鎌倉徒然草

鎌倉に住んで25年。四季折々の自然を楽しみながら、オリジナルの和雑貨の企画、製造、販売を展開しています。

森瑤子賛

2016年02月22日 | 日記

1980年代に活躍した作家森瑤子。

37歳でデビー、52歳で亡くなるまで100冊の本を世に出した。

おとなの女性の恋模様を、都会的なおしゃれな舞台設定で書き綴った。

私はほとんどの作品を読んでいる。

ご主人がイギリス人で、3人の御嬢さんがいた。

そのご主人は、日本に定住しても、最後まで日本語を覚えようとしなかったそうだ。

名声も、豪華な邸宅も、海外の別荘も筆一本で手に入れ52歳で逝ってしまった。

当時、ファンの一人として、生意気にも『この人は孤独だろうなー』と思った。

グラビアを飾る華やかな装いもコメントも、どこかちぐはぐに感じていた。

不器用な、シャイで、ひたむきな少女の面影が私には垣間見えた。

実際に死後、実の父と実の娘が「森瑤子」の実像をそれぞれ本にしている。

お嬢さんの本を読んだが痛ましかった、色々・・・。

「流行作家」の苦悩などと、ひと言では言えない日々が綴られていた。

もう20年以上前の話だが、私は益々、森瑤子ファンになった。

「小さな貝殻・母森瑤子と私」 新潮文庫

 

今日夕方、ラッセルスクエアで信号を待ちながら突然、森瑤子を思った。

1900年に作られた「ホテル・ラッセル」の厳かな建物の前だった。

確か、そのホテルも小説の舞台となっていた記憶が・・・、

森瑤子の名前を、若い世代は知らない、知らなくていい、

私は忘れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

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