乃木坂46が参加する、注目の番組とイベント
11月19日(木) 19 : 00 ~ [地デ_生放送] 日テレ『ベストヒット歌謡祭2015』。大阪・フェスティバルホールで開催される読売テレビ・日本テレビ系の大型歌謡祭に乃木坂が出演。
11月21日(土) 東京大学駒場キャンパスで文化放送『乃木坂の「の」』公開収録。東大教養学部の学園祭「駒場祭」とのコラボで、秋元真夏、衛藤美彩、白石麻衣、高山一実、深川麻衣、松村沙友理が出演。番組公式サイト関連ページ
# 11月22日(日) NHKラジオ第1『らじらー!SUNDAY』はSKE48の回。
11月22日(日) 20 : 30 ~ 21 : 00 [AM] 文化放送『乃木坂の「の」』。北野日奈子MCで、秋元真夏と高山一実が参加。『乃木坂の「の」』番組公式サイト
11月22日(日) 24 : 00 ~ 24 : 30 [地デ] テレビ東京『乃木坂工事中』。2期メンバーの「堀」さげ企画(笑)。テレビ愛知の『乃木坂工事中』番組公式サイト
11月23日(月祝) 12 : 00 ~ 13 : 00 [地デ] テレビ東京 『秋の東北を食べつくす ご当地食材探訪女子旅』。生駒里奈と鈴木絢音が出演。
11月24日(火) 19 : 00~ [地デ_生放送] 日本テレビ『ベストアーティスト2015』。日テレ系大型音楽祭に乃木坂46が今年も出演。昨年は、紅白落選をイベント直前に知らされ、厳しいステージとなった。今年も、この日に紅白出場歌手が発表される可能性あり。
#『第66回紅白歌合戦』の出場歌手発表は11月26日(木)になったようです。司会者も同時に発表されるとのこと。
Yahoo!JAPAN掲載のスポニチ記事
乃木坂が出演する番組やイベントをさらに知りたい方は、以下のページをご参照下さい。
アレチの素敵な乃木坂業務連絡 01Nov15 ~ 注目されるテレビ・ラジオ番組と重要イベントのスケジュール
いやいやいや~、まさか『リボンの騎士』を観て、若干、目頭が熱くなるなんて、予想だにしなかった。
海賊ブラッドはん、あんたは顔もええけど、心もめっちゃ男前どすなあ~。
ネタばれを避けたいので、感動した場面の詳しい描写はしませんが、観た人なら「Drug Store」って言葉で分かるかと。
そうどす、あのシーンで、うっかり泣きそうになったんどす(笑)。
昨日、無事に東京公演の千秋楽を迎えたミュージカル『リボンの騎士』、私は月曜夜の第8公演を観たのですが、もの凄く良かったです。
何と言っても、歌が素晴らしい。
芝居の台詞からそのまま歌に入るようなラップ調の曲、オペラのようなクラシック調の曲、パンチの効いたロック調の曲、さらに、デュエット、トリオ、多人数での合唱。多彩な歌が物語の要所要所で披露される、圧巻の音楽舞台になっていて、ここまでくると、ミュージカルというより、歌劇、つまりオペラに近い雰囲気すら漂ってきます。
魅力的な音楽を支えたのは、出演者のハイレベルな歌唱力です。
とくに凄かったのが、魔女ヘルで、圧倒的な声量と、微塵も狂いのない音程で、ステージどころか、ホール全体を揺るがし、聴いてて、オペラ歌手なのかと思たったほどです。
ほとんど予備知識なしで舞台を鑑賞したのですが、観劇後、ヘルを演じたのが、はいだしょうこさんだと知って驚きました。
確かに、宝塚出身で、歌のお姉さんという経歴は、歌の上手さを説明しているけど、バラエティ番組で、ちょっとピントのボケたトークをする人というイメージが強かったので(笑)、こんなにシャープな演技力と、桁違いの歌唱力を持っている方だとは、失礼ながら、想像しませんでした。
パンフレットを読むと、『若草物語』(2008、主演ルイザ役)、『回転木馬』(2009、キャリー役)、『王様と私』(2012~2014、タプチム役)『4BLOCKS』(2015、キャリー役)、『ひめゆり』(2015、主演キミ役)と、多くのミュージカルに主役もしくは主役級で出演されている。まあ、あれだけのスキルと表現力があれば、多方面から声が掛かるのは当然で、納得の経歴です。
はいだしょうこ演じる魔女、その娘であるヘケート役がキャプテン、桜井玲香です。
本格的な舞台は3度目だと思いますが、演技の切れ味が抜群で、とくに、魔女の館に囚われたサファイヤを、「ははあ~ん、あんた男が好きなんでしょ?だから女になりたいのよね?」など、単刀直入な質問攻めにする場面は、軽快でシャープな動きと共に、迫力がありました。
さらに、ノリのいいロック調の曲を、得意の高音を存分に生かして、大ボリュームでうたいあげ、うるさくて、ワガママなんだけど、純粋で、どこか憎めない、桜井ヘケートを、演技と歌で、見事に表現していました。
桜井さん、演技センスと舞台度胸が半端ではないのか、芝居経験を重ねるごとに、バリバリ音を立てて成長している感じで、『Mr. カミナリ』『すべての犬は天国へ行く』に続いての『リボンの騎士』は、ホップ、ステップからの、ホイップ!じゃなくて、本当にジャンプしたんじゃないでしょうか(笑)。
魔女の娘なので、ヘルと絡むことが多く、ほとんどのシーンが、親の言うことにことごとく逆らう、母娘の確執なんですが、桜井さんが、相手に負けないほど元気で小気味の良い演技を披露して、見応えのある芝居になってました。
歌については、一度だけ、母娘のデュエットがあって、はいだしょうこさんがあまりに上手いので、始まったときは、ちょっとドキドキしました(笑)。
