
「殺人ピエロ狂騒曲 (SHAKES THE CLOWN)」のボブ・ゴールドスウェイト監督、2011年の作品。離婚して孤独な日々を送る中年男フランクが、文明の腐敗しきったアメリカで、女子高生ロキシーとともに腐った連中を撃ち殺すロードムービー。
日本でいうなら、いかにもミニシアター系
って感じのポスターが素敵で気になっておりました。
R12指定で実際どんなブラックな内容なんだろうなーと、
内心ちょっとハズレるのを覚悟で観にいきましたが、
いやいや、粗さが残るものの、誠実な制作姿勢が感じられるインディーズムービーで、
なかなかの儲け物をしたような一本でした。
近年、メディアが急速に発達して、きちんした成長がないまま、
コンテンツだけがコピペ、コピペで増殖しているような状態が続いているのが、
いま世界のどの地域でも共通して引き起こっている現象だと思う。
中身がないものに踊らされ、
無駄に時を費やしてしまうのは確かに恐ろしい。
この作品では、アメリカこそその最たる国であると揶揄し、
主人公フランクをもってして喝を入れようとしているわけだが、
最終的にこの作品でも明らかにしているのは、
たとえフランクとロキシーがどれだけこの粗悪な社会にはびこる目の前の悪を撃ち殺していっても、
もうこの世界は歯止めが利かないくらいに救いようがないところに来ているということである。
テーマとしてはありふれたものだと思うし、
作品自体にこの世界が抱える病の療法を提示できるほどの力はない。
しかしフランク演じるジョエル・マーレイが悲哀のあるなかなかいい演技をしており、
彼の憂いが、ほんの数人でも、誰かと共有できたらいいのにと願ってしまうのである。
これはブラックコメディ映画というより、悲しみのコメディ映画というべきか。
AK-47を乱射するエンディングも、まさにこれしかないという幕の引き方。
なかなかに心にとどまる作品でございました。
映画『ゴッド・ブレス・アメリカ』予告編
日本でいうなら、いかにもミニシアター系
って感じのポスターが素敵で気になっておりました。
R12指定で実際どんなブラックな内容なんだろうなーと、
内心ちょっとハズレるのを覚悟で観にいきましたが、
いやいや、粗さが残るものの、誠実な制作姿勢が感じられるインディーズムービーで、
なかなかの儲け物をしたような一本でした。
近年、メディアが急速に発達して、きちんした成長がないまま、
コンテンツだけがコピペ、コピペで増殖しているような状態が続いているのが、
いま世界のどの地域でも共通して引き起こっている現象だと思う。
中身がないものに踊らされ、
無駄に時を費やしてしまうのは確かに恐ろしい。
この作品では、アメリカこそその最たる国であると揶揄し、
主人公フランクをもってして喝を入れようとしているわけだが、
最終的にこの作品でも明らかにしているのは、
たとえフランクとロキシーがどれだけこの粗悪な社会にはびこる目の前の悪を撃ち殺していっても、
もうこの世界は歯止めが利かないくらいに救いようがないところに来ているということである。
テーマとしてはありふれたものだと思うし、
作品自体にこの世界が抱える病の療法を提示できるほどの力はない。
しかしフランク演じるジョエル・マーレイが悲哀のあるなかなかいい演技をしており、
彼の憂いが、ほんの数人でも、誰かと共有できたらいいのにと願ってしまうのである。
これはブラックコメディ映画というより、悲しみのコメディ映画というべきか。
AK-47を乱射するエンディングも、まさにこれしかないという幕の引き方。
なかなかに心にとどまる作品でございました。
映画『ゴッド・ブレス・アメリカ』予告編
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