☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『静かな雨』 (2019)Silent Rain @東京フィルメックス2019

2019年11月25日 | 邦画(1990年以降)
【作品概要】@東京フィルメックス2019
日本 / 2019 / 99分
監督:中川龍太郎 (NAKAGAWA Ryutaro)
配給:キグー

宮下奈都のデビュー小説を仲野太賀とこれが映画初出演となる衛藤美彩の主演で映画化した作品。大学の研究助手の行助と鯛焼き屋を経営するこよみ。親密になりかけた二人の関係はこよみが交通事故に会ったことをきっかけに暗転する……。

監督:中川龍太郎
原作:宮下奈都『静かな雨』(文春文庫刊)
脚本:梅原英司 中川龍太郎
チーフプロデューサー:和田丈嗣 
プロデューサー:藤村駿 木ノ内輝
アシスタントプロデューサー:新井悠真 
ラインプロデューサー:保中良介
撮影:塩谷大樹 照明:西尾慶太 
録音:伊豆田廉明 音響効果:柴崎憲治
美術:安藤秀敏 菊地実幸 
ヘアメイク:榎本愛子 スタイリスト:都甲真名美
助監督:近藤有希 監督補佐:佐近圭太郎 
制作担当:久保田辰也 編集:田巻源太
スチール:四方花林
音楽:高木正勝
製作:WIT STUDIO
制作:WIT STUDIO、Tokyo New Cinema
企画協力:文藝春秋
配給:キグー
© 2019「静かな雨」製作委員会 / 宮下奈都・文藝春秋
(フィルメックス公式ホームページ、『静かな雨』公式ホームページより)
【感想レビュー】
あんまりネタバレにならないように書きます。

月とか、雨とか、陰影とか

モチーフが印象派の音楽のような映画だなぁと思いました
ドビュッシーの『月の光』のように、水面に映る月を視ているというような間接的な視点をこの映画にも感じて、詩的な佇まいに開始3、40分も経つと自然と引き込まれていきました

登場人物達の日常のルーティンも、淡々としているようでいて、少しずつトーンに変化があったりして、面白く観ました

繰り返し繰り返し、リアルが迫ってくるからでしょうか…

足を引き摺る音とか、少しずつ違うアングルの画とか、ちょこちょこと時間差で出てくる新しい登場人物達とか…!

とにかく、飽きません!

台詞は少ないように感じましたが、ナレーションでの会話は、けっこう多かったような気も。
流れている映像と会話との時間的、空間的な隔たりに、“世界”(作中に出てくるキーワードのような単語)をより立体的に感じさせられました。

また、映像を彩る劇中音楽が素敵でした
あくまで映像が主役です、というように控えめに微かに流れている時と、少しずつ少しずつ存在感が増して、まるでコンチェルトのトッティのようにオケも鳴らします!みたいな時と

あとは、ベーコンエッグが心に残りました
ふと思い出して作ってみましたとも!
白身が流れなくて素晴らしいですね。
り、理にかなってる

上映後のQ&Aで、中川監督が、画角についての質問に答える中で、枠についてお話しされていたのですが、いざベーコンを並べ終えてハタと気付いたのでした。

ここにも、“枠”が…

2020年2月7日より全国順次ロードショー!
だそうです