金匱要略という書物に今で云う『熱中症』の対処の仕方が書かれています、冷やしたり、冷たい物をやってはいけない、冷たい物をやったりすると死ぬぞ。臍を温めると生き返る。
以前、自治会の廃品回収の手伝いで(7月か8月のこと)、暑く顔が真っ赤になったことがあり、帰宅後シャワー(湯温40~42℃)で臍を温め、楽になったことがありました
荒木性次著 方術説話
金匱要略 雑療方
第十四條
凡中暍死、不可使得冷、得冷便死、療之方。
誦 およそ、ちゅうえつしには、れいをえせしむるべからず、れいをうればすなはちしす、これをれうするのはう。
凡そ中暍死には、冷を得せしむる可からず、冷を得れば便ち死す、之を療するの方
解 ○暍えつあつさの病。 ○中暍は暑さあたり。 ○中暍死は暑さにあてられて仮死状のもの。 ○療れういやす、なほす。 ○冷は冷水又は冷えた物、冷やすもの。
一般に暑さに中てられて仮死状態になって居る者には、いくら暑そうでも冷したり冷やす物をやったりしてはいけない、冷い物をやったりすればその爲に死ぬぞと謂ふこと。
屈草帶、繞暍人臍、使三兩人溺其中、令温。亦可用熱泥和屈草、亦可扣瓦椀底按及車缸以著暍人、取令溺、須得流去。此謂道路窮、卒無湯、當令溺其中、欲使多人溺、取令温若湯便可與之。不可泥及車缸、恐此物冷、暍既在夏月、得熱泥土、暖車缸、亦可用也。
誦 さうたいをくっし、えつじんのへそをめぐらし、りゃうさんにんをして、そのうちにねうせしめて、あたためしむ、またねつでいをもちひて、くっさうにわするもよし、またこうぐゎ、わんてい、あんぎふ、しゃこう、もってえつじんにつけ、ねうせしめて、りうきょせざらしむるにとるもよし、これ、だうろきゅうそつたうなきにいふ、まさにそのうちにねうせしむべし、おほくのひとをして、ねうせしめあたためしむるをとらんとほっす、もしたうあらばすなはちこれをあたふべし、でいおよびしゃこうはかならず、おそらくはこのものひゆ、えつすでにかげつにあり、ねつでいど、だんしゃこうをうれば、またもちゆべきなり。
草帶を屈し、暍人の臍を繞らし、兩三人をして其の中に溺をせしめて、温めしむ。亦熱泥を用ひて屈草に和するもよし、亦扣瓦、椀底、按及、車缸、以て暍人に著け、溺せしめて、流去せざらしむるにとるもよし。此れ道路窮卒湯無きに謂ふ、當に其の中に溺せしむべし、多くの人をして溺せしめ温めしむるを取らんと欲す、若し湯有らば便ち之を與ふべし。泥及び車缸は可ならず、恐らくは此の物冷ゆ、暍既に夏月に在り、熱泥土、暖車缸を得れば、亦用ゆ可き也。
解 ○草帶は草のおび、一般織物の帶でも好からん、外臺には革帶とありと、革帶ならば革のばんどなり。 ○屈は曲げる。 ○繞はめぐらす。 ○溺デウ ネウ ゆばり、おしっこ。 ○扣瓦は打つ瓦のこと、支那ではそう云ふものが有ったんであらふ。 ○椀底はわんのそこなるべし。 ○按及は不明。 ○車缸の缸は首の長き瓶にて一斗を容るると云ふ。 ○須得流去の須は不にも作ると謂ふ故に不の義にて解せり。 ○道路窮卒は途上の急場と云ふこと。
按ずるに本章の要點は、中暍死に處してはあらゆる方法を講じて暍人の腹特に臍を温めてやれと云ふことなり、急場に臨み熱き湯その他温めてやれる物が有れば上乘、若し無ければ人間の小便をも利用するなり、屈草帶具の他は皆臍を温むる液體の流去を防ぐ道具に他ならず、又茲に用ふる具は成るべく冷え易き物を避けよとのことなり。
大塚敬節著 金匱要略講話
雑療方第二十三
凡中暍(日へんに蝎のつくり)死、不可使得冷、得冷便死、療之方。
草屈帶。繞暍人臍。使三兩人溺其中。令温。亦可用熱泥和屈草。亦可扣瓦椀底按。及車缸。以著暍人。取令溺。須得流去。此謂道路窮卒無湯。當令溺其中。欲使多人溺。取令温。若湯便可與之。不可泥及車缸。恐此物冷。暍既在夏月。得熱泥土暖車缸、亦可用也。
〔訓〕
凡(およ)そ中暍死(ちゅうえつし)は冷(れい)を得(え)せしむるべからず。冷を得(う)れば便(すなわ)ち死す。之(これ)を療(りょう)するの方(ほう)。
草を屈して帯とし、、暍人の臍を繞(めぐ)らし、三両人をして其の中に溺(いばり)せしめ、温(おん)ならしむ。亦熱泥を用いて屈草に和すべし、亦瓦椀(がわん)の底を扣(たたきわ)りて按じ、及び車缸(しゃこう)を以て暍人に著け、溺(いばり)せしめ、すべからく流れ去るを得ざらしむべし。此れ謂う、道路窮卒(きゅうそつ)にして湯無きは、当に其の中に溺せしむと。多人をして溺せしめんと欲するは温(おん)ならしむるを取る。若し湯有らば便(すなわ)ち之を与うべし。泥及び車缸(しゃこう)は可(か)ならず。此れ、物の冷えんことを恐る。暍(えつ)既(すで)に夏月に在りて、熱泥土、暖(だん)車缸を得ば、亦用ゆるも可なり。
〔解〕
大塚 「中暍死」というのは日射病で死ぬことでしょう。日射病で死んだのは冷やしてはいけない。冷やすと本当に死んでしまう。草をまげてつくった帯を臍のまわりにめぐらせて、その中に二~三人で小便をして腹をあたためるわけですね。また温かい泥を、かがめた草と草の間に入れて、隙間をふさぐのです。小便が流れ出ないようにね。瓦椀底、つまり瓦とか茶碗を砕いて、または車缸(くさび)で、ふさいで、日射病にかかった人を小便につけて、小便が流れ去らないようにする。
道路で急にたおれて湯がないから、小便を入れるのです。多くの人に小便をしてもらって温める。もし、お湯があれば、お湯を用いる。泥と車缸はよくないことがある。冷えることがあるのを恐れる。夏のことだから、泥土も車缸も温かいだろうから暖かければ用いることができる。要するに日射病にかかって倒れたときには、冷やさないで、温めると治る、ということです。
ゴールド三養茶は発芽ハトムギを主成分として、特殊製法でエキスを抽出顆粒にした理想的な健康飲料です。
簡単にお湯にとけますので、ご家族の健康食として手軽にお飲みいただけます。
ハトムギの成分を十五倍に濃縮した、ゴールド三養茶をお好みの濃さに合わせて美味しくお召し上がり下さい。
税込価格
250g 8,640円
500g 16,200円
分包品1包1g入り60包3,500 円
1包60円