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黄帝内経素問 欬論篇 第三十八 第三節 訳

2014-05-22 07:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

黄帝内経素問 欬論篇 第三十八

第三節

帝曰。六府之欬柰何。安所受病。

岐伯曰。五藏之久欬、乃移於六府。脾欬不已、則胃受之。胃欬之状、欬而嘔嘔。甚則長蟲出。肝欬不已、則膽受之。膽欬之状、欬嘔膽汁。肺欬不已、則大腸受之。大腸欬状、欬而遺失。心欬不已、則小腸受之。小腸欬状、欬而失氣。氣與欬倶失。腎欬不已、則膀胱受之。膀胱欬状、欬而遺溺。久欬不已、則三焦受之。三焦欬状、欬而腹滿、不欲食飲。此皆聚於胃、關於肺、使人多涕唾而面浮腫氣逆也。

 

 黄帝が申されました。

 六腑の咳とはどのようなもので、それはどのようなところから病を受けるのであろうか。

 岐伯が申しあげました。

 五藏の永い間咳嗽の治癒しないでおりますと六腑に移るようになります。脾欬が止まないと、すると胃は影響を受けるようになり胃咳という症状になります。胃咳の症状は咳をすると嘔ようになり、甚だしくなると蛔虫を嘔くことがあります。

 

脾欬不已、則胃受之。胃欬之状、欬而嘔嘔。甚則長蟲出。

鍼灸医学体系(語句の解)

*胃欬之状欬而嘔嘔甚則長虫出 従来この句を「胃欬の状は欬して嘔す。嘔すること甚だしきときは則ち長虫出づ」と訓じ亦そう解している。従って胃欬には、嘔くということがつみものの如くであり、馬蒔の如きは前記の如く「欬するときは必ず嘔す」と述べている。然しこの訓読及び其の解説には少々疑問がある。第一に胃欬の場合には必ず嘔くということがつきものだということが果して真実であろうか。第二に前からの文章を見るに、「甚だしきときは」の上には○○が甚だしいという語を冠するものはない。私はこの文章は「胃欬の状は欬して嘔嘔たり。甚だしければ則ち長虫出づ」と訓じるべきであろうと思う。嘔嘔たりとは「はきけがする」ということで、必ずしも「ハク」ことではない。

 

鍼灸医学体系(通解)

脾の欬が長引いて已まないときには胃が其の邪を受けまして胃欬を起します。胃欬の症状は欬をいたしますとムカムカと嘔き気を催し、甚だしいときには腹中の虫を嘔くことがあります。

 

脾咳不已、則胃受之。胃咳之状、咳而嘔、嘔甚則長蟲出。

東洋学術出版社素問 読み

脾 咳して已まざれば、則ち胃これを受く。胃咳の状は、咳して嘔し、嘔すること甚だしければ則ち長虫出づ。

東洋学術出版社素問【現代語訳】

脾咳が治らなければ胃に伝変します。胃咳の症状は、咳とともに嘔吐し、〔嘔吐が〕激しければ蛔虫を吐くことがあります。

 

肝咳が止まないと、すると胆は影響を受け胆咳という症状になります、咳をすると胆汁を吐くようになります。

肺咳が止まないと、すると大腸は影響を受け大腸咳という症状になります、咳をすると大便を失禁するようになります。

心咳が止まないと、すると小腸は影響を受け小腸欬という症状になります、咳をすると屁をこくようになります。それは屁と咳がともに出るというなんとも上下の緩んだような状態になります。

腎咳が止まないと、すると膀胱は影響をうけ膀胱咳という症状になります。咳をすると小便を失禁するようになります。

久咳が止まないと、すると三焦は影響をうけ、三焦咳という症状になります。咳をすると腹が張って膨満するようになり、食欲不振になります。

此皆聚於胃、關於肺、使人多涕唾而面浮腫氣逆也。

此れは皆(五藏六府の欬は)胃に聚り、肺に関係するもので、涙と唾液が多くして顔がむくみ、下降すべき気が、反対に上行するために咳となるのです。

 

鍼灸医学体系黄帝内経素問、東洋学術出版社黄帝内経素問

 

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