人生にロマンスとミステリを

小説を読むのも書くのも大好きな実務翻訳者です。ミステリと恋愛小説が特に好き。仕事のこと、日々のことを綴ります。

納得できる形に

2018-01-27 17:52:33 | オリジナル短編小説
やっぱり文頭に一文字空いてない文章をずらずら~っと並べると読みにくい。
というのと、ストーリーの終わりがどうにもしっくりこない。
というのが気になっていて、朝から何度か修正して、ようやく納得できる形になりました。

#Hot Chocolate on a Cold Night

ぜひぜひよろしくお願いします<(_ _)>


ところで、翻訳の仕事では、ネットにUPする訳文だと、文頭を一文字空けるのではなく、
代わりに改行してください、と指定される場合もあります。

なので、ネットでは文頭に一文字空けるのではなく改行する方が見やすいのかな?とか
思ったりもするのですが、これはもう書く側の好みなのかな~。
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#Hot Chocolate on a Cold Night

2018-01-27 08:43:54 | オリジナル短編小説
翻訳の仕事が忙しくて、なかなか小説を書けていません(><)

ので、短編コンテストがあったので、参加してみました。

Berry's Cafeさんが『恋するベリーズウェディング小説コンテスト』
を開催中なのですが、そのバレンタイン向けイベント(?)みたいな感じで、
愛の告白をフィアンセに!スウィートバレンタイン
という短編の企画があります。

WORDでどうにか規定の1000字に収めたのですが、サイトにアップしたら
40文字ほどオーバー。

そうだった。ベリカさんは改行もカウントされるんだった(゜◇゜)ガーン

削って削って……それでも減らなくて、どうにか削って削って……。

そうしたら、結構駆け足な作品になってしまいました。
もう少しじっくり人物描写とか情景描写をしたかったのですがorz

短編って難しいですね。
しかも使うキャラが「フィアンセ」だから、婚約した状態でないとダメなのかな、と
思ったのですが、「バレンタインに告白するまでの短編」ってことだから、
まだ付き合ってないって解釈でいいのかな??と迷いまくったあげく、
付き合ってない設定にしました。


が、ほかの方の作品を拝読したら、フィアンセ設定の方もいらっしゃって、
うまくまとめてらっしゃいます(おお~)。ステキな作品を見つけました。


それはさておき。
タイトルにハッシュタグをつけたのは、流行ってるから、ではありません(笑)。
寒い夜のホットチョコレートが二人をつないだ……みたいな「つながり」のニュアンスを
出したかったのです(^_^;)

文字数がぎりぎりなので、冒頭の一文字下げもしくは改行もできておらず、
見にくいかもしれません。すみません。でも、短いので、お読みいただけると嬉しいです。
#Hot Chocolate on a Cold Night

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エアラブやってみた【お題】俺様男子

2016-06-15 23:07:06 | オリジナル短編小説
Berry's Cafeさんの姉妹サイトで野いちご学園えあら部というのをやってまして。
好きな作家さんの投稿は追ってたのですが、初めて自分でも参加してみました。
スペースと改行を入れて400字以内らしく、これがなかなかきつい。見直すたびに文が長くなる
私なのに、削って削って、それでも多くてさらに削って……。

こんなのになりました。ガラにもなく(恥ずかし~)。

キュンしていただけると幸いです。


お題【俺様男子】

クラスの男子に呼び出された校舎裏。告られたけど好きな人がいるって断った。
告ってくれたのが勇輝だったらなぁ。ため息をついて壁にもたれる。
「おい」
不機嫌な声にドキッとして右側を見ると、勇輝がいた。
「な、に?」
告られたの見られた? でも、モテる勇輝のことだし、私のことなんて気にしないよね。
「英語のノート見せろっつったろ」
「私のじゃなくてもいいじゃん」
そうやって絡まれるたびに私が胸を痛めてるって気づいてよ。
悲しくなって壁から背を離そうとした時、勇輝がいきなり私の顔の両側に両手をついた。
「お前のがいいんだ」
「なんでよ」
「お前の物は俺の物だから」
「はぁ?」
「だから、お前の物は俺の物。ついでにお前も俺の物。勝手に告られてんじゃねぇ」
勇輝の顔が赤くなる。
「それって……?」
勇輝の顔が近づいてきてキスされた。
「いいかげんわかれよ、バカ」



