ルビーとフーラは犬と猫

愛犬ルビーと愛猫チニタ。罰や「NO!(ダメ)」を一切使わず彼らと楽しく暮らす為の勉強をしています。

抑制を育てる ~CDS杉並座学

2015-02-27 19:12:38 | 犬の勉強

前回からの続きです。

今回チャーリーママさんから参加者のみんなに質問がありました。

迎えた子犬が今までは唸ったこともなかったのにある時抱っこしたら

「ウ゛~~~~・・」
とうなった。あなたならどう対応しますか?

というお題。

1人ずつ答えました。
あなたならどう答えますか?

チャーリーママさんなら。
初めて唸ったその子犬をあやして楽しい気分にして一緒に遊んでしまう、っておっしゃってました。

よく怖かったり不安だったりする対象から気を逸らすとか、嫌な刺激を上回る刺激を提示するという表現を私も使いますが、じゃあ具体的にはどうすればいいの?となった時、とっさに思いつかない人は多いと思います。まだまだ私もその一人なのですが、こういう時こそユーモアって大切なんですよね。

何か起きた時「わ!大変!」という反応をするよりもに一緒に遊んでしまう位の楽しい雰囲気を演出できるか、という事でしょうか。
不安を楽しさで上書きしてしまうくらいの余裕が飼い主にあるか、というような事をおっしゃっていました。


本文とは関係ないんですけど、綺麗だったので。散歩中に見つけた梅の木です♪

また、社会化として大切な事の一つに、”抑制”を学ばせてあげよう、というのがありました。
今回、お仲間さんのハク母さんによる講義の中にも抑制を教えることの大切さについてお話しがあったのですが、
恐怖や不安な状態からすぐに攻撃に転じないように、”抑制”を身に付けておくことは犬にとっても大切なことですよね。

じゃあ抑制ってどうすれば育つの?ということになると思うのですが、今回は子犬が離乳する時のお話しが例として取り上げられました。
母犬のおっぱいからお乳が出なくなって、それでもおっぱいが恋しい子犬達がすがりついてくると、母犬はそれを厳しく阻止します。
おっぱいが吸いたいけれど阻止される、でも吸いたい、でもまた阻止される、ということが繰り返されると、仔犬の頭の中に葛藤が生まれ、それが抑制につながるのだそうです。
このお話しはムツゴロウさんの本『ムツゴロウ先生の犬と猫の気持ちがわかる本』にも書いてありました。

で、行動を阻止する時にはやっぱり罰ではないもので、というのが、社会化を意識した時大切なのだと思います。なぜなら苦手が増えてしまうから。
ですが巷ではリードショックを与えた大声で怒鳴ったりという、犬に危機感を抱かせる接し方がまだまだ主流ではないでしょうか。
そんな中、CDSではそれとは真逆の”叱らない”ということをずっと学んできました。

この”叱らない”という表現で誤解があってはいけないなと思うのは、CDSで言う”叱らない”は、人間仕の叱りを犬に使わないということです。その代わりして欲しくない行動を止める時には犬語で「イケナイよ」を伝えます。インターセプトやカーミングシグナルなどがそれに当たります。
叱らない=甘やかすということではないということですね。

犬語での介入。実際、これは散トレの場で犬達に通じてるという感覚がとってもあります。インターセプト(犬にとって嫌な刺激ではない声や身体を使って意識を切る)で犬が諌められるシーンなどはよく見られます。
また、これは介入とはちょっと違うかもしれませんが、誰かがある理由で吠えてもシラ~~~っと何事もないようにそこに居ないかのようにそこに居つづける^^;こと(これも犬語)で、散トレ終了時には本当に穏やかな空気が出来上がっているということがあります。

また、犬の脳の中では小さい部分ですが”前頭葉”を鍛えてあげることも抑制につながる(自制しやすくなる)、というお話しもありました。
例えば散トレでは匂い嗅ぎを十分させてあげるように勧められます。ワンコさんも沢山いて公園内にも色んな匂いが漂っている中を、何の匂いだか判断しながら歩きまわる事は、犬の前頭葉を鍛えることに繋がるらしいです。散トレの後犬達が眠くて仕方無くなるのは、そうやって前頭葉をフル回転させているからなのだろうと、チャーリーママさんはおっしゃっていました。
これはルビーを見ていても思います。興奮して疲れたというのとは違う(ルビーはほとんど吠えないしあまり興奮しない犬です)、脳ミソ沢山使ったから眠くなる・・みたいな感じです。

こんな風に座学で学んだことと散トレで見る犬達の様々な姿を照らし合わせてみると、散トレの場は抑制を育てる場でもあるんだな~と改めて思いました。

上記の”(人間仕様の)叱りを使わず犬語で介入する”ということや抑制について、個人的に参考になるなと感じたチャーリーママさんの過去記事をリンクさせて頂きますね。

■人が犬語を学ぶ意義
http://charlie1210.blog113.fc2.com/blog-entry-569.html

まだまだ沢山教えて頂いたのですが、まとまったらまた書きたいと思います。
チャーリーママさん、お忙しい中いつも遠くから来て頂いてありがとうございます。ご一緒したみなさま、有意義な時間をありがとうございました!

