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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

米長の将棋

2009-11-18 22:32:09 | 読んだ本
米長邦雄 2004年 毎日コミュニケーションズ MYCOM将棋文庫DX版 全6巻
(1980年に平凡社からでた本の文庫復刻版)
きのうのつづきで。
趣味の関係ってことで、ごたぶんにもれず、棋書=将棋の本ってのは、私もいくつか持ってるんだが。
紹介しても、興味ないひとには全然意味のないことなんで、こういうとこに書いてもしょうがないっていえば、しょーがない。
なかでもメジャーな「羽生の頭脳」にしようかとも思ったんだが、全10巻中、私は4冊しか持ってないんで、中途半端だからやめた。
「米長の将棋」は、私が一番好きだった棋士・米長永世棋聖が、2003年末で現役引退したあとに、文庫で出たのを買った。
1984年に四冠を達成して「世界一将棋の強い男」(将棋は日本にしかないので、日本で今一番強いということは、世界一だというジョーク)を自称したが、そのちょっと前の時期の、もっとも勢いがあったと思われるころの自戦解説をまとめた本である。掲載されている、その対局数は、180局。
将棋の定跡の本というと、「本を読んでも、相手がそのとおりにやってこないから、意味がない」という言われ方をするもんだが、このシリーズのいいところは、そういう教科書的なものぢゃなくて、実戦のなかで何を考えているかを解説したところである。
ふつうは、セオリーとか、相手より得する方法とかが書いてあるんだが、実戦では、やがてそういうのを離れて、グチャグチャの何だかわからない局面が訪れる。
そこで頼りになるのは、自分の読みだけなのだが、この本では、そういう目標のわかりにくいところで、何を中心に考えるべきかが解説されている。これは普通の戦法の入門書とかにはない。
駒の損得がなければ、戦力は均衡しているので、あとは駒のはたらきに差をつければよいのだが、それには、前に自分の指した手を良い手にして、相手の指した手を悪い手にするとかテクニックがある。局面のなかで主張すべき有利な点はどこか、それを拡大するにはどうしたらいいかという技術がある。
そのなかでも、米長将棋は、中盤から終盤にかけての競り合いにおいて「厚み」に特徴があり、その解説をみながら手を追っていくと、ずいぶん前の将棋だが、その魅力にまた感心させられるのである。
実際の効用としては、勝負のコツのようなものが、棋譜を並べてくことによって得られるんで、初段から香車一本強くなることができた。
コメント
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