一緒に歌うと、キャプテンの声のボリュームと音の精度が、ヘルに比べ、ややグレードダウンする印象を受けたけど、それが子どもであるヘケートの未熟さを表している形になっていて、むしろ、芝居としては成功だったと思います。
今の桜井玲香ほどの歌唱レベルであれば、経験豊富で抜群に上手い相手と合唱しても、「下手やなあ!」というのではなく、若い役者の個性として受け入れられるんじゃないでしょうか。
しかも、本格ミュージカルがほとんど初めての桜井さんの歌が、はいだしょうこと完全に互角なら、今後、もうやることないじゃんって話になりますから(笑)。
ヘルとヘケートのデュエットは、桜井玲香の歌唱力の高さと、今後の課題を、理想的な形で指し示めしていて、キャプテンは、また一つ、貴重な経験を積んだんじゃないでしょうか。
歌が上手いと感じた女性出演者を、あと二人ほど挙げておきます。
まず、サファイアの母上である王妃を演じた池田有希子さん。
歌うシーンは少ないのですが、実権を握ったナイロン卿によって、高い塔にある監獄に幽閉されたとき、おそらく、唯一のソロ歌唱があります。
王の後を継がせるため、女である我が子に、長年、男であることを強いてきたことへの、後悔を歌い上げるのですが、まあ、声量が素晴らしい。
王妃は、サアイアの母親ながら、魔女ヘルに比べると、大人しくて受け身のキャラなので、芝居ではやや存在感が薄くなるけど、歌い始めると、雰囲気が一変、圧倒的なボリュームの歌声に乗って、彼女の内面の葛藤が、観客の心に一気に流れ込んでくる。
只ものじゃないな、この女優さんという感じで、後でパンフレットを読んでみると、高校時代にアメリカの演劇科へ奨学金留学した経験があり、2003年第15回東京芸術劇場「小田島雄志賞」、2004年第11回読売演劇大賞「優秀女優賞」を受賞されている。
舞台での迫力も大いに納得の実力派女優でした。
もう一人は、天使チンクです。
小学生かせいぜい中学1年生くらいにしか見えないのに、べらぼうに演技と歌が上手い。
台詞回しや歌い方が、あまりにしっかりしているので、芝居が始まってしばらくは、『すべての犬は天国へ行く』におけるリトルチビのように、大人の女性が子どもに扮しているのかと考えていました。
ただ、声質や表情は、どうにも大人には見えない。
チンクを演じたのは、神田愛莉という13歳の女の子だと、後で知って、目眩がしました(笑)。
この年齢での演技と歌唱としては、もう直すところがないくらい、完成されていて、物語の流れを見守りながら、ときどき介入して、新たな展開に導くという、狂言回しの役割を、ほぼ完璧にこなしていました。
とくに、冒頭、生まれてくる前の人間がいる天界で、神様が女の心を入れた肉体に、チンクが好奇心から男の心も入れてしまうシーン。
神様からひどく怒られて、地上に降りて、この子の人生を見守りなさいと命じられる場面は、チンク役が本当の子どもでなければ、ここまでの清らかさやいたずら感は出せないんじゃないかと思います。
そして、本当に歌が上手い。
ボリュームがあって、音が正確に取れていて、本当に本当に、上手いんですよ(笑)。
しかも、それだけ上手いのに、可愛い子どもの声が響くわけで、まさに天使の破壊力です。
大人顔負けの巧みな演技力と歌唱力によって、子どもしか持っていないピュアさを、舞台の上で効果的に発揮し、争いや戦いの物語が、血なまぐさくならず、お伽の国の冒険活劇に収まるよう、芝居の基本的雰囲気を形作っている。
神田愛莉の天使チンクは、『リボンの騎士』において、サファイヤ以外の、もう一人の主人公であり、もう一つのイメージ中心と言っても良いんじゃないでしょうか。
調べてみると、愛莉ちゃん、ドラマ、CM、舞台、ミュージカルなど、豊富な出演経験を持っているようで、天才子役と言っていいでしょう。
まあ、安達祐実や最近では芦田愛菜など、大人顔負けの演技をこなす子役が、少なからずいるのは知ってましたが、こうやって、実際に、眼前でその表現力を見せられると、開いた口が塞がらないというか、驚愕するというか、子どもって、ここまで出来ちゃうんだって、すごい衝撃を受けますね。
ちなみに、ミュージカルは、『美少女戦士セーラームーン』で、「ちびうさ」と、彼女が変身した「セーラーちびムーン」を演じたそうです、子役のエリート街道って感じですよね、この配役(笑)。
さて、いよいよ話を、主人公サファイヤ役の生田絵梨花に移しましょう。
まず、私の総合評価を正直に述べておきます。
100点満点の120点(笑)、事前の期待を遥かに越えた、素晴らしいパフォーマンスで、見終わった直後、言葉が出ないくらい感動しました。
『リボンの騎士』は、心底楽しめる冒険活劇ミュージカルで、それを中心となって支えた生田絵梨花の力量は、昨年10月の『虹のプレリュード』より、格段に成長したと感じました。
何と言っても、歌唱力が向上している。
以前は、声量不足を感じさせた低音域を、十分なボリュームで歌い上げていて、聴いてて、思わず身を乗り出してしまった。
いやいや、浮き輪を膨らませる特訓、絶対にその成果ですよ、これ(笑)。
実際、高音域での伸びや、音程の精度も、数段レベルアップした印象で、明らかに、肺活量が強化されている。
あるいは、『乃木坂工事中』で披露した、変な体操も効いてるかもしれない(笑)。
