ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

まだまだ雪が…

2018年02月14日 | 俳句

 今日は雪もすっかり…といいたいところですが、昨日のしずり雪が、特に日陰の所は積み重なり固く凍っていますので、なかなか溶けません。気温は昨日とは大違いで、最高気温14度とずいぶん温かです。でも、最低気温はまだ-4度となっていますから、きっと夜は冷えるんでしょうね。

 昨日の俳句教室に出た句から、初心者にとても多いミスをご紹介しましょう。それは〈嫁ぎし日家中渡る冬時雨〉の句です。まず季語は「冬時雨」ですが、「時雨」だけで冬ですのでこの「冬」は無駄。次に「家中渡る」という表現。これは何が?と聞くと「時雨」だと。そうすると家の中まで時雨が降ってくることになりおかしいですね。作者が言うには「娘が結婚して家中が淋しくなったことを表したかった」と。その気持ちは良く分かります。しかし、これでは「嫁ぎし日」も娘でなく作者の嫁いだ日だと思われるかも知れませんよ。(笑)

 俳句では一句の中にできるだけ動詞を少なくするように…と初心の時教わりました。動詞が多くなるとどうしても叙述的になり散文化してくるからなのですが、もう一つは主語が複数になったり分裂したりして、とらえどころのない句になると言うことなんです。だから、この句もあくまでも作者に主体を置かなくてはいけません。それで次のように添削しました。〈嫁がせし日のしみじみと夕時雨

 もう一句、〈ふくらみしコートの背中帰省の子〉です。これは「コート」が季語で冬。しかし、これも「帰省」というのが季語で、おまけに夏の季語なんです。意味はよく分かるのですが、俳句を始めたばかりの人は季語を知らずに使うことが多いですね。だからいつも歳時記とにらめっこしながら作ってほしいものです。でも、この句の内容にはこころ惹かれます。コートの背中がふくらんでいたというのは恐らく娘さんが赤ちゃんをおぶって帰ってこられたと言うことでしょう。でもこれではお子さんがあまりにも可哀想…そこで次のように添削しました。〈出迎へしコートにのぞく寝顔かな〉ぐらいで詠むと、帰省の子もいらないし、コートにくるまれおんぶされている赤ちゃんの可愛い寝顔が見えてきませんか?

 要するに、俳句は定型(リズム)で詠めるようになったら、季語を一つ(季重ねをしない)にすること。更にできれば動詞は一つ、主語は作者(一人称)で詠むことを心がけましょう。そうしたらすぐに上達しますよ。頑張って下さい。

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