こんなのでいいのでしょうか。
創作意欲欠乏症ながらがんばってみました
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『長い春にさよならを』

2016-04-23 12:00:21 | オリジナル短編小説
「関西作家志望者集う会」さん(https://www.facebook.com/kansai.kanitama/)が
熊本(九州地方)の地震に対する支援企画として、電子書籍を作成し、利益を全額寄付する
という企画をされています。

プロアマ・居住地を問わず、1000文字前後の作品を募集されています。5月1日締め切りだそうです。


微力ながらお役に立ちたいと、作品を書かせていただきました。
実は先に別タイトルで書いたものがあったのですが、2000字超と長すぎたため、
ベリカさんで普通に公開することにしました
(チャリティ企画用には九州にちなんだ別のを書きました)。


『長い春にさよならを』

「貴幸(たかゆき)、今日も遅いなぁ……」
 美晴(みはる)はリビング・ダイニングの掛け時計を見上げて、何度目かのため息をついた。針は午後十一時三十五分を指している。
(大学時代から付き合い始めて八年、同棲してから五年にもなれば、クリスマスイブだからって早く帰ってきたりはしないかぁ)
 美晴はダイニングテーブルの椅子から立ち上がった。
(私、来月の誕生日が来たら三十歳になるのに……。お互いまさに空気みたいな存在になっちゃったし、長すぎた春、決定かな)
美晴はテーブルの上から、紺色のリボンのかかった長方形の箱を取り上げた。お互い三十歳になる今年、もう一度恋人らしい気持ちを思い出せたらなにか変わるかもしれない。そう期待して用意したものだったが、今日は渡せそうにない。
 箱をベッドルームのクローゼットにしまい、バスルームに向かった。服を脱いで中に入り、シャワーを浴びながら肩を落とす。
(このままずるずる同棲してても……先は見えないよね)
 数日前、母から電話で『あなたたち、いつまで同棲を続けるつもりなの? 夫婦としてやっていけそうにないなら、手遅れになる前に別れたら?』と言われてしまった。
「手遅れ、か」
 美晴はつぶやいた。
「でも、やっぱり好き……なんだもん」
 一緒にいて空気のように思えるということは、一緒にいるのが自然だということ。見栄を張ったり繕ったりせず、自分らしくいられるということ。
(だから、貴幸とは一生一緒にいられると思ったんだけど……彼はどう考えているんだろ)
 忙しくて考える余裕なんてないのかもしれない。だからこそ、二人の気持ちを前に進めたくて、同棲する前のようにプレゼントを用意したのだ。でも、肝心の彼が帰ってこない。
 シャワーを終え、バスルームから出て体を拭いていたら、玄関ドアが開く音がした。
(帰ってきた!)
 美晴は体にバスタオルを巻きつけ、緊張してドキドキしながら廊下を覗いて声をかける。
「おかえりなさい」
 靴を脱いでネクタイを緩めていた貴幸が、美晴を見て、疲れた顔に驚きの色を浮かべた。
「ただいま。まだ起きてたんだ」
「うん。お疲れさま。今日も遅かったんだね」
「ああ。年末が近いからな」
「そうだよね。ごはん、温めようか? チキンのソテーとスープもあるよ」
 美晴はフェイスタオルで髪を拭きながら言った。
「あー、自分でやるよ。美晴だって仕事で疲れてるだろ? 先に寝てていいよ」
 貴幸が美晴の前を素通りしてダイニングに向かった。
「温めるくらいだから、いいよ、起きてるよ」
 美晴が声かけると、貴幸が首を振った。
「いいって。温めるくらいなら俺でもできる。ほら、もうすぐ日付も変わるし、美晴はおやすみ」
 貴幸が言った。そう言われたら仕方がない。一人になりたいのかな、と思ったとたん、美晴の心に寂しさが込み上げてきた。その気持ちを気取られないよう、低い声で「わかった」とつぶやき、パジャマを着た。歯磨きをして髪を乾かし、ベッドルームに入る。用意したプレゼントのことを思い出すと、涙が浮かびそうになった。
(クリスマスプレゼントなんて、そんな習慣、私たちの間ではとっくになくなってたのに。バカみたい)
 ベッドに潜り込んで、悲しみを追い出そうとギュッと目を閉じた。幸いにも、勤務先のアパレルショップで忙しく働いたからか、疲れた体はすぐに眠りに落ちた。

