自燈明

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九十一番 後京極摂政前太政大臣

2014年11月24日 | 百人一首

きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりも寝

こおろぎが鳴く霜の降りた夜の寒々とした筵の上に、衣の片袖を敷いて、一人寂しく寝るのだろうか。

きりぎりす コオロギ。
鳴くや霜夜のさむしろに 「や」は、詠嘆の間投助詞。「霜夜」は、霜のおりた夜。「さむしろ」は、接頭語「さ」+「筵」。また、「寒し」との掛詞。
衣かたしき 当時、男女が同衾する場合は、互いの衣の袖を重ねて寝たことから、「衣かたしき」は、一人寝を表す。
ひとりかも寝む 「か」と「む」は、係り結びの関係。「か」は、疑問の係助詞。「も」は、強意の係助詞。「む」は、推量の助動詞「む」の連体形で「か」の結び。

ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだいじん (1169~1206)
藤原〔九条〕良経 (ふじわらのよしつね,くじょうよしつね)  平安末期・鎌倉初期の貴族・歌人。兼実の子。摂政、太政大臣を歴任。歌を藤原俊成に学んで歌壇の中心人物の一人になったほか、漢詩や書画にも優れていた。『新古今和歌集』の仮名序を執筆。
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