人生にロマンスとミステリを

小説を読むのも書くのも大好きな実務翻訳者です。ミステリと恋愛小説が特に好き。仕事のこと、日々のことを綴ります。

新作のお知らせ

2020-06-22 12:52:11 | 日記
6月にマイナビ出版さんのファン文庫Tearsが創刊されましたが、
その7月刊が発売されます。
悲しいのではなく、感動して泣けるお話を集めた本です。

7月のテーマは「交差点」。
『交差点であった泣ける話~人生と思いが交わる運命の場所~』

12人の作家によるアンソロジーで、今回私も参加させていただきました。

普段とはぜんぜん違う、ちょっと甘酸っぱい青春友情ストーリーを書きました。
発売日にチェックしていただけると嬉しいです。
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殊能将之『ハサミ男』

2020-06-21 17:26:08 | 読書記録(紙書籍のみ)
殊能将之著『ハサミ男』

美少女を絞殺し、研ぎ上げたハサミを首に突き刺すという猟奇連続殺人犯を
マスコミは「ハサミ男」と呼んだ。ハサミ男は三人目の被害者を決めて尾行し、
いざ犯行に及ぼうとしたとき、自分の手口を真似て殺害されたその少女の
遺体を発見した!

いったい誰がなぜ?みたいなところから、ハサミ男は調査を始めます。
んで、警察側の人間の視点も入り交じりつつ、警察の捜査と
ハサミ男の調査が展開していくのだけど。

ハサミ男って!!! タイトルが完全なミスリードだ!
でも、実際にありそう。こんな残虐で力のいりそうな犯罪を起こすのは
男性という先入観を抱いてしまいそう。そして、主人公のしゃべり方がぜんぜん
違和感