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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

漫画の時間

2017-08-11 18:05:30 | 読んだ本
いしかわじゅん 1995年 晶文社
ふた月ばかり前になるか、古本で買って、最近読んだもの。
およそ100作品にわたるマンガが紹介されてる。
読んだことあるものもあれば、まったく知らないものもある。
でも、いちばん興味ひかれたのは、冒頭の「漫画の読み方」という章で、絵のうまいへたについて解説してるとこだったりする。
あと、漫画というジャンルについて、
>漫画というのは、極端なジャンルではある。極端というのは、進化の形のことだ。普通どんなジャンルでも、進化というのは、ごくゆっくりやってくる。(略)ところが、漫画界では、違う。それはある日突然やってくる。新しい可能性を示すものが、ある日、突然やってくる。(p.76「本流か傍流か、この明解な奇矯 山口貴由『覚悟のススメ』」)
といったように評しているのも、さすがいっぱい読んでるひとだ。
そういうブレイクのあとにくるのが、縮小再生産のくりかえしの大量生産ということも見抜いてる。
あと、ギャグ漫画を描き続けることのむずかしさについても、あちこちで書かれてるけど、
>ここ何年も、いわゆるストーリーギャグの漫画家というものをほとんど見かけない。(略)
>かつて4コマ漫画ブームというものがあって、それが定着して以来、ストーリーギャグは存在しにくくなってきた。読者にこらえ性がなくなってきたのだ。十六ページ我慢して読み続けて、自分で考えてその中から面白さを見つけるという作業を、読者が放棄してしまったのだ。(p.92「苦しみつつ進め 唐沢なをき『鉄剛無敵科学大魔号』」)
というふうにも言っている。
うーむ、私も4コマブーム前からマンガ読んでるから、たしかにギャグマンガの衰退は感じるなあ。
(新しいもの読もうとしてないから、知らないだけかもしれないので、偉そうなことは言えないのだが。)
どうでもいいけど、岡崎京子の『リバーズ・エッジ』を紹介している章があるのだが、巻末をみると【初出不詳】となっている。
この、「岡崎京子に、ぼくはたぶんついていくと思う。」で終わってる文章、私もたしかに読んだ記憶があるんだが、さてどこで読んだんだっけ。

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