***

 翌朝、美晴はいつもの習慣で、目覚ましアラームが鳴る前に目を覚ました。
「ふ……あぁ」
 暖かな毛布から両手を出して大きく伸びをした。左側のサイドテーブルでは、デジタル時計の緑の文字が六時二十分を表示している。アラームが鳴るまであと十分ある。
(眠た……)
 両手で目をこすろうとして、何か硬いものが左目の下に触れ、ハッと手を止めた。目を凝らして左手に焦点を合わせ、薬指にある見慣れないものを見る。
(え!?)
 一瞬にして眠気が吹き飛び、右手を伸ばしてサイドテーブルの上のライトをつけた。淡いオレンジ色の光を浴びて、左手の薬指でプラチナの指輪に抱かれた大粒の石がキラキラと輝いている。
 美晴はベッドに起き上がり、右隣で穏やかな寝息を立てている貴幸を見た。
(まさかこれ、私が寝てる間に、貴幸がはめてくれたの……?)
 どうしようもなく胸が震えて、涙が込み上げてくる。
(貴幸も私と同じこと、考えてくれてたの!?)
 美晴はベッドから下りてクローゼットを開け、長方形の箱を持ってベッドに戻った。
(ねえ、新しい財布がほしいって言ってたよね? 好きなブランドのだし、喜んでくれるかな?)
 美晴は貴幸の枕元に静かにプレゼントを置いた。
 ベッドにそっと膝を載せたとき、スプリングが弾んで貴幸がなにかつぶやくような声を漏らし、ゆっくりと目を開けた。
「美晴」
 ぼんやりと瞬きを繰り返した彼は、美晴が正座して泣いているのを見て、ガバッとベッドに起き上がった。
「どうした? 何かあったのか?」
「あったよ」
 美晴は左手を彼の方に差し出し、指輪を見せた。
「気に入らなかった……?」
 貴幸に訊かれて、美晴は首を振る。
「すごく……嬉しくて……涙が止まらないの」
 貴幸が安堵の息を吐き、美晴の両手を握った。
「絶対に受け取ってほしかったんだ。だから、断られないよう寝ている間にはめた」
 いたずらを咎められた子どものように、貴幸が小さく笑った。だが、すぐに真顔になって、涙に潤んだ美晴の目を見つめる。
「今まで美晴と一緒にいて、これからも一緒にいたいと思ったんだ。美晴がいてくれたから、卒論だって就活だって仕事だってがんばれた。美晴がいてくれたら、これからもなんだって乗り越えられる。美晴のいない人生なんて考えられない。結婚してほしいんだ」
 彼の言葉も表情も真剣だった。でも、髪には寝癖がついたままだし、頬にはひげも伸び始めている。ロマンチックにはほど遠いけど、それが私たちらしいのかも、と美晴は思った。
「はい」
 そう答えたら、胸の中で幸せが大きく膨らんで、自然と暖かな笑みがこぼれた。

【END】
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『好きって言ったらどうする?』

2016-04-03 08:44:54 | オリジナル短編小説
昨日寝る前、思いついて短編を書きました。ホントは仕事しようと思ってたのに、
現実逃避の悪魔のささやきが……(笑)。