これまで、課題だった低音域と声量を、日々の地道なトレーニングにより、大きく改善することに成功していて、「いくちゃん、あんたって子は」と、心が震えました(笑)。
さらに、演技の面でも、『虹のプレリュード』に比べ、より迫力が出てきた。
長い亜麻色の髪で、ドレスを纏った姿では、女性的魅力が眩しく輝いている。
一方、王子の姿では、より凛々しく、よりシャープになっていて、女役と男役を、めりはりを持って演じられていたと思います。
とくに印象に残ったのは、王となったナイロン卿が、夜な夜な苦しめられる悪夢の中で、最後、サファイヤ王子が玉座に脚を組んで、威風堂々と座るシーンです。
王座はオレのものだという気迫が漲っていて、ナイロン卿にとって、サファイヤの存在がいかに心の重荷となっているかが、ひしひしと伝わってくる名場面になっていました。
18歳の少女が、気品を保ちながら、ここまで男性的な威厳を演じられるのは、凄いことで、「ん~」と唸ってしまった。
『虹のプレリュード』から1年しか経っていないけど、17歳の高校3年生と、18歳の大学1年生では、実生活の経験値が全然違っていて、いくちゃんは、この1年で、人間的にも大きく成長したのかもしれません。
やはり、演技力は、人生経験を重ねることによって、向上する面もあって、女役と男役のそれぞれに対して、より深い解釈が出来るようになったんじゃないでしょうか。
さらに、肺活量をアップしたことで、歌声だけでなく、台詞の声も大きくなった気がします。
しゃべる声が大きいというのは、ダイレクトに役の迫力を高めるので、それだけで演技力が向上したように見えますよね。
桜井玲香のヘケート役は、相手に、速射砲のように連続して台詞を浴びせかけるシーンが多く、細かい感情表現は気にせず、高音を響き渡らせて、声量で押し切った感すらあります(笑)。
野口かおるの乳母役と同じスタイルで、声にボリュームがあればこそ可能な役作りだと思います。
いくちゃんは、歌える音域を広げ、声量をアップした歌唱、そして、より繊細で迫力を増した演技によって、サファイヤを生き生きしたキャラクターに仕上げていました。
しかし、舞台『リボンの騎士』にとって、生田絵梨花の主役抜擢が決定的な意味を持っているのは、彼女のもう一つの魅力によると思います。
スタイルです。
サファイヤ王子の格好は闘いやすいよう、ぴったりフィットする服になっていて、そのため、身体のラインが明確に出てきます。
生田絵梨花は、驚くほど華奢で細い肩、しなやかで細い胴回り、長く美しく、これまた細い脚を持っている。
やや現実離れするほど、美しくスリムな体型で、剣を振るい、敵と闘う。
この姿は、漫画やアニメに登場するサファイヤ王子に通じるものがある
サファイヤは、本来2次元世界の住人であり、だからこそ、女の子が憧れるような、あり得ないほどスタイルの良い、しかも強い王子に描かれている。
従って、『リボンの騎士』を、3次元世界のミュージカルに出来るだけ忠実に再現するとき、一番重要なのは、そんなスタイルと雰囲気を持った生身の人間を見つけてくることで、その点でのイメージ戦略に失敗したら、舞台そのものが成り立たなくなってしまいます。
そして、そんな生身の人間がいたんですね、乃木坂に(笑)。
ミュージカルの最後、隣国ゴールドランドのフランツ王子と結婚式を挙げるシーンで、サファイヤは、ブルマーくらい脚の出たパンツに、腕や肩を出した攻めの花嫁衣装で登場します(笑)。
水着に近いレベルの露出で、まあ、何もかも細くて、白くて、美しくて、バービー人形みたいです。
おそらく、この衣装は原作にあるんじゃないかと思いますが、もし、「本物のサファイヤ」がこれを着て、3次元世界に現れたら、今、ステージの真ん中で笑っているあの少女のように見えるだろうと、そんな奇妙な感覚に襲われながら、惚れ惚れと、いくちゃんの美貌に魅入ってしまいました。
漫画やアニメとは違うイメージで、3次元のサファイヤを設定することは出来ると思うけど、それは、『リボンの騎士』の「新作」であって、原作の「舞台化」ではない。
ミュージカル『リボンの騎士』は、手塚治虫が原作で描いた世界を、出来るだけ忠実に、ステージ上で再現するという、制作者の基本姿勢が随所に見えます。
例えば、桜井玲香のヘケートが着ている胸に星マークの入ったワンピースは、原作のそのままで、高い位置から横に流したポニーテールも、忠実に再現されている。
もし、原作イメージがなければ、もっと違った、現代風のファッションと髪型にしたと思うけど、敢えて、当時のままの格好に設定している。
また、ジュラルミン大公と息子のプラスチック、さらには、博士と乳母も、アニメからそのまま抜け出したような姿で、話し方までアニメっぽい雰囲気で演じています。
そして、『リボンの騎士』の原作世界を、舞台上に再現する決め手が、この子のスタイルはサファイヤみたいでしょ?と問うても、多くの人が頷きたくなる、傑出したプロポーションを持った生田絵梨花の主役抜擢だと思います。
いくちゃんの超絶にスリムで美しい体型が、『リボンの騎士』という夢舞台を支える中心イメージとなり、この3次元お伽話を観客が違和感なく受け入れる触媒になっているんじゃないでしょうか。
舞台『リボンの騎士』では、男とは何か、女とは何か、というジェンダーの問題、親の理想と子どもの本音がぶつかる親子の問題、あるいは、社会における男女平等の問題など、女性にまつわる幾つかの問題が提起されています。
