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好きな本とかについて、ちょこちょこっと書く場所です。蔵書整理の見通しないまま、特にきっかけもなく08年12月ブログ開始。

悪役レスラーは笑う

2009-07-23 18:54:58 | 読んだ本
森達也 2005年 岩波新書
副題は―「卑劣なジャップ」グレート東郷―
プロレスラー・グレート東郷とはどういう人物だったかを探った本。
グレート東郷は、第二次世界大戦後にアメリカで活躍したレスラー。
リングにあがるときは、高下駄に法被に、ヒザあてのあるタイツ(いわゆる田吾作スタイルだろう)、神風の鉢巻をして、ゴングの前に塩を相手に投げつけて、下駄で殴るというヒール(悪役)。
「卑劣なジャップ」を演じて、アメリカの観客からも本気で嫌われていて、ふだんも油断すると刃物で刺されたりしかねないという、危ない路線を進んでた。
1973年没だから、私もさすがに見たことはないけど。
たとえば、ジャイアント馬場がアメリカでの修行時代に搾取されたマネージャーだったとか、グレート・アントニオが来日して暴れたときのマネージャーだったとか、ブラッシーが噛みつき攻撃をして相手が流血したのをテレビで見て、ショックで老人が死んだりしたけど、そのブラッシーの相手だったとか、言われてみれば、「あー聞いたことある」って感じの、プロレスの伝説上にけっこう残ってます、グレート東郷。
嫌われ役を演じてたけど(カネに汚くてホントに嫌われてた部分もあるらしいが)、プロレスというビジネスに関しては、力道山もうらやむほどの大成功者だったらしいです。

ちなみに、「プロレスというのは、左からかけるもの」というのは、この本で初めて知りました。つまり、ヘッドロックは必ず左腕でかかえるものだし、立って向いあった相手とバッと組みあうときは、左手を相手の頭の後ろにあてるとか、プロレスに「けんか四つ」というのはありえないそうです、知らなかったなー。

コメント
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