おそらく100年ほど前の写真だと思われる。中央の写真には、祖父、祖母、叔父たちが写っている。皆もうこの世にはいない。どこの写真館で撮ったのか？祖母とは、亡くなるまで一緒に暮らした。日曜日になると礼拝に行く身仕度を丁寧にして、玄関で迎えの車を待っていた。送迎は、教会の信者さんのひとり、孫ほど若い青年だった。私はクリスチャンではないが、街の教会の前を通ると立ち止まって十字をきる。祖母の葬儀は、教会でお願いした。そう言えば、母も洗礼を受けていた。しかし、葬儀はお寺さんにお願いした。認知症の母に、確かめるすべはなく、いや、確認なんてできるわけなかった。親は死なないものと、愚かに思っていた・・・。
