乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント
冠番組の第7弾がスタート!!
10月10日(月) 25 : 29 〜 25 : 59 [地デ] 日本テレビ『NOGININGO!7』の初回放送。MCは、もちろんイジリー岡田
乃木坂の舞台がスタート!!
10月14日(金) 舞台『墓場、女子高生』の初日。脚本、福原充則、演出、丸尾丸一郎(劇団鹿殺し)で、伊藤万理華、伊藤純奈、井上小百合、斉藤優里、新内眞衣、鈴木絢音、能條愛未、樋口日奈が出演。
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[公演日程] 東京ドームシティ シアターGロッソ
10月14日(金) 01日目 第01公演(19:00)
10月15日(土) 02日目 第02公演(13:00)&第03公演(18:00)
10月16日(日) 03日目 第04公演(13:00)&第05公演(18:00)
10月17日(月) 04日目 第06公演(19:00)
10月18日(火) 05日目 第07公演(14:00)&第08公演(19:00)
10月19日(水) 06日目 第09公演(14:00)&第10公演(19:00)
10月20日(木) 07日目 第11公演(14:00)&第12公演(19:00)
10月21日(金) 08日目 第13公演(14:00)&第14公演(19:00)
10月22日(土) 09日目 第15公演(13:00)&第16最終公演(18:00)
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10月15日(土) 24 : 05 〜 [地デ] NHK総合『着信御礼!ケータイ大喜利』に、ヒャダインと堀未央奈がゲスト出演
乃木坂16thと欅坂3rdの選抜メンバー発表!!
10月16日(日) 24 : 30 〜 [地デ] テレビ東京『乃木坂工事中』で、16th選抜メンバーの発表。愛知テレビ公式サイトの番組予告欄には、
さらに16枚目シングル待望の選抜発表!
選抜メンバーに、そしてセンターに選ばれるのは誰なのか!?
と書かれています。さらに、続く『欅って、書けない?』では、3rd選抜の発表が行われる予定
10月17日(月)18(火)19(水) 22 : 00 〜 25 : 00 [AM] 『レコメン!秋の乃木坂祭』。公式サイトには、
3日間毎日、乃木坂46が生登場!メンバーは、まだヒミツ!
写真は裸足でSummerですが、、、秋祭お楽しみに!
と意味深な予告が書かれていて、16枚目に関する何らかの情報が公表される可能性があります
乃木坂が出演する番組やイベントをさらに知りたい方は、以下のリンクをご利用下さい。
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 06Aug16 〜 テレビ・ラジオ番組と重要イベントの日程 ['16Aug〜Sep]
また、「ブックマーク」内の次のリンクは、乃木坂のスケジュールを、過去分も含めて、まとめたものです。「ブックマーク」は、PCでは左サイドバー、モバイルでは記事の最後に置かれています。
重要日程(Aug~Sep16)
重要日程(Jun~Jul16)
重要日程(Apr~May16)
重要日程(Feb~Mar16)
重要日程(Nov15~Jan16)
9月29日(木)から、品川プリンスホテル Club eX で上演されてきた舞台『嫌われ松子の一生』は、昨日10月10日(月祝)、予定していた公演をすべて終え、無事に千秋楽を迎えたようです。
Wキャスト方式で主演を務めた若月佑美と桜井玲香は、稽古と本番の期間が、2ndアルバム特典ライブ、15枚目握手会、16枚目の制作などと重なり、とてつもないハードスケジュールだったと思います。
しかも、桜井玲香は病気療養から復帰したばかり、若月佑美は全国ツアーで脚の状態が悪化しており、二人とも満身創痍と言っていい体調の中、最後までよく頑張って、素晴らしい舞台を披露してくれました。
12日間18公演に渡る舞台、桜井さん、若月さん、本当にお疲れ様でした。
また、乃木坂メンバーの舞台には何度も行きましたが、今回ほど、支えてくれた共演の方々の有り難さを、しみじみ感じたことはありません。
桜井と若月は、グループの中では舞台の経験がある方だけど、演劇を始めてまだ日の浅い新人女優であるのは間違いなく、スケジュールと体調の両面で、常軌を逸してシビアな条件を乗り切れるとは、正直、思えなかった。