ただ、『リボンの騎士』は、もともと小学生から中学生くらいの少女を対象にした漫画であったので、こういった問題提起を含んでいたとしても、それほど深く追求しているわけではなく、それよりは、サファイヤの活躍や、王子様とのロマンスが盛り込まれた、娯楽作品になっているのは当然です。
従って、原作の世界観をそのまま持ち込んだ今回のミュージカルでも、冒険活劇が中心に置かれ、こういった問題に深入りしない作りになっています。
確かに、ナイロン卿が母親から学んだ男尊女卑の思想やサファイヤとフランツが選択した結婚後の仕事スタイルなど、問題提起をより際立たせた現代的なエピソードが幾つか入っていますが、掘り下げて描くというより、サラッと流す感じになっている。
観客のほとんどは、原作の読者層と違い、高校生以上で、基本的に大人だらけ(笑)、加えて、時代的に、1960年代と2015年では、日本人の価値観もかなり変化しているので、観たときの「歯ごたえ」を考えて、そういう方向のテイストを入れたのかもしれません。
少なくとも、そういった問題提起が物語の中心軸になっている感じでは、全然なかった。
また、ストーリー展開も、いろんなバックグラウンドを緻密に設定して、理詰めで進めるというより、物語の勢いを大事にしている印象を受けました。
非常に長く、枝葉の多い原作ストーリーを、幾つかの変更を加えて、短くまとめ上げた脚本のようですが、すっきり理路整然と仕上げたというより、波乱万丈、スピーディで多彩な物語という原作の「ノリ」を維持している。
そのため、筋立てを説明しても、ネタバレという以上に、そもそも、あまり意味はないかと思います。
敢えて説明するならば、女であることを自ら公表して、その結果、王位継承権を失い、追放されてしまった元「王子」が、反政府ゲリラのリーダーとなり、隣国の王子や元海賊などと協力しながら、圧政に苦しむ国民を助けるといった感じでしょうか(笑)。
『虹のプレリュード』は、ロシア軍のポーランド占領、ワルシャワ蜂起、ショパンなど、実在する国家、事件、人物が登場する物語で、昨年の舞台も、大河ドラマのように、史実にかなり沿った形の、リアリティを追求する筋立てになっていました。
そのため、「芸術とは、祖国の崩壊に対して何も出来ない、無力な営みなのか?」といった鋭い問題提起が、主人公や友人たちの命を掛けた生き様の中で問われ続け、一つ一つの出来事が緻密に絡み合い、彼らを追い込み、観ていて、胸が苦しくなるような現実の迫力があった。
もちろん、神様も、天使も、魔女も、出てきません(笑)。
しかし、一方、『リボンの騎士』は、シルバーランドという架空の国に生まれた、女と男、二つの心を持つサファイヤ王子の物語で、完全な創作であり、しかも、社会的メッセージが込められているというより、読者少女がワクワクしながら楽しむことを主眼にしている。
こういった冒険活劇では、スピーディで奇想天外な物語展開や、うっとりするようなロマンスが一番重要で、背景にある社会的問題は、一種の「味付け」になっても不思議ではない。
例えば、プラスチック、フランツ王子と共に、ナイロン卿が支配するシルバーランドの王宮に乗り込んだサファイヤが、その時点で、男の心を抜かれているため、本来の力を発揮出来ず苦戦するシーン。
見かねた天使チンクが、魔法を使って、プラスチックに入っている男の心を、サファイヤに入れ直して、強いサファイヤに変身させます。
サファイアが二つの心を有するという設定は、男とは何か、女とは何かを問いかける問題提起でもあるのだけど、魔法を使って、片方を着脱可能にしているのは、より面白いシーンを作りたいという発想からで、哲学性や現実性より、娯楽性が優先されているのだと思います。
もともと神様がチンクに命じた「魔法は使っちゃいけない」は、架空の物語であっても、何でもありは荒唐無稽な話になりかねないという、制作側の自らを戒める姿勢だと思いますが、そうは言っても、話がより面白くなるのであれば、OKということになる(笑)。
従って、舞台『リボンの騎士』の鑑賞は、楽しい夢物語に、違和感なく、心おきなく、浸れたかどうかがポイントになってくる。
私は、いくちゃんサファイヤと桜井ヘケートの魅力に見惚れて、お伽の国に深く入り込み、多彩な音楽に酔いしれて、存分に楽しめたので、大満足でした(笑)。
もちろん、『虹のプレリュード』とは、全然違うタイプの満足ですが。
ただ、舞台『リボンの騎士』では、青木玄徳の海賊ブラッドが、原作漫画というより、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』におけるジョニー・デップのジャック・スパロウのような雰囲気があって、より現代的にカッコいいんですね(笑)。
とくに、剣を振り回して戦う「殺陣」に、その特徴がよく表れていました。
サファイヤを含め、フェンシングのような細長い剣を使った戦闘シーンは、「殺陣」というより、「舞踏」、つまりダンスに近い雰囲気があって、『リボンの騎士』という夢の世界とよくマッチしています。
ところが、ブラッドは割と幅のある剣を持っていて、それを使った戦いは、童話の空気さえ漂う世界にはやや場違いな、結構、シャープで力強い「殺陣」になっている。
まあ、そういったこともあって、青木玄徳さんは、1人突出してカッコいいんですが(笑)、これは、彼を目当てにしている女性の観客への、サービスなのかもしれません。