最後に、
FBの方にアップした私の投稿をこちらにもあげておきたいと思います。
なんのお話しの延長だったかなあ。お鼻を上手く使わせてあげられるようになることが前頭葉に良いし、何よりも犬達は匂いの世界に生きていて、匂いで人間よりも色んなもの(周りの状況や飼い主の状態)を判断できている、というお話しの流れからこのこんな内容↓に入って行ったんだと思います。

昨日のチャーリーママさんのお話しの中に

「例え犬が年をとって目が見えなくなってみんなと一緒に歩けない状態になっても、抱っこで散トレに参加できれば犬達はみんな匂いで”あ、ここ知ってる!”ってわかるはず」

というお話しがありました。
その時私の脳裏にはルビーを抱っこして散トレに参加している自分の姿が浮かび・・・大きな喜びというか希望というか、そういう温かいものがドーーーっと押し寄せてきたのでした。


抱っこされて参加するルビーは、多分参加者や参加犬さんの匂いで

「今日も誰々ちゃんはっちゃけてるな。あ、今日は私の大好きな〇〇ママさんがいる。」

とか感じ取るのでしょう。

何かが出来で嬉しい!というのとは違う、そういうことから得られるのではない安心感というか信頼されているというか確信のようなもの。
 何もしなくても穏やかな空気に包まれて、何かされる心配がない、不安がないという空間だからこそ、その匂いで
「あ、ここ知ってる!」
となり、フワーっとした温かいものに包まれるのでしょうね。

最後まで残るのは嗅覚。そしてその嗅覚で犬達は私たちが想像する以上の情報を得ると同時に、それにともなった感情を湧き上がらせているはず。
それに、飼い主の感情も状態も匂いで伝わる・・・。最後の時まで強くて優しいお母さんでいられるかな。そう考えるとこれは私にとっての学びなんだなと感じずにはいられません。


犬の社会化を改めて考える ~CDS杉並座学

2015-02-26 10:58:55 | 犬の勉強

2/22猫の日、^^;チャーリードッグスクールの杉並座学に参加致しました。先生はチャーリーママさんです。

※チャーリーママさんは最近新しい読者さんの為に『続・私は社会化のドッグトレーナー』というブログも最近始められたので、ぜひこちらもご覧くださいね。

今回のテーマは『犬を知ろう・成長過程から見る問題行動とその対処法 Q&A』でした。

”人と暮らす”という事が必須になってくる犬達の一生。人社会に順応しなければならない訳ですが、その時大切なことってなんだろう?社会化って具体的にどういうことかな?ということを学びました。
座学に参加して学んだことを私なりの解釈でここに書いて行きたいと思います。

最新の研究では、犬の社会化期というものの始まりと終わりがかなり曖昧であると言われるようになってきたそうです。
つまり、社会化は一生涯可能、ということですよね。
それってとっても希望に満ちていると感じませんか。

ただ、私は2010年からCDSでずっとそのつもりで勉強させて頂いて来たし、ルビーは保護犬なので、その頃一般的に”社会化期”と呼ばれる12週齢はとうの昔に過ぎさった推定4才くらいの時に我が家に来て、留守番吠えや後追い、リビングンの至るところに排泄をしてしまうなどの不安定な時期を乗り越えてきました。もともと穏やかな気質の犬であるということも考慮しても、我が家という新しい環境に慣れていった(当時推定4才だった)ルビーを見ていると”社会化は一生涯可能”というのを実際に体験させてもらっているなと感じています。

ルビーを引き取った当初、私は犬ってどんな動物なのか、そしてルビーはどんなタイプの犬なのかを知らないまま、彼女に自分の気持ちを投影したり、過干渉気味な対応をしがちだったので、犬とは?ということと、ルビーって?という事を念頭に、自分のすべき対応をチャーリーママさんにご相談しつつ学んできました。

まずは自分の意思で動きまわれたり楽しい嬉しいを表現できるような自由な空気を提供し、ありのままの彼女でOKということを伝え、自信を育み、その上で人社会の中でしない方が良い行動には「それはしないよね」を伝えるという、子犬を迎えた時と同じ段階を踏んできたと思っています。

そうやって、まずは飼い主である自分を変えるから始め、ルビーの社会化を助けられる、というか邪魔しない^^;存在になれるよう努力してきました。今もその過程ですが、ルビーは明るさを保ちながら高度に社会化された落ち着いた大人犬に成長したと思っています。 

ここでちょっと考えてみたいのは、巷で行われている社会化ってどんな方法かな?ということです。
人間社会の様々なものに「慣らす為」と言って、ただただ刺激にさらしているだけだったり、もしくは怪しさ満載で増々犬に不信感を与えたりしていないでしょうか?