もう、舞台の出来はヨレヨレでも良いから、とにかく、公演期間中に倒れたり、大怪我したりしないよう、そればかりを祈ってました。
『嫌われ松子の一生』は、女の転落を描いたヘビーな内容で、しかも、心身共に限界ギリギリであろうキャプテンと若様が演じるとなると、観ているのがあまりに辛くなりそうで、どこか目を背けたい気持ちがありました。
ところが、共演者の一人であるなだぎ武さんが、稽古の様子を盛んにツイートしてくれて、二人が案外元気にやっていること、さらに、周りの「おっさんたち」が強力にサポートしてくれていることを知り、徐々に、「これは何とかなるんじゃないか」という気分に変わり、出来上がった芝居をぜひ見届けたいと思うようになった。
そして、若月佑美「黒い孤独篇」と桜井玲香「赤い熱情篇」、両方のチケットを取り、品川の Club eX に、二回足を運んだ次第です。
稽古の様子、楽屋の状況、出演者同士のやりとりなどを、ネットで発信するのは、チケットの売れ行きにプラスの影響を与える、かなり有効なコマーシャルになるのかもしれません(笑)。
観劇して驚いたのは、桜井さん、若月さん、ともに疲れを微塵も感じさせないほど、高い熱量で、生き生きと松子を演じていたことです。
しかも、台詞に詰まったり、間合いがおかしかったりが、ほとんどなく、共演者の演技に支えられながら、クオリティの高い芝居を作り上げていた。
劇の最中は、ひたすら松子の世界に没頭していたけど、後で、二人とも、一体、どこに、そんな体力と時間があったのかと、驚嘆しました。
今回の舞台は、桜井若月と、主役を取り巻く男性俳優陣が、一つのチームを結成している感じで、そこにアットホームな暖かみがあり、小劇場の芝居のような、観客とステージの一体感も漂っていました。
こういった共演者がいなければ、芝居のクオリティをあれほど高めることは出来なかっただろうし、そもそも、二人が稽古と本番を乗り切れたかどうかすら怪しい。
舞台を宣伝し、二人を稽古から支え、本番では精度の高い演技で、主役が躍動出来る土台を作ってくれた。
共演の、吉川純広さん、岡田達也さん、なだぎ武さん、堀越涼さん、藤田秀世さん、オレノグラフィティさん、本当にお疲れ様でした、そして、ありがとうございました。
6人の方が、松子と関わる「男」として登場されるシーンは、彼女の置かれた状況と共に、心に焼き付いていますが、とくに感銘を受けたのは、1回目と2回目の芝居において、全員が、ほとんど同じ演技を披露していることです。
例えば、藤田秀世さん演じる理容師島津賢治は、冬の夜、玉川上水に一人佇む女を発見して、しばし逡巡した後、「そんなところで、何してるの?」と声を掛けます。
その逡巡の間合い、川底に乗り出すように身をかがめるポーズ、呼びかけるタイミングと声のトーン。
1回目、2回目と、細部に至るまで同じで、今、思い出しても、頭に浮かんで来たのが、若月回なのか、桜井回なのか、区別が付きません。
吉川純広さんの文学青年八女川徹也が、松子と同棲しているアパートで、酔ってふらふらしながら、しゃべるシーンも、千鳥歩きの歩数と歩幅、台詞を発するタイミング、畳への倒れ込み方などなど、1回目、2回目で、ほとんど同じだった。
他の役者さんも、どのシーンであっても、同じようなリズム感で、同じような動きをし、同じようなトーンでしゃべっている。
考えてみると、台詞が同じであっても、役者の動きや声の調子が、公演ごとに変わってしまったら、毎回、異なる印象の芝居になる可能性がある。
つまり、演出というのは、台詞の書かれた脚本を基に、時間軸を含めた4次元空間で展開する芝居を、ある一定の形にまとめ上げる作業で、その実現のために、役者は、同じパターンの演技を提供するよう、求められるのかもしれません。
同じ楽譜であっても、指揮者が異なれば、違う雰囲気の交響曲になるわけで、目指すイメージを実現するには、同じ調子で同じ音を出せる演奏家が必要になるのと近い気がします。
そして、プロの演奏家が、同じ指揮者によるコンサートで、どの公演でも一定のイメージを持った音を出せるように、プロの役者も、同じ演技を繰り返せるスキルを身につけている。
そうであれば、もし、若月松子や桜井松子が、演じる度に、前回より台詞のタイミングが0.5秒遅れた、あるいは身体を傾ける角度が10度違ったとなると、極めて高精度に同じ演技を続けている共演者にとっては、リズムや間合いを考え直さなければならないことになる。
若月佑美は、稽古期間中に更新したブログに、
私からの発信をなるべく尊重し、受け取ろうとしてくださるんです。
じゃぁ、こうしよう!