『好きって言ったらどうする?』

 午後八時。オフィスの総務課フロアにはもう誰もいない。一緒に入力を担当している先輩社員が忌引きで休んでしまい、私一人でずっとパソコンのキーボードを打っていた。でも、そろそろ限界。コーヒーでも飲んで一休みしよう。
 総務課を出てエレベーターの前を通り、自動販売機コーナーに向かった。お金を入れてブラックコーヒーを買い、壁を背にしたソファに座る。
 はぁ……。
 ため息をついて壁にもたれたとき、廊下を歩いてくる足音がした。
「あれ、梅(うめ)ちゃん」
 ひょいと自動販売機コーナーを覗いてそう言ったのは、一年前の四月一日に一緒に入社した同期の竹本(たけもと)純平(じゅんぺい)だ。同期にはほかに松井(まつい)孝弘(たかひろ)って男子もいて、私、梅谷(うめたに)莉乃(りの)と併せて“松竹梅トリオ”なんて呼ばれてる。そのせいでなんとなく仲良くなっちゃって、入社直後は三人で一緒に飲みに行ったりカラオケに行ったりした。寡黙な松(しょう)ちゃんとは違って、竹ちゃんはおしゃべりで明るい。仕事でミスして落ち込んでも、竹ちゃんに愚痴って笑い飛ばしてもらえたら、不思議とすっきりするんだ。
 でも、竹ちゃんは営業一課、松ちゃんはシステム課で、それぞれ仕事が忙しくなり、最近は三人どころかどちらか一人と会うこともあまりなくなった。だから、こうして竹ちゃんと二人きりになるのはすごく久しぶりで、嬉しくなる。
「あれ、竹ちゃん」
 竹ちゃんの口調をまねて言ったら、竹ちゃんが二カッと笑った。
「残業?」
「うん。竹ちゃんも?」
「おう。今営業先から帰ってきたとこ。これから報告書を作成せにゃ~」
 竹ちゃんがだるそうに言いながら、自動販売機に硬貨を入れた。ガコンと音がして、取り出し口から同じブラックコーヒーを取り出した。
「入社してからもう一年も経つんだね~」
 私は言って、缶コーヒーのプルタブを引いた。竹ちゃんが私の隣に座って言う。
「あー。そういや今日は四月一日だもんな」
「うん、エイプリルフール」
 私が缶コーヒーに口をつけたとき、竹ちゃんが私に流し目を送った。黙っていれば色気すら感じる切れ長の二重の目が、じっと私を見つめている。
「あのさ」
「うん」
「俺がおまえのこと……好きって言ったらどうする?」
「ぶっ」
 竹ちゃんの突然の言葉に、私はあやうくコーヒーを吹き出しそうになった。竹ちゃんはコーヒーの缶を両手で握って、真剣な目で私を見ている。その眼差しに、鼓動がトクトクと高くなり始める。
 いや、待て。『竹の方が梅よりも上なんだから、俺を敬えよな』『梅は竹と松のためにパシられろ』なんて憎たらしい口をきく竹ちゃんのことだ。絶対にこれは嘘だ。嘘に決まってる。だって、『そういや今日は四月一日だもんな』って前振りでしょ?
 私も同じようにまじめな顔を作って言う。
「じゃあ、私も好きって答えるかな」
 竹ちゃんが缶コーヒーをソファの横に置いた。そうしておもむろに私を見た。
「じゃあさ」
 ゴクリとつばを飲み込んで、びっくりするほどまっすぐな眼差しだ。
「俺がおまえに……キスしたいって言ったらどうする?」
「えっ」
 心臓がドキンと跳ねた。
 いや、待て。待て待て。今日はエイプリルフール。竹ちゃんの盛大な嘘なんだろう。
「いいよって答えるかな」
 私が言ったとき、竹ちゃんが私の方に身を乗り出したかと思うと、私を囲うように顔の両側に両手をついた。竹ちゃんに両手で壁ドンされて、彼がまつげを伏せて顔を傾けてきて、鼓動がどんどん大きくなる。