刺激に触れさせるとき、犬のそばにいる自分は犬にとってどんな存在でしょうか
その刺激を上回る”良いもの”をその時携えているかな?
多くの犬にとって良い印象である食べ物を持っていればそれを与えても良いと思いますが、でもその食べ物を上回る刺激の中では、食べ物さえ喉を通らないという犬も沢山いると思います。
そんな時、飼い主である自分が犬に大丈夫であることや、どうすれば良いかを示すことができたら、素敵だと思いませんか?

食べ物のような生得的に良い印象のものよりも、後天的に作られた”良いもの”が刺激に勝ることがある・・・
「じゃあ飼い主がそういう存在になればいいんだよね!」
CDSではこんな事やどうしたらそういう存在になれるか、ということを教えて頂いています。
社会化の担い手である飼い主がどんな存在であるかはとっても大切な事なんですよね。

いつも犬と一緒にいる飼い主さんが、犬がある刺激に出会う時に、犬を脅かすような存在であったり、犬を不安にさせる存在であっては社会化は進まないと思います。不安や苦手なものがどんどん増えてしまうから。
だからその為に犬を叱らない(=罰しない。脅さない。)または、不安な表情や匂いを発して犬を不安にさせないことがまずは大切なんですよね。

ということで、いつものことながら長くなりそうなので続きます。^^;

 


神戸旅行後にふと思ったこと

2015-02-16 15:50:32 | ルビーの日常

2/14,15と、珍しく神戸へ一泊旅行してきました。神戸は2回目かな。

町がとても綺麗だったのにその写真が一つもないという。^^;

↑これは「北野工房のまち」。改装された北野小学校の建物内に体験型のお店が色々入っています。
床から階段から照明まで、懐かしさを感じさせるものが沢山ありました。

そして今朝は夫と留守番していたルビーとの2日ぶりのお散歩♪

旅は楽しいけれど・・・楽しいこともストレスの一種。
ルビーとの散歩は、穏やかな日常に自分を引き戻してくれるアンカーになっているなと感じます。

犬もきっと同じなのではないかな。

楽しい刺激は、その時を生き生きと生きる為に必ず必要。でも生きている以上楽しい刺激ばかりではなく嫌な刺激を受ける事も多々あって。
だから、どちらからも穏やかな状態に引き戻してくれるもの(=アンカー)が必要なんだと思います。

私は自分の犬(や猫)のアンカーに、なりたいなと思います。

あ、ちょっと違うかな。

自分の犬(や猫)の楽しいストレッサーであるとともに、穏やかさに導くアンカーに、なりたいと思っています。

かな。(*^_^*)


距離があっても存在を感じてる

2015-02-02 11:25:03 | ルビーの日常

今朝のお散歩。
朝は6度くらいしかなくて、北風も吹いていて寒かった~。

公園のベンチにあちら向きに座っているおじさんが気になって何度も立ち止まりながら歩いていたルビー。

公園には5cm位の高さの立派な霜柱が沢山出来ていました。

公園内を歩いていると、真っ直ぐな道の向こう側から柴犬さん(女の子でした)が歩いてくるのが見えました。
知らぬ素振りでルビーを視界の隅で見ていたら、10メートル位手前で彼女の存在に気付いた様子。突然地面の匂いをかぎながらその辺をウロウロ。そして柴犬さんから大きく左に逸れつつ匂い嗅ぎしつつ、ちょっとずつ前進。
柴犬さんはスタスタ直進して私たちの右側6m位を通り過ぎて行きました。
ルビーはどうするのかな~と思っていたら、いつもだったらワンコさんの後ろを距離をとりながらついていって残り香を嗅ぐのですが、今日は彼女が歩いてきた道を彼女の進行方向と反対側に歩きながら残り香を嗅いでいました。

スルーを決め込みたい相手だったのかな。

公園を半周してきてまたその子と正面から出会いそうになったけど、同じようにかなり距離のあるところでまた左に逸れて歩き、柴犬さんはまた私たちの右側を通り過ぎて行きました。

しばらく歩いて振り返ってみたら柴ワンコさん、立ち止まってこちらを見ています。四足に均等に体重がかかった状態です。

私はまばたきをして、頭を下げながら自分たちの進行方向に向き直って歩きだしたけど、あの子に私のシグナル伝わったかなあ。伝わってるといいな♪
ルビーは一緒に立ち止まってくれたけど、柴犬さんには背を向けたまま視線を送る事はなかったように思います。