じゃぁ、こっちにしよう!とか...
内心嬉しくて嬉しくて仕方ないです。
(若月佑美の2016/09/14_23:59ブログ)
と記していて、会話シーンでの擦り合わせが、稽古で緻密に行われていることが分かります。
こういった細かい作業の積み重ねが、一つの松子像を生み出していくのでしょう。
ただ、桜井さんについては、公演が始まってからも、演出家や共演者から、「何が飛び出すか分からない」という声が出ていました。
おそらく、若月さんは、本番までに、ある程度定まった松子像を完成させ、それに沿って、ほぼ同じ演技を続けたのに対し、桜井さんは、その時々の感情を尊重したために、共演者は、「今日はこう来たか!」と瞬時に受け取り(笑)、自分の演技を微調整して相手に合わせる必要があったのかもしれません。
そして、感情に従ったことで生じる演技の「ゆらぎ」が、桜井松子に不安定な緊張感を与え、一つ一つのシーンが、より重く、より悲惨な印象を与えている気がします。
「黒い孤独篇」を、思っていた以上に冷静に鑑賞出来たのは、若様の「男前」な性格が理由というより(笑)、演技の安定性がある程度確保されていること、つまり松子のイメージが一定していて、割と安心して観てられるからで、一方、「赤い熱情篇」が、ヘビーだったのは、桜井松子のイメージが「ゆらぐ」ため、何をしでかすか分からないという緊迫感が漂うからかもしれません。
脚本が同一で、台詞も、セットも、共演者の演技もほとんど変わらないのに、驚くほど雰囲気の異なる若月松子と桜井松子。
そこには、二人の異なる演技スタイルが生み出す、演出空間の歪みの違いがあるように思えます。
若月松子が一定の曲率を持つ比較的滑らかな空間を形成するのに対し、桜井松子は、曲率が場所によって変化する複雑な空間を生み出す。
この二人、女優として、対照的な性質を持っており、だからこそ、プライベートでも相性が良いんじゃないでしょうか(笑)。
ところで、音響を担当された笠木健司さんが、
今回、舞台周りには16本のマイクを仕込んでいました。
生声のニュアンスを壊さない様に、スピーカーから出る音にはディレイをかけ、
音響心理学でいうハース効果を利用して自然感を出します。
(Kenji Kasagi@punipapa)
とツイートされていて、音の面でも、繊細な仕掛けがあったことが分かります。
確かに、スピーカーから声が出ている感じはまったくなく、すべて生声では?と思っていました。
小さな劇場で、役者の生声は否応なく耳に入ってくるので、スピーカー音を被せると、ズレて違和感があるだろうと考えていたんですが、巧妙なテクニックがあったんですね。
ただ、役者の地声が小さければ、観客に届く音声も小さくなるのは避けられない筈で、若様もキャプテンも、発声スキルに関しては、声量、滑舌ともに、さらに研鑽を積んで欲しいと、感じるシーンは幾つかありました(笑)。
最近、生田絵梨花が相当、声量をアップしていると思うけど、本当に、コツコツ、長くトレーニングを重ねてきた成果で、発声というのは、一朝一夕に向上するスキルではないようですね。
前回記事の最後に、演出に対する不満として、劇の後半、松子の人生を「説明」し過ぎていると述べました。
全公演が終わったので、この部分を、より具体的に書いてみたいと思います。
オレノグラフィティさん演じる龍洋一が働いている教会に、岡田達也さんの岡野健夫が、松子の小説を執筆するため取材に訪れ、過去を回想する形で、彼女が殺人事件の刑期を終え、出所した後に起こったことが語られていきます。
松子が中学教師を辞める切っ掛けを作った龍は、東京で再会した彼女に、ずっと好きだったことを告げ、二人は愛し合うようになる。