 なんで? なによ! いつ「嘘だよ、バァカ」って言うの!? このままじゃホントにキスしちゃう……!
 そう思ったときには、私の唇に竹ちゃんの唇が触れていた。
「たけちゃ……」
 名前を呼ぼうとしたら、唇を強く押し当てられた。仰け反ろうとしても後頭部が壁に当たっていて、身動き一つ取れない。
 やだ。エイプリルフールのキスなんてやだよ。私、竹ちゃんのこと、同期以上に想ってるのに……!
 もう一度名前を呼ぼうと唇を開いたら、竹ちゃんの舌が滑り込んできた。歯列をなぞられ……口の中をまさぐられて……まるで本気みたいなキス。体が熱くなって……本気で溺れてしまいそう。
 でも、竹ちゃんのことだから、いつもみたいに私をからかってるんだ。梅だってたまには竹に反撃するんだぞ!
 竹ちゃんの唇が離れた。少し潤んだような目をしている竹ちゃん。その彼に言ってやる。
「ここには防犯カメラがあるんだよ!」
「えっ」
 竹ちゃんがぎょっとして振り向いた。その隙に私は彼の腕の間から抜け出し、ソファから立ち上がって竹ちゃんを見下ろす。
「嘘だよ、バァカ」
「なっ!」
 竹ちゃんが勢いよく立ち上がった。私より二十センチくらい高い位置から私をキッと見下ろす。
「バカはないだろ、バカは」
 竹ちゃんの顔が怒って赤くなった。
 知らない。私だって怒ってるんだから。あんなキス、嘘でしないでよ。
「バカはそっちだよ」
 私はつんと横を向いた。目の端に映る竹ちゃんの拳が震えている。
「俺の……」
「え?」
 竹ちゃんの方を見たら、彼の目がさっきよりも潤んでいた。
「俺の本気のキスを返しやがれ、このやろう!」
「え?」
 竹ちゃんの言葉に私は瞬きをした。
 いや、待て待て。あくまでも私をだますつもりなんだよ、このおちゃらけた男は。
「いくらでも返してあげますよ~、どうぞ~、エイプリルフールですから遠慮なく~」
 私の言葉を聞いて、竹ちゃんが右手で顔を覆った。そうして頬を真っ赤にして言う。
「違うんだよ。エイプリルフールのつもりじゃ……」
 竹ちゃんは前髪をかき上げて「くそっ」とつぶやいた。
「私、まだ仕事あるから、もう行くね。これ以上四月馬鹿に付き合ってらんない」
 そう言って歩き出そうとしたら、右手を竹ちゃんに掴まれた。振り返ったら、竹ちゃんが必死の形相をしている。
「明日。明日仕事が終わったらここに来い」
「なんで?」
 意味がわからず見返す私に、竹ちゃんがふてくされた顔で言う。
「明日だったら信じるんだろ?」
「なにを?」
「俺が本気で言ってるって!」
 竹ちゃんが真っ赤な顔で怒鳴った。
 それって……もしかして……?
 嬉しくなって頬が緩みそうになる。ホントにホントなの?
「じゃあ……あと四時間したら、またキスしてくれる?」
 私が言ったら、竹ちゃんが一度瞬きをした。
「それって明日になるまで一緒に過ごそうってこと?」
「え? あ!」
 そんな意味に取る?と思ったときには、竹ちゃんに手を強く引かれ、彼の腕の中にとらわれていた。
「ちゃちゃっと報告書を仕上げるよ。だから一緒にメシ食いに行って、それから明日の朝まで一緒に過ごそう」
「それ、本気?」
 私の問いかけに、耳元で彼が答える。
「本気。俺は嘘でキスしたり抱いたりしない」
 竹ちゃんの言葉がやけに甘く耳に響く。
「私も、だよ」
 背中に回された竹ちゃんの手にギュッと力がこもった。
 嘘のつもりで本音を伝えられたのは、エイプリルフールだから、かな。


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