『不死鳥』(1947)
監督:木下惠介
脚本:木下惠介
原作:川頭義郎
製作:小出孝
出演者:田中絹代、佐田啓二
音楽:木下忠司
撮影:楠田浩之
製作会社:松竹
【作品概要】
川頭義郎による原作を、木下恵介が脚色し監督。田中絹代と、本作が映画デビューとなる佐田啓二とのキスシーンが話題になった。

【感想レビュー】
ネットレンタルで観ました
木下惠介監督作品を観る旅で、ずいぶん前にリストに入れていたのが届いた次第です。
(先に観たい作品をどんどん繰り上げしてしまい、忘れた頃にポンと届くというあるあるです…)
しかしとっても見応えがありました!

描かれているのは、戦前、戦中、戦後で、ストーリーはなんてことのないメロドラマなのですが、当時の資産家の生活様式など、目を見張るものがあります。
1947年の公開を考えてみても、戦後の一般の人々の生活水準と大きくかけ離れた内容だったのではないかしら…と思います。
どの時代においても、ファッションが素敵で、また食事のシーンなどもけっこう優雅という。
田中絹代さん演じる主人公の疎開先が、軽井沢の別荘というあたりも、それを物語っています。
宮崎駿監督の『風立ちぬ』のヒロイン、里見菜穂子のバックグラウンドと、『不死鳥』のメインの二人のイメージは重なるかもしれません。
また、田中絹代さんが素晴らしくて…
当時38歳頃でしょうか。
モノクロ映画とはいえ、おさげ頭から未亡人まで演じてらっしゃいます
何でしょう、恥じらいとか可愛気とか…
でも芯の強さとか。
男性はこういう感じ、…好きよね、きっと、な感じもありつつ
田中絹代さんと木下惠介監督といえば。。
『陸軍』は国策映画なのに、母(田中絹代さん)が息子を思う気持ちを台詞ではなく表現してしまうという、監督の気概が滲みまくりのラストシーンがあって、もう本当に痺れるのですが、この『不死鳥』の田中絹代さんは、はっきりと何度も、必ず帰って来てねと言うシーンがあります。
戦中と戦後の作品の違いを改めて感じるシーンでした。
そして二人の想いは、まさに『不死鳥』という、ベタベタなメロドラマだけれど、時代背景を考えると、なんかもう泣けてしまいます。
大切な人を失うという喪失感を、多くの人が経験したということも伝わってきます。
ヒロインの叔父夫婦の守銭奴ぶりも見もので、軍需産業の恩恵にあやかりたい様子など、木下監督のチクリとした表現も好きです
あと、小道具のピアノが効いています。
メインの二人の両家ともグランドピアノが置いてあって、その居間の装飾といい、もう観ているだけで素敵なのです
それにしても。
ヒロインが後ろから肩に手を置かれながら、ショパンの即興曲第4番を弾くシーンがあるのですが…
佐田啓二さん、素敵過ぎる…

もう、ため息ものなのです…‼︎
観て良かったです
📽


監督:木下惠介
脚本:木下惠介
原作:川頭義郎
製作:小出孝
出演者:田中絹代、佐田啓二
音楽:木下忠司
撮影:楠田浩之
製作会社:松竹
【作品概要】
川頭義郎による原作を、木下恵介が脚色し監督。田中絹代と、本作が映画デビューとなる佐田啓二とのキスシーンが話題になった。

【感想レビュー】
ネットレンタルで観ました

木下惠介監督作品を観る旅で、ずいぶん前にリストに入れていたのが届いた次第です。
(先に観たい作品をどんどん繰り上げしてしまい、忘れた頃にポンと届くというあるあるです…)
しかしとっても見応えがありました!


描かれているのは、戦前、戦中、戦後で、ストーリーはなんてことのないメロドラマなのですが、当時の資産家の生活様式など、目を見張るものがあります。
1947年の公開を考えてみても、戦後の一般の人々の生活水準と大きくかけ離れた内容だったのではないかしら…と思います。
どの時代においても、ファッションが素敵で、また食事のシーンなどもけっこう優雅という。
田中絹代さん演じる主人公の疎開先が、軽井沢の別荘というあたりも、それを物語っています。
宮崎駿監督の『風立ちぬ』のヒロイン、里見菜穂子のバックグラウンドと、『不死鳥』のメインの二人のイメージは重なるかもしれません。
また、田中絹代さんが素晴らしくて…

当時38歳頃でしょうか。
モノクロ映画とはいえ、おさげ頭から未亡人まで演じてらっしゃいます

何でしょう、恥じらいとか可愛気とか…

でも芯の強さとか。
男性はこういう感じ、…好きよね、きっと、な感じもありつつ

田中絹代さんと木下惠介監督といえば。。
『陸軍』は国策映画なのに、母(田中絹代さん)が息子を思う気持ちを台詞ではなく表現してしまうという、監督の気概が滲みまくりのラストシーンがあって、もう本当に痺れるのですが、この『不死鳥』の田中絹代さんは、はっきりと何度も、必ず帰って来てねと言うシーンがあります。
戦中と戦後の作品の違いを改めて感じるシーンでした。
そして二人の想いは、まさに『不死鳥』という、ベタベタなメロドラマだけれど、時代背景を考えると、なんかもう泣けてしまいます。
大切な人を失うという喪失感を、多くの人が経験したということも伝わってきます。
ヒロインの叔父夫婦の守銭奴ぶりも見もので、軍需産業の恩恵にあやかりたい様子など、木下監督のチクリとした表現も好きです

あと、小道具のピアノが効いています。
メインの二人の両家ともグランドピアノが置いてあって、その居間の装飾といい、もう観ているだけで素敵なのです

それにしても。
ヒロインが後ろから肩に手を置かれながら、ショパンの即興曲第4番を弾くシーンがあるのですが…

佐田啓二さん、素敵過ぎる…


もう、ため息ものなのです…‼︎
観て良かったです



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