一方、そう言えば、いくちゃんも、一箇所だけ、サファイヤっぽくない点があって。
あの、その、胸がですね、サファイヤじゃないというか、盛り上がりが、相当に豊かなんですね(笑)。
ただ、これも栄養事情が飛躍的に良くなった現代版サファイヤってことで(笑)、ブラッドのカッコ良さと同じく、舞台の魅力の一つと考えれば、いいんじゃないでしょうか。
さらに言えば、桜井玲香のルックスは、原作漫画のヘケートより、ずっと彫りが深いので、舞台の濃い目メークと相俟って、魔女感がより強まっており、これも現代版ヘケートならではじゃないかと(笑)。
ん~、『リボンの騎士』は、いろいろと見どころの多い舞台です、大阪公演が残っているし、映像化もされるようなので、まだ観てない方は、一度、ご鑑賞されては如何でしょう。
ちなみに、青木玄徳さん、ビジュアルと「殺陣」がカッコいいだけでなく、歌ももの凄く上手いです。
『リボンの騎士』を観た後、じわじわ嬉しさがこみ上げてきました。
生田絵梨花も桜井玲香も、女優として、大きく成長を遂げていて、もはや「アイドルの舞台」なんて言葉は、どこからも聞こえて来ないほど、充実した内容になっていました。
とくに、主役の生田絵梨花は、かりに一般公募でサファイヤを決めたとしても、オーディションにいくちゃんが参加すれば、間違いなく彼女が選ばれただろうと思えるほど、役にぴったりハマっていて、ミュージカルを中心で支える、大きな存在になっていました。
今まで応援してきて、本当に、良かった。
そして、確実に、二人は坂を上ったと、しみじみ感じることの出来た、幸せな夜でした。
いくちゃん、キャプテン、お疲れさま。
そして、大阪公演も、自信を持って、思い切りやっちゃって下さい!
関連サイト
桜井玲香の2015/11/18_12:24ブログ
生田絵梨花の2015/11/18_20:54ブログ
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はいだしょうこ演じる魔女、その娘であるヘケート役がキャプテン、桜井玲香です。
本格的な舞台は3度目だと思いますが、演技の切れ味が抜群で、とくに、魔女の館に囚われたサファイヤを、「ははあ~ん、あんた男が好きなんでしょ?だから女になりたいのよね?」など、単刀直入な質問攻めにする場面は、軽快でシャープな動きと共に、迫力がありました。
さらに、ノリのいいロック調の曲を、得意の高音を存分に生かして、大ボリュームでうたいあげ、うるさくて、ワガママなんだけど、純粋で、どこか憎めない、桜井ヘケートを、演技と歌で、見事に表現していました。
桜井さん、演技センスと舞台度胸が半端ではないのか、芝居経験を重ねるごとに、バリバリ音を立てて成長している感じで、『Mr. カミナリ』『すべての犬は天国へ行く』に続いての『リボンの騎士』は、ホップ、ステップからの、ホイップ!じゃなくて、本当にジャンプしたんじゃないでしょうか(笑)。
魔女の娘なので、ヘルと絡むことが多く、ほとんどのシーンが、親の言うことにことごとく逆らう、母娘の確執なんですが、桜井さんが、相手に負けないほど元気で小気味の良い演技を披露して、見応えのある芝居になってました。
歌については、一度だけ、母娘のデュエットがあって、はいだしょうこさんがあまりに上手いので、始まったときは、ちょっとドキドキしました(笑)。
一緒に歌うと、キャプテンの声のボリュームと音の精度が、ヘルに比べ、ややグレードダウンする印象を受けたけど、それが子どもであるヘケートの未熟さを表している形になっていて、むしろ、芝居としては成功だったと思います。
今の桜井玲香ほどの歌唱レベルであれば、経験豊富で抜群に上手い相手と合唱しても、「下手やなあ!」というのではなく、若い役者の個性として受け入れられるんじゃないでしょうか。
しかも、本格ミュージカルがほとんど初めての桜井さんの歌が、はいだしょうこと完全に互角なら、今後、もうやることないじゃんって話になりますから(笑)。
ヘルとヘケートのデュエットは、桜井玲香の歌唱力の高さと、今後の課題を、理想的な形で指し示めしていて、キャプテンは、また一つ、貴重な経験を積んだんじゃないでしょうか。
歌が上手いと感じた女性出演者を、あと二人ほど挙げておきます。
まず、サファイアの母上である王妃を演じた池田有希子さん。
歌うシーンは少ないのですが、実権を握ったナイロン卿によって、高い塔にある監獄に幽閉されたとき、おそらく、唯一のソロ歌唱があります。
王の後を継がせるため、女である我が子に、長年、男であることを強いてきたことへの、後悔を歌い上げるのですが、まあ、声量が素晴らしい。
王妃は、サアイアの母親ながら、魔女ヘルに比べると、大人しくて受け身のキャラなので、芝居ではやや存在感が薄くなるけど、歌い始めると、雰囲気が一変、圧倒的なボリュームの歌声に乗って、彼女の内面の葛藤が、観客の心に一気に流れ込んでくる。
只ものじゃないな、この女優さんという感じで、後でパンフレットを読んでみると、高校時代にアメリカの演劇科へ奨学金留学した経験があり、2003年第15回東京芸術劇場「小田島雄志賞」、2004年第11回読売演劇大賞「優秀女優賞」を受賞されている。
舞台での迫力も大いに納得の実力派女優でした。
もう一人は、天使チンクです。
小学生かせいぜい中学1年生くらいにしか見えないのに、べらぼうに演技と歌が上手い。
