散文的で抒情的な、わたくしの意見

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大河「天地人」の矛盾というか。

2017年07月03日 | ドラマ
動画配信で「天地人」と「江」が配信されています。「出来の悪い少女漫画」である「江」は見直す気もしませんが、「天地人」ってどんな作品だったかと思い、早送りしながら見てみました。

主人公の妻夫木さんは好きです。妻夫木さんの妻役の常盤貴子さんは大好きです。ちなみに常盤さんが大河にでたのはこの一作のみです。謙信役の阿部寛さんも好きです。

ただ「原作が残念」「脚本が残念」なんですね。

ちょくちょく信長が登場して、その傍らにはずっと秀吉がいます。「いないよ、秀吉は各地を転戦してるんだから」と言いたくなります。

上杉謙信の阿部寛さんは「すごくかっこいい」のですが、ちょっと神格化が過ぎていて、というよりデフォルメが過ぎていて、「超人」として描かれています。最初の登場シーンなんか、一人で相手の設けた柵を「なぎ倒し」ます。北斗の拳の「ラオウか」と言いたくなります。

まあ色々「言いたくなる」作品なのです。

本能寺の信長と、謙信の「架空対話シーン」とかはなかなか良いのですが、それ以外は役者の魅力だけで「もっていた」作品かなと思います。

そもそも

「天地人」が適用される武将は誰なんでしょう。そりゃ主人公の「直江兼続」だ、と言えれば簡単です。

でも「天地人」が適用される、つまり「天地人」に祝福されるべき存在はどうやら「天下人」らしいのです。

信長は「天と地」には恵まれたが「人をないがしろにした」から挫折したってことになっています。

明確には描かれていませんが、秀吉もどうやら「人」で挫折したってことのようです。

とすると「天地人」に恵まれた武将は徳川家康ということになります。でも家康はこの作品では直江兼続のカタキ役なので「悪人的」です。

描き方も漫画的で、なんの魅力もない家康です。

つまり「天地人」に恵まれた武将はいなくなってしまうのです。

やはり直江兼続なんでしょうが、無理というもの。関ケ原では負け組になって120万石の領地を30万石まで減らされ、貧乏所帯をなんとか「きりもり」した人物です。

どっからみても「天地人」に恵まれた武将ではない。

その後上杉家が大活躍すればいいのですが、江戸の初期段階において景勝の系統が途絶え、本当は「おとりつぶし」になるべきところを、

秀忠の「隠し子」で、有能な政治家であった保科正之に助けられ、なんとか家を存続させます。でも石高は15万石に半減されてしまう。

ちなみにこの時上杉の養子になったのが、かの有名な吉良上野介の息子です。だから忠臣蔵には何かと上杉が出ますが、「敵役」ですね。

何が「天地人なんだろう」、疑問だけが残る、そのくせにストーリーはいたって単純な、まあ一言で言うと「残念な」作品です。


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