☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『二つの祖国で 日系陸軍情報部』(2012)

2013年08月16日 | 邦画(1990年以降)
『二つの祖国で 日系陸軍情報部』(2012)

すずきじゅんいち監督。

【STORY】
「アメリカ史上最強の陸軍」に続く、すずきじゅんいち監督による日系史ドキュメンタリー第3作。
米国陸軍の秘密情報機関=MIS(ミリタリーインテリジェンスサービス)の中心メンバーであった日系二世の元兵士たちの証言を基に、太平洋戦争時の米国極秘情報に迫る。(Movie Walkerより抜粋)

【感想レビュー】@theater
『ふじ学徒隊』と2本、昨日観て参りました。

“MIS”…この言葉は初めて聞きました。

当時、米軍は日系二世や帰米の方々を教育して、情報収集に務めさせました。
暗号の解読や日本軍の書籍類の翻訳をさせ、日本の考え方や思考回路、策戦を予測させるのです。

けれども当初は、彼らがここまで米軍にとって、重要な役割りを担うようになるとは考えなかったそうです。
人間秘密兵器と考えるようになったのは、もっと後の事だったと。

元MISの方々のインタビューが沢山続きます。

特に帰米の方々は、日本に居る時は、アメリカ人として扱われ、アメリカに戻ると、日本人として扱われた、と…。
自分は、“アメリカ人”だと考える彼らは、自国に忠義を示す為に、邁進していくのです。

もちろん、一人一人の方に、それぞれの日本との関係性や距離感があるので、一概には言えないでしょうし、このドキュメンタリー映画が、その全貌を網羅しているとは思えません。

でも、なんだか哀しかったです。
うまく言えないけれども。

私と同じ姿形をした彼ら…。
このねじれた感覚こそ、当の彼らを苦しめた感覚なのかもしれません。

彼らのアイデンティティーは、アメリカに在るのです。

二つの祖国の狭間に立ち…、それでも彼らのアイデンティティーは、アメリカに在るのです。

本作は、戦後の目覚ましい復興は、彼らの活躍なしには語れない、という事も取り上げていました。

それぞれの立場で、それぞれの戦争があったという事実を、また心に刻む事が出来ました。

観て良かったと思います。


ゼロ戦の超越した性能とその運転技術に関して、こう仰っていました。

ゼロ戦 一機に対して、米軍は四機付けなければならなかったと。

ゼロ戦は、どういうわけか、米軍の飛行機の下に潜り込み、下から攻撃する事が出来たのだと。

初期の頃のゼロ戦の操縦士は、とても優秀だったのだと。

けれども、日本に神風特攻隊の概念が生まれてからは、彼らはろくに運転技術を習得させてもらう事も無く、乗せられたのだと…。











『ふじ学徒隊』(2012)

2013年08月16日 | 邦画(1990年以降)
『ふじ学徒隊』(2012)

野村岳也監督。

【STORY】
太平洋戦争末期の沖縄戦で、学徒動員により傷病兵の看護に当たった積徳高等女学校の生徒たちの姿を記録したドキュメンタリー映画。積徳高女学徒看護隊の野戦病院実録『血と涙の記録』に基づき、激戦を潜り抜け、戦死者を3名に留めて生き抜いた彼女たちの体験を綴る。監督は「浦添ようどれ よみがえる古琉球」の野村岳也。

【感想レビュー】@theater
確か小学3年生の頃に、母に渡されて読んだ「ひめゆりの少女たち」という小説で、私は沖縄戦の事を知りました。

それは、他に読んだどんな本よりも、深く心に突き刺さったことを覚えています。
この本に書いてある事は、実話なのかと、何度も疑った程でした。

大学生の時に始めて行った沖縄は、かつてこの土地であった事に思いを馳せる旅でもありました。

ツアーの中には、戦争をご経験されたであろう御年配の男性が一人で参加されていて、一通り沖縄を周遊するプランのツアーだったので、行く先々の石碑や壕の跡地、海に向かって、手を合わせていらしたのが忘れられません。

私は何も出来ないのですが、知らなければならない、そんな風に思っています。

何も出来なくても、目を逸らさないで何があったかを知る事が課せられているように思うのです。

『ふじ学徒隊』
まだまだ少女だった時分に、凄まじいご経験をして来られて、終戦の日以降も、沖縄は戦争が続いていたわけで…、返還されてからも…、そして今もずっと…。

戦争を語り継ぐ、継がなければならない、よく耳にしますが、お話ししてくれる方々に、感謝しなければならないと感じます。

お話しすれば、また蘇ってくるわけですから、非常に辛いと思うのです。。

それを押して、お話しくださる方々に出来る事は、やっぱり積極的に耳を傾けていく事しかないように思うのです。

これからも目を逸らさないで、知る事に貪欲に居続けたいと思います。