台詞回しや歌い方が、あまりにしっかりしているので、芝居が始まってしばらくは、『すべての犬は天国へ行く』におけるリトルチビのように、大人の女性が子どもに扮しているのかと考えていました。
ただ、声質や表情は、どうにも大人には見えない。
チンクを演じたのは、神田愛莉という13歳の女の子だと、後で知って、目眩がしました(笑)。
この年齢での演技と歌唱としては、もう直すところがないくらい、完成されていて、物語の流れを見守りながら、ときどき介入して、新たな展開に導くという、狂言回しの役割を、ほぼ完璧にこなしていました。
とくに、冒頭、生まれてくる前の人間がいる天界で、神様が女の心を入れた肉体に、チンクが好奇心から男の心も入れてしまうシーン。
神様からひどく怒られて、地上に降りて、この子の人生を見守りなさいと命じられる場面は、チンク役が本当の子どもでなければ、ここまでの清らかさやいたずら感は出せないんじゃないかと思います。
そして、本当に歌が上手い。
ボリュームがあって、音が正確に取れていて、本当に本当に、上手いんですよ(笑)。
しかも、それだけ上手いのに、可愛い子どもの声が響くわけで、まさに天使の破壊力です。
大人顔負けの巧みな演技力と歌唱力によって、子どもしか持っていないピュアさを、舞台の上で効果的に発揮し、争いや戦いの物語が、血なまぐさくならず、お伽の国の冒険活劇に収まるよう、芝居の基本的雰囲気を形作っている。
神田愛莉の天使チンクは、『リボンの騎士』において、サファイヤ以外の、もう一人の主人公であり、もう一つのイメージ中心と言っても良いんじゃないでしょうか。
調べてみると、愛莉ちゃん、ドラマ、CM、舞台、ミュージカルなど、豊富な出演経験を持っているようで、天才子役と言っていいでしょう。
まあ、安達祐実や最近では芦田愛菜など、大人顔負けの演技をこなす子役が、少なからずいるのは知ってましたが、こうやって、実際に、眼前でその表現力を見せられると、開いた口が塞がらないというか、驚愕するというか、子どもって、ここまで出来ちゃうんだって、すごい衝撃を受けますね。
ちなみに、ミュージカルは、『美少女戦士セーラームーン』で、「ちびうさ」と、彼女が変身した「セーラーちびムーン」を演じたそうです、子役のエリート街道って感じですよね、この配役(笑)。
さて、いよいよ話を、主人公サファイヤ役の生田絵梨花に移しましょう。
まず、私の総合評価を正直に述べておきます。
100点満点の120点(笑)、事前の期待を遥かに越えた、素晴らしいパフォーマンスで、見終わった直後、言葉が出ないくらい感動しました。
『リボンの騎士』は、心底楽しめる冒険活劇ミュージカルで、それを中心となって支えた生田絵梨花の力量は、昨年10月の『虹のプレリュード』より、格段に成長したと感じました。
何と言っても、歌唱力が向上している。
以前は、声量不足を感じさせた低音域を、十分なボリュームで歌い上げていて、聴いてて、思わず身を乗り出してしまった。
いやいや、浮き輪を膨らませる特訓、絶対にその成果ですよ、これ(笑)。
実際、高音域での伸びや、音程の精度も、数段レベルアップした印象で、明らかに、肺活量が強化されている。
あるいは、『乃木坂工事中』で披露した、変な体操も効いてるかもしれない(笑)。
これまで、課題だった低音域と声量を、日々の地道なトレーニングにより、大きく改善することに成功していて、「いくちゃん、あんたって子は」と、心が震えました(笑)。
さらに、演技の面でも、『虹のプレリュード』に比べ、より迫力が出てきた。
長い亜麻色の髪で、ドレスを纏った姿では、女性的魅力が眩しく輝いている。
一方、王子の姿では、より凛々しく、よりシャープになっていて、女役と男役を、めりはりを持って演じられていたと思います。
とくに印象に残ったのは、王となったナイロン卿が、夜な夜な苦しめられる悪夢の中で、最後、サファイヤ王子が玉座に脚を組んで、威風堂々と座るシーンです。
王座はオレのものだという気迫が漲っていて、ナイロン卿にとって、サファイヤの存在がいかに心の重荷となっているかが、ひしひしと伝わってくる名場面になっていました。
18歳の少女が、気品を保ちながら、ここまで男性的な威厳を演じられるのは、凄いことで、「ん~」と唸ってしまった。
『虹のプレリュード』から1年しか経っていないけど、17歳の高校3年生と、18歳の大学1年生では、実生活の経験値が全然違っていて、いくちゃんは、この1年で、人間的にも大きく成長したのかもしれません。
やはり、演技力は、人生経験を重ねることによって、向上する面もあって、女役と男役のそれぞれに対して、より深い解釈が出来るようになったんじゃないでしょうか。
さらに、肺活量をアップしたことで、歌声だけでなく、台詞の声も大きくなった気がします。
しゃべる声が大きいというのは、ダイレクトに役の迫力を高めるので、それだけで演技力が向上したように見えますよね。
桜井玲香のヘケート役は、相手に、速射砲のように連続して台詞を浴びせかけるシーンが多く、細かい感情表現は気にせず、高音を響き渡らせて、声量で押し切った感すらあります(笑)。
野口かおるの乳母役と同じスタイルで、声にボリュームがあればこそ可能な役作りだと思います。
いくちゃんは、歌える音域を広げ、声量をアップした歌唱、そして、より繊細で迫力を増した演技によって、サファイヤを生き生きしたキャラクターに仕上げていました。