しかし、ヤクザとして覚せい剤の密売を行っていた龍は、それを止めようとする松子に激しい暴力を振るようになり、最後には、二人とも組織から追われる身となり、生きるために警察に捕まることを選ぶ。
そして、松子は、二度までも人生を狂わされた龍を、出所まで待ち続け、一緒にやり直そうと声を掛ける。
結局、龍は、松子の願いを受け入れず、三度、彼女の人生を狂わせてしまうことになるんですが、その後、キリスト教に傾倒していく中で、何度も酷い仕打ちをしたのに自分を愛し続けてくれた松子に、神様を見出し、自らの行いを深く後悔していきます。
傷つけられても、裏切られても、それでも愛することを止めない松子は、その後、「神」的な存在として、語られていきます。
4人組の少年に面白半分で撲殺されるシーンでは、ボロボロになりながら、立ち上がって家に帰ろうとするとき、彼女は十字架を引きずっている。
実は、幕が開いた最初、この十字架を引きずるシーンが唐突に披露され、観客にとって、意味がよく分からないままのスタートなんですが、その後、松子の人生が中学校の教師時代から時系列に沿って展開し、劇の最後に、話の流れの中で、再び、十字架のシーンが出てくる。
つまり、二度も出てくるシーンで、神としての松子が、それを理解出来ない民衆たちによって殺されてしまう、イエスキリストのような存在であることが、強調されている。
松子は、普通の人には理解出来ない、「神」だったという発想が、この舞台の基本的な解釈なのだと思います。
私が違和感を覚えるのは、この点です。
確かに、龍洋一にとって、松子は「神」だったかもしれません。
彼女を傷つけたことはあっても、彼女から傷つけられたことは、ほとんどないようで、無償の愛という言葉が、素直に心に滲みていく。
しかし、物語の前半を眺めると、松子は、「神」とは到底言えない行動を、しばしば取っています。
例えば、八女川が自殺した後、何かと面倒を見てくれて、愛人関係になる岡野に対して、妻と子供のいる家に押し掛けて行って、彼を独占しようとする。
岡野から「愛している」と言われたことが、そういった行動を正当化すると、露も疑っていない節があって、一つの家庭を壊してしまうことに、罪の意識を持っている風がない。
惜しみなく愛するのだけど、惜しみない愛を手に入れるためには、手段を選ばない危うさがある。
さらに、「ビジネスパートナー」として、一緒に雄琴にやって来た、堀越涼さん演じる小野寺保を殺すシーンも、「神」とは相容れない部分がある。
ナイフを持っているとき、もみ合って、刺したならともかく、足にナイフが落ちて、動けなくなった小野寺を、メッタ刺しにしており、「正当防衛」とは言えない、強い殺意を感じます。
自分がソープ嬢として稼いだお金を、勝手に使い込まれ、女子大生の愛人まで作ったヒモへの憎しみは、私には経験がないけど(笑)、相当なものであるのは分かります。
しかし、なだぎ武さん演じる赤木マネージャーの北海道帰郷に同行するのではなく、敢えて、小野寺を選び、何年か一緒に暮らしたのだから、そこまでの凶行に及ぶというのは、さすがに常軌を逸している。
個人的には、なぜ、松子が小野寺を選び、彼を殺すに至ったのか、その点にこそ、彼女を読み解く鍵があると思っています。
小野寺は料理が得意なことを知っている松子は、修羅場が起こる前、彼に、調理師免許を取って、二人で小料理屋をやってみないかと持ちかけます。
しかし、小野寺はその提案をにべもなく撥ね除ける。
私は、松子が殺意を抱いたのは、これが引き金じゃないかと思います。
小野寺は、自分を女として愛してくれなかった、そして、今後も、愛してくれる気はない。
いつまで経っても「ビジネスパートナー」に過ぎない。
その事実に直面して、激しい怒りが松子を支配してしまったんじゃないかと。
