☆映画の旅の途中☆

色んな映画をどんどん観る旅

『3-4x10月』(1990)

2013年08月07日 | 邦画(1990年以降)
『3-4x10月』(1990)

北野武監督、ビートたけしさん、柳ユーレイさん、石田ゆり子さん、小野昌彦さん出演。



【STORY】
草野球チームに所属しているガソリンスタンド店員・雅樹は、ふとしたことからヤクザと職場で衝突する。それはやがて店とヤクザとの抗争に発展していき、雅樹は知り合いとともに沖縄へ拳銃を買うため旅立つ。(Wikipediaより)

【感想レビュー】
先日放送された『北野武劇場』のDollsの回で、西島秀俊さんにこんな質問がありました。

以前、雑誌のインタビューで、「特に好きなのは『3-4x10月』。初めて観た時の衝撃は忘れられない」と仰っていましたが、これはどんな衝撃だったのか教えて頂けますか?

これに対するお答えの中で西島さんは、
『今思うと、もしその初期作品に監督の全てが宿るというのがあるんだとすれば、“その男~”じゃなくて、“3-4x~”に全てが詰まっているんじゃないかなぁ…ともちょっと思いますね。』

これをお聞きして、益々観るのが楽しみだったのです『3-4x10月』
それに、西島さん極楽鳥花の冠を独特な手振り身振りで表現なさっていて


でもいざ観始めると、極楽鳥花の事もすっかり忘れて、また北野ワールドへ


茶色の革ジャンをいつの間にか(良いなぁっとは言ってましたけど…)渡嘉敷さんが着ているところ

ダンカンさんが嘔吐するシーンで、下からなぞって撮った先に、画面左下で小刻みに震えるモリのてっぺん

ピンクのカラーボールの放物線。

“忍耐”の将棋駒の大きな置き物。

極楽鳥花の花束…。

たけしさんが、極楽鳥花の冠をしているシーンは、ほんの一瞬なのですが、確かに凄いパンチがありました。


本当は、してはいけない事、考える事さえもいけない事、その一線をヒョイっと越えていく小気味良さに、何ともはやゾクゾクしてしまいます。。

でもなんだか、それが軽薄に終わる事もなくて、それが何なのか、まだまだ北野監督作品の旅をしたいと思います