スルー、スルーで、でもお互いの存在は感じていて。
以前の私だったらこんな距離があったら”すれ違った”とも思わなかっただろうし、犬達がこんなに距離をとりながら一度も視線を交わさないままお互いを意識しているなんて知る由もなかった。
穏やかな犬の世界に憧れさえ感じます。


問題はどこから? ~横浜座学

2015-01-30 09:16:32 | 犬の勉強

1/20、チャーリードッグスクールの横浜座学
『犬の言葉が聞こえますか?イヌという動物を考える。ブリーディングから成長過程、流通、社会化』
の、またまた続きです。^^;

これは書かないと!と思っていたことがまだあったので時間が経って忘れてしまわないうちに記事にしておこうと思います。


写真はまたまた記事とは関係のない^^;昨日のお散歩のルビー♪


皆さんもご存知のように、世の中には問題を抱えたワンコさんと一緒に暮らしている飼い主さんが沢山います。
チャーリードッグスクールのお仲間さんにも沢山いらっしゃいますが、本当に真摯にワンコさん達と向き合って、良い時も悪い時もそれなりに受け止めて日々を乗り越えていかれる姿は私に勇気を与えてくれます。

先日の横浜座学では、そんな問題を抱えたワンコさんや飼い主さんに思いを馳せずにはいられないお話しがありました。

犬の成長過程についてはみなさん様々なところで勉強したり聞いたりしていらっしゃるかもしれません。生まれて2週間くらいまでが新生児期で、社会化期は4週齢から12週齢(もっと伸ばしても良いのでは?という新たな解釈もあるそうです。)、思春期はだいたい7から10ヶ月、もちろん小型犬・大型犬の差や個体差がある・・・などなど。ご存知の方も多いと思います。

ただ、その頃にその子犬達に必要なものは何か?というところを深く考えた事がある方はどのくらいいるでしょうか。

「一番対大切なのは母犬の状態なんですよね」

というチャーリーママさんの言葉が印象的でした。

私なりの解釈でお伝えすると、

仔犬たちは母犬から様々なことを学びます。なので、その母犬自身が欲求階層が満たされて精神的・肉体的に安定している必要があると思います。
安定した母犬から歯の使い方や噛み加減や、犬本来の犬同志の接し方を学ぶことができると思うからです。

母犬が特に好んで介入するのは生後2ヶ月くらいまでだというお話しがありました。それを過ぎると、今度は人間社会になじみにくくなると・・・。

そうであれば、子犬の頃から健全な母犬と過ごすことは勿論、母犬や子犬自身をサポート出来る、犬に信頼される人間の存在が子犬の健全な成長を助けるのではないでしょうか。

 

でも日本のほとんどの犬の現状はそうではありませんよね。
ペットショップの子犬達は、生後数週間で母犬、兄弟犬から離され、本来の犬としての教育を母犬から施されることもなく、兄弟犬たちと体当たりで遊び、その中で得られる刺激や体験から様々なルールや経験を学ぶこともできず、一人ぼっちまたは(正しい介入のない)子犬同士のみでショーケースに入れられてしまいます。
母犬との触れ合いの中で得られる教育や、安心感を伴った刺激のないところで、それとは別の自分ではどうすることも出来ない外からの刺激(・・逃げ場のないショーケースの中で人目にさらされる、寝ているところを無理やり抱っこされる、など。)の刺激にさらされたりします。

必要な刺激はないけれど、子犬を追い詰める刺激はある、というような中で、子犬の脳は正常に発達するでしょうか。感覚は正常に機能するでしょうか。

肌感覚妙に敏感だったり、音に過剰に反応したりなど、刺激を受け入れるキャパの狭さから来る犬自身が抱える問題 = 飼い主が抱える問題は、飼い主さんが犬を迎える前から始まっているかもしれないということですね。
更に、迎えられた家庭で敏感であることを(吠えが出やすいなど)を叱られたりしたら、犬達はますます混沌としてくると思うのです。

伴侶動物を取り巻く世界でも、動物愛護、動物福祉、という言葉は様々なところで使われています。
それを言うならば、私たちはもっと犬というものがどんな動物なのか勉強する必要があるのかもしれません。(犬にとっての福祉、愛護なのだから)そうすると、犬の問題は果たして犬だけの問題なのだろうか?私達人間が作り出しているのではないか?というところに行きつくはず・・・。

私も昔は知らなかったこと。でも今は知ったのだから・・だから私は勉強したことを少しでもこういうところでアウトプットして行きたいなと思っています。
そして問題を抱えていてもそれを楽しいことで上書きできれば犬との暮らしが好転していくこと、またそれが可能であることをもっともっとお伝えしていければいいなあ。可能であることはお仲間さんが証明してくれているのですから。
そして、そんなお仲間さん達のエネルギーに勇気を頂きながら、私も引き続き動物達の勉強を頑張って行きたいと思いました。