しかし、舞台『リボンの騎士』にとって、生田絵梨花の主役抜擢が決定的な意味を持っているのは、彼女のもう一つの魅力によると思います。
スタイルです。
サファイヤ王子の格好は闘いやすいよう、ぴったりフィットする服になっていて、そのため、身体のラインが明確に出てきます。
生田絵梨花は、驚くほど華奢で細い肩、しなやかで細い胴回り、長く美しく、これまた細い脚を持っている。
やや現実離れするほど、美しくスリムな体型で、剣を振るい、敵と闘う。
この姿は、漫画やアニメに登場するサファイヤ王子に通じるものがある
サファイヤは、本来2次元世界の住人であり、だからこそ、女の子が憧れるような、あり得ないほどスタイルの良い、しかも強い王子に描かれている。
従って、『リボンの騎士』を、3次元世界のミュージカルに出来るだけ忠実に再現するとき、一番重要なのは、そんなスタイルと雰囲気を持った生身の人間を見つけてくることで、その点でのイメージ戦略に失敗したら、舞台そのものが成り立たなくなってしまいます。
そして、そんな生身の人間がいたんですね、乃木坂に(笑)。
ミュージカルの最後、隣国ゴールドランドのフランツ王子と結婚式を挙げるシーンで、サファイヤは、ブルマーくらい脚の出たパンツに、腕や肩を出した攻めの花嫁衣装で登場します(笑)。
水着に近いレベルの露出で、まあ、何もかも細くて、白くて、美しくて、バービー人形みたいです。
おそらく、この衣装は原作にあるんじゃないかと思いますが、もし、「本物のサファイヤ」がこれを着て、3次元世界に現れたら、今、ステージの真ん中で笑っているあの少女のように見えるだろうと、そんな奇妙な感覚に襲われながら、惚れ惚れと、いくちゃんの美貌に魅入ってしまいました。
漫画やアニメとは違うイメージで、3次元のサファイヤを設定することは出来ると思うけど、それは、『リボンの騎士』の「新作」であって、原作の「舞台化」ではない。
ミュージカル『リボンの騎士』は、手塚治虫が原作で描いた世界を、出来るだけ忠実に、ステージ上で再現するという、制作者の基本姿勢が随所に見えます。
例えば、桜井玲香のヘケートが着ている胸に星マークの入ったワンピースは、原作のそのままで、高い位置から横に流したポニーテールも、忠実に再現されている。
もし、原作イメージがなければ、もっと違った、現代風のファッションと髪型にしたと思うけど、敢えて、当時のままの格好に設定している。
また、ジュラルミン大公と息子のプラスチック、さらには、博士と乳母も、アニメからそのまま抜け出したような姿で、話し方までアニメっぽい雰囲気で演じています。
そして、『リボンの騎士』の原作世界を、舞台上に再現する決め手が、この子のスタイルはサファイヤみたいでしょ?と問うても、多くの人が頷きたくなる、傑出したプロポーションを持った生田絵梨花の主役抜擢だと思います。
いくちゃんの超絶にスリムで美しい体型が、『リボンの騎士』という夢舞台を支える中心イメージとなり、この3次元お伽話を観客が違和感なく受け入れる触媒になっているんじゃないでしょうか。
舞台『リボンの騎士』では、男とは何か、女とは何か、というジェンダーの問題、親の理想と子どもの本音がぶつかる親子の問題、あるいは、社会における男女平等の問題など、女性にまつわる幾つかの問題が提起されています。
ただ、『リボンの騎士』は、もともと小学生から中学生くらいの少女を対象にした漫画であったので、こういった問題提起を含んでいたとしても、それほど深く追求しているわけではなく、それよりは、サファイヤの活躍や、王子様とのロマンスが盛り込まれた、娯楽作品になっているのは当然です。
従って、原作の世界観をそのまま持ち込んだ今回のミュージカルでも、冒険活劇が中心に置かれ、こういった問題に深入りしない作りになっています。
確かに、ナイロン卿が母親から学んだ男尊女卑の思想やサファイヤとフランツが選択した結婚後の仕事スタイルなど、問題提起をより際立たせた現代的なエピソードが幾つか入っていますが、掘り下げて描くというより、サラッと流す感じになっている。
観客のほとんどは、原作の読者層と違い、高校生以上で、基本的に大人だらけ(笑)、加えて、時代的に、1960年代と2015年では、日本人の価値観もかなり変化しているので、観たときの「歯ごたえ」を考えて、そういう方向のテイストを入れたのかもしれません。
少なくとも、そういった問題提起が物語の中心軸になっている感じでは、全然なかった。
また、ストーリー展開も、いろんなバックグラウンドを緻密に設定して、理詰めで進めるというより、物語の勢いを大事にしている印象を受けました。
非常に長く、枝葉の多い原作ストーリーを、幾つかの変更を加えて、短くまとめ上げた脚本のようですが、すっきり理路整然と仕上げたというより、波乱万丈、スピーディで多彩な物語という原作の「ノリ」を維持している。
そのため、筋立てを説明しても、ネタバレという以上に、そもそも、あまり意味はないかと思います。
敢えて説明するならば、女であることを自ら公表して、その結果、王位継承権を失い、追放されてしまった元「王子」が、反政府ゲリラのリーダーとなり、隣国の王子や元海賊などと協力しながら、圧政に苦しむ国民を助けるといった感じでしょうか(笑)。
