから社会から排除されてしまう時代もあり、ピストルズは労働者階級の不満をぶちまけながら、パンクというスタイルを確立して、それまでの音楽シーンを一変させてしまいました。

今日のセミナーで業界的な斜陽化の話しが出てましたけど、社会全般としても時代的な閉塞感がかなり積もり積もった感じになっているだけに、セックスピストルズみたいなシンボルが生まれる可能性ありかなと思ったりしたのでした。

(ブログ「平凡でもフルーツでもなく、、、」
 http://blogs.itmedia.co.jp/yasusasaki/
 2013.06.11)


ヤンキー女子高生エスパー「夏帆」に注目

2013年06月12日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今週は、テレビ東京の連ドラ「みんな!エスパーだよ!」について
書きました。

ヤンキー女子高生エスパーの夏帆に注目です。


「みんな!エスパーだよ!」
パンチラは夏帆を救う!

「夏帆」である。

「優香」の登場以来、この手の水商売の源氏名みたいな芸名にも
慣れてしまったが、思えば夏帆ってのもすごいネーミングだ。

デビューからもう10年。顔と名前が知られたのは、やはり「三井のリハウス」のCMだろう。おとなしい美少女、清楚なお嬢さんといった
路線でここまでやってきた。

その意味で、今回のテレビ東京「みんな!エスパーだよ!」(金曜
深夜0時12分)は大きな転換点になるのではないか。

何しろヤンキー女子高生の役だ。しかも人の心の声が聞こえるという超能力者(エスパー)。路上ですれ違った男の「お、ヤリマン女子
高生。いくらかな?」といった“心の声”にキレたりする。

主演は染谷将太で、夏帆はエスパー仲間の1人なのだが、彼女が
出てくると画面が生き生きする。一本気なヤンキーぶりと、自分の超能力への戸惑いぶりがカワイイのだ。

加えて制服の短いスカートによるアクションで、毎回のパンチラも
お約束だ。

夏帆21歳、頑張ってます。

メイン監督は映画「ヒミズ」の園子温。愛知県東三河ののどかな風景をバックに、エスパー高校生たちの“ゆるくて笑える”戦いを描いている。

確かに力を合わせての活躍だが、映画「ファンタスティック・フォー」の超能力者たちのように世界を救う大きな話じゃないところがいい。

いや、パンチラは夏帆を救うかも。

(日刊ゲンダイ 2013.06.11)


「メディア・デモクラシー」セミナーで、講演とディスカッション

2013年06月12日 | テレビ・ラジオ・メディア

「メディア・デモクラシーの現状2013」セミナーで、講演とパネルディスカッションに参加してきました。

ご一緒した松武秀樹さんは、「4人目のYMO」と呼ばれた伝説のシンセサイザープログラマーです。

70年代末から80年代にかけて、音楽シーンを席巻したYMO(イエロー・マジック・オーケストラ‎)。

そのワールドツアーで、細野晴臣さん、高橋幸宏さん、坂本龍一さん、そしてMOOG(モーグ)のシンセサイザーと共にステージに立っていた人物です。

あの冨田勲さんの一番弟子でもあります。

しかも、YMOのワールドツアーでも使われた、当時のモーグ・シンセサイザーを会場に持ち込み、実際に音を聴かせてくださいました。

いやあ、これだけでも参加した意味があるってもんです(笑)。






「メディア・デモクラシーの現状2013」セミナー
新しいメディア業界の姿を見据えたデロイトの現状認識とこれから

主催:デロイト トーマツ コンサルティング

【講演1】 60年目のテレビジョン その「課題」と「これから」


【講演2】 “シンセサイザーの神が見た音楽の今と未来”

LOGIC SYSTEM(MOTION±主宰) 
松武秀樹(まつたけ ひでき)さん


【講演3】 デロイトメディアデモクラシー論

デロイト トーマツ コンサルティング株式会社 パートナー 
松永 エリック 匡史(まつなが エリック まさのぶ)さん

【パネルディスカッション】

松武さん、松永さん、碓井



セミナーを終えて