散文的で抒情的な、わたくしの意見

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映画 ヒトラー最期の12日間

2016年08月05日 | ドラマ
第二次世界大戦の「戦争責任」に関する私の意見は、比較的単純です。枢軸国、連合国双方に責任がある。ただし、巻き込まれた国にはない。というもの。

従って、日本の天皇にも米国のルーズベルトにも戦争責任はある。とまあ単純で図式的です。

ただし「巻き込まれた国」はどこか、については微妙です。東南アジアはほぼそういう国々でしょう。朝鮮もそうです。ただし中国だけは違う気がします。中国は火種になって戦争を呼び込んでしまいました。政治の近代化が遅れたからです。近代化が遅れたことが「責任か」については、難しい問題だと思います。

さてヒトラー。名を聞くのもおぞましい人物です。で、「ヒトラー最期の12日間」という映画の存在は知りながら、見ようとは思いませんでした。

ところが、アメリカ制作かと思っていたら、ドイツ制作です。ドイツなら、ネオナチ風のヒトラー礼賛はないだろうと、思い、見ることにしました。

事実を、追いかけている感じの映画です。

ソ連がベルリンに迫ってからのヒトラーが描かれており、またナチの姿も描かれています。

本当に事実通りなのかどうかは、分かりません。

ヒトラーは、ちょび髭の小男が演じており(国民的スターらしいのですが)、みっともなく錯乱しています。ただ気になるのは、「その他の人々」が比較的冷静かつ知的に描かれていることです。

ゲッベルスなども狂信的な感じがあまりありません。みっともなく錯乱しているのはヒトラーだけで、その他の人々は冷静だったり潔かったりします。

これが事実なんだろうか、と思います。で、調べてみると案の定、「ナチの描き方」については、色々批判があるようです。明確な嘘もあるとのことです。

よくドイツ政府が許したな、という感じはしますが、ヒトラーは徹頭徹尾みっともないので、許可が下りたのかもしれません。

最近になってニュルンベルク裁判のことを少し調べたりしています。東京裁判について、本を読んだり、何度も映画を見たりして知っているのですが、考えてみるとニュルンベルク裁判のことは少しも知りませんでした。

そんなこんなでナチについて少し調べると、日本の事情とは大分異なっています。東京裁判においては被告たちに対し、確かこういうことが言われました。

「ニュルンベルクの人殺しどもとは違っている。しかし、だからこそ、彼らよりは知性的な存在であるからこそ、やったことの責任はとらないといけない」と。

さて、映画に戻りますが、ネオナチが何より嫌いなこの私が、最後まで見られたのですがら、ナチ礼賛の要素は限りなく少ない作品です。

多少の嘘はあるのせよ、歴史の勉強にはなる作品で、見ても特に損はしないと思います。





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