『虹のプレリュード』は、ロシア軍のポーランド占領、ワルシャワ蜂起、ショパンなど、実在する国家、事件、人物が登場する物語で、昨年の舞台も、大河ドラマのように、史実にかなり沿った形の、リアリティを追求する筋立てになっていました。
そのため、「芸術とは、祖国の崩壊に対して何も出来ない、無力な営みなのか?」といった鋭い問題提起が、主人公や友人たちの命を掛けた生き様の中で問われ続け、一つ一つの出来事が緻密に絡み合い、彼らを追い込み、観ていて、胸が苦しくなるような現実の迫力があった。
もちろん、神様も、天使も、魔女も、出てきません(笑)。
しかし、一方、『リボンの騎士』は、シルバーランドという架空の国に生まれた、女と男、二つの心を持つサファイヤ王子の物語で、完全な創作であり、しかも、社会的メッセージが込められているというより、読者少女がワクワクしながら楽しむことを主眼にしている。
こういった冒険活劇では、スピーディで奇想天外な物語展開や、うっとりするようなロマンスが一番重要で、背景にある社会的問題は、一種の「味付け」になっても不思議ではない。
例えば、プラスチック、フランツ王子と共に、ナイロン卿が支配するシルバーランドの王宮に乗り込んだサファイヤが、その時点で、男の心を抜かれているため、本来の力を発揮出来ず苦戦するシーン。
見かねた天使チンクが、魔法を使って、プラスチックに入っている男の心を、サファイヤに入れ直して、強いサファイヤに変身させます。
サファイアが二つの心を有するという設定は、男とは何か、女とは何かを問いかける問題提起でもあるのだけど、魔法を使って、片方を着脱可能にしているのは、より面白いシーンを作りたいという発想からで、哲学性や現実性より、娯楽性が優先されているのだと思います。
もともと神様がチンクに命じた「魔法は使っちゃいけない」は、架空の物語であっても、何でもありは荒唐無稽な話になりかねないという、制作側の自らを戒める姿勢だと思いますが、そうは言っても、話がより面白くなるのであれば、OKということになる(笑)。
従って、舞台『リボンの騎士』の鑑賞は、楽しい夢物語に、違和感なく、心おきなく、浸れたかどうかがポイントになってくる。
私は、いくちゃんサファイヤと桜井ヘケートの魅力に見惚れて、お伽の国に深く入り込み、多彩な音楽に酔いしれて、存分に楽しめたので、大満足でした(笑)。
もちろん、『虹のプレリュード』とは、全然違うタイプの満足ですが。
ただ、舞台『リボンの騎士』では、青木玄徳の海賊ブラッドが、原作漫画というより、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』におけるジョニー・デップのジャック・スパロウのような雰囲気があって、より現代的にカッコいいんですね(笑)。
とくに、剣を振り回して戦う「殺陣」に、その特徴がよく表れていました。
サファイヤを含め、フェンシングのような細長い剣を使った戦闘シーンは、「殺陣」というより、「舞踏」、つまりダンスに近い雰囲気があって、『リボンの騎士』という夢の世界とよくマッチしています。
ところが、ブラッドは割と幅のある剣を持っていて、それを使った戦いは、童話の空気さえ漂う世界にはやや場違いな、結構、シャープで力強い「殺陣」になっている。
まあ、そういったこともあって、青木玄徳さんは、1人突出してカッコいいんですが(笑)、これは、彼を目当てにしている女性の観客への、サービスなのかもしれません。
一方、そう言えば、いくちゃんも、一箇所だけ、サファイヤっぽくない点があって。
あの、その、胸がですね、サファイヤじゃないというか、盛り上がりが、相当に豊かなんですね(笑)。
ただ、これも栄養事情が飛躍的に良くなった現代版サファイヤってことで(笑)、ブラッドのカッコ良さと同じく、舞台の魅力の一つと考えれば、いいんじゃないでしょうか。
さらに言えば、桜井玲香のルックスは、原作漫画のヘケートより、ずっと彫りが深いので、舞台の濃い目メークと相俟って、魔女感がより強まっており、これも現代版ヘケートならではじゃないかと(笑)。
ん~、『リボンの騎士』は、いろいろと見どころの多い舞台です、大阪公演が残っているし、映像化もされるようなので、まだ観てない方は、一度、ご鑑賞されては如何でしょう。
ちなみに、青木玄徳さん、ビジュアルと「殺陣」がカッコいいだけでなく、歌ももの凄く上手いです。
『リボンの騎士』を観た後、じわじわ嬉しさがこみ上げてきました。
生田絵梨花も桜井玲香も、女優として、大きく成長を遂げていて、もはや「アイドルの舞台」なんて言葉は、どこからも聞こえて来ないほど、充実した内容になっていました。
とくに、主役の生田絵梨花は、かりに一般公募でサファイヤを決めたとしても、オーディションにいくちゃんが参加すれば、間違いなく彼女が選ばれただろうと思えるほど、役にぴったりハマっていて、ミュージカルを中心で支える、大きな存在になっていました。
今まで応援してきて、本当に、良かった。
そして、確実に、二人は坂を上ったと、しみじみ感じることの出来た、幸せな夜でした。
いくちゃん、キャプテン、お疲れさま。
そして、大阪公演も、自信を持って、思い切りやっちゃって下さい!
関連サイト
桜井玲香の2015/11/18_12:24ブログ
生田絵梨花の2015/11/18_20:54ブログ
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