松子が中州のソープランドで働こうと思ったのは、八女川に自殺され、田野に捨てられ、簡単に裏切られる男の愛に振り回されることに懲りて、お金という確固たるものを掴みたいという気持ちからだと思います。
そして、彼女は一生懸命に働き、店のNo.1となり、お金も手にすることが出来た。
この成功体験から、男に依存せず、自分一人の力で生きて行けるという自信を、松子は持つようになった。
店の方針が変わり、若い素人娘が主流となり、No.1としての座が揺らいだ時、小野寺は、自分の力を認めてくれて、まだまだやれると言ってくれた。
赤木マネージャーと一緒になることを選ばなかったのは、松子が、この時期、「自立」を目指していたからだと思います。
自分に、お金とプライドをもたらしてくれた、この仕事をもっと続けて、何か確固としたものを築きたい。
男に頼るのではなく、自分で自分の道を切り拓く、そんな高揚感が彼女を突き動かし、雄琴という戦場に立ち向かわせた。
しかし、そこで分かったことは、どんなに「ビジネス」が順調であっても、誰かに愛されていなければ、自分は決して幸せを感じないという、動かし難い事実だった。
そして、「ビジネスパートナー」だった筈の小野寺に、お門違いの愛を求め、それを拒否され、彼を捨てることが出来ず、殺すという行為で、依存してしまった。
結局、元の木阿弥で、「自立」する強い女にはなれなかった。
中州時代に松子が得ていた満足の大部分は、お金を手にしたことではなく、No.1になったことでもなく、実は、赤木マネージャーがいつも側にいてくれて、父親のように、自分を暖かく見守ってくれたことだと、彼女は気づかなかったのかもしれない。
ここに書いた話は、あくまで、私がこの舞台を観て感じた、松子に対する個人的な解釈です。
ただ、龍洋一に捨てられた後、関わった男たちを罵りながら、老いていく日々は、彼女が決して神様ではないことを示しているように見えます。
松子が欲しかったのは、心から愛する相手ではなく、心から愛される自分だったのではないかと。
惜しみなく男に尽くし、愛を与えるのも、どうしても自分を愛して欲しいからであって、無償の愛ではない。
そして、歳をとり、男から新たに愛されることを、ほとんど期待出来ないと感じたとき、過去の男たちへの怨嗟を抑えらなくなり、心を病むほど苦しんでしまう。
自分が持っているお金を使って、何かを始め、未来を切り拓くことは可能な筈だけど、過去に「依存」してしまい、そこから抜け出せない。
私が感じた松子の物語は、桁外れに愛を求めるが故に、惜しみなく愛を与え、それに疲れて自立を試みるも酷い挫折を経験し、結局は、成就しなかった愛の想い出に囚われている、嫌になるくらい人間くさい人間の物語でした。
だからこそ、劇後半に出てくる、「神」という言葉に違和感を覚えたわけです。
しかし、一つだけ、松子に「神」というものを感じる部分があります。
彼女が求めたものは、ただただ愛されることだけで、お金や、贅沢な暮らしや、社会的地位ではなかった、という点です。
そして、愛されている実感さえあれば、必要に迫られて風俗で働くことになっても、相手に妻子がいようと、激しい暴力を受けようと、その愛は冷めないようで、本当に困った女です(笑)。
松子には、全然、神様じゃない面がある。
そこを浮き彫りにするようなシーンを、もっと入れ込めば、松子は神様であるという、龍洋一の見方と複雑な矛盾が生じて、観劇後の感想談義が、もっと弾むんじゃないか、そう思いました(笑)。
八女川の発する、「美しい」は「汚い」や「醜い」をも含んでいるは、松子の物語を考えるとき、とくに味わい深い言葉なのかもしれません。
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