人生にロマンスとミステリを

小説を読むのも書くのも大好きな実務翻訳者です。ミステリと恋愛小説が特に好き。仕事のこと、日々のことを綴ります。

石持浅海『君の望む死に方』

2021-07-02 13:54:21 | 読書記録(紙書籍のみ)
石持浅海著『君の望む死に方』

余命六ヵ月という宣告を受けたソル電機社長の日向は、彼を恨んでいる社員の梶間に
自分を殺させることを決意する。梶間は同じく創業者である境の息子だが、
事故のようなものだと思うけど、日向が殺してしまったからだ。

梶間に自殺の手伝いではなく、殺人を犯させるイコール復讐を果たさせるために、
エリート社員を集めて行う研修の舞台、熱海の保養所で、日向は凶器となりそうなものを
目につきやすいところに置いておくんだけど……。

それに気づいた、日向の甥の婚約者の友達(?)の碓氷優佳という女性。
もんのすごい論理的思考で、日向が梶間に自分を殺させようとしていることに気づき、
凶器となりそうなものを無効化していくんだけど……。結局は日向の気持ちを汲むんだよね、
でも、日向vs梶間で、どっちが死んだかわからん。

1ページ目で日向の秘書の小峰が119番通報して、人が死んでいる、と言っているので、
確実にどっちかは死んでいるはずだけど。

なんか残念だな。人が死んでいるところに居合わせてしまい、私の前で人が死んでほしくない、と
優佳が言ってたので、殺人を起こさせず、梶間が思い込んでいる父の死の真相を正し、
なんとか和解の方向に持っていってほしかったけど。でも、そうしたらミステリじゃないんだよね。

読者に犯人と事件を最初に見せてしまってから探偵が真相を解いていくタイプのミステリを
倒叙ミステリというのだとあとがきを読んで知った。コロンボとか古畑任三郎とか。
どっちもあまり詳しくないのだけど、んじゃ、犯人が黒塗りで表現される
名探偵コナンは倒叙じゃないのかな? 金田一少年の事件簿も倒叙じゃない?

ううううううん、わからん。倒叙のルールに従うと、やっぱり日向は梶間に殺されたのかな。
けど、梶間は逃げられるとは思わんけど。だって、社長の部屋で四合瓶で殴って殺したら、
あれだけ見せかけようと狙ってた「外部犯の犯行」って可能性は消えるやん。

なんかすっきりしない~~~~~~~。誰かにどっぷり感情移入できたらすっきりしたのかな。
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