安部公房 昭和55年 新潮文庫版
むかしむかしむかし(10年が一昔)読んだ文庫が、ごそっとあるんで、順番は適当だけど、読み返してる安部公房。
持ってるのは昭和59年の10刷。発表は昭和42年らしい書き下ろし長編。
失踪した夫の行方をさがしてくれという依頼で、調査をはじめる興信所員が主人公で語り部。
でも、失踪から半年がたってるし、依頼人である妻は、心当たりなんて何にもないという。
なんか手がかりみたいなのあるでしょと迫っても、ポケットに入っていたどこかの喫茶店のマッチ箱しかないって。
手紙とかメモとか何にもなし、って探す気ホントにあんのかよ、って言いたくなるような、ちょっとうつろな状態。
何か情報くださいって言っても、私の弟なら知ってるかも、みたいな的外れな答しか返ってこない。
で、
>人生に必要な地図は、一枚だけで、沢山なんですって…弟の口ぐせなの…(略)みんなが通りつけて、はっきり安全だと分ったところしか、絶対に通っちゃいけないんだって…
ってセリフがあるんだけど、これがタイトルと結びついてるんだろうなあ。
主人公の興信所員は、「ぼくには、十枚でも、二十枚でも、とにかく地図が必要なんだ。こんな、顔写真一枚と、古いマッチ箱一つで、いったい何をしろって言うんです(略)」と言い返してるけど。
むかしむかしむかし(10年が一昔)読んだ文庫が、ごそっとあるんで、順番は適当だけど、読み返してる安部公房。
持ってるのは昭和59年の10刷。発表は昭和42年らしい書き下ろし長編。
失踪した夫の行方をさがしてくれという依頼で、調査をはじめる興信所員が主人公で語り部。
でも、失踪から半年がたってるし、依頼人である妻は、心当たりなんて何にもないという。
なんか手がかりみたいなのあるでしょと迫っても、ポケットに入っていたどこかの喫茶店のマッチ箱しかないって。
手紙とかメモとか何にもなし、って探す気ホントにあんのかよ、って言いたくなるような、ちょっとうつろな状態。
何か情報くださいって言っても、私の弟なら知ってるかも、みたいな的外れな答しか返ってこない。
で、
>人生に必要な地図は、一枚だけで、沢山なんですって…弟の口ぐせなの…(略)みんなが通りつけて、はっきり安全だと分ったところしか、絶対に通っちゃいけないんだって…
ってセリフがあるんだけど、これがタイトルと結びついてるんだろうなあ。
主人公の興信所員は、「ぼくには、十枚でも、二十枚でも、とにかく地図が必要なんだ。こんな、顔写真一枚と、古いマッチ箱一つで、いったい何をしろって言うんです(略)」と言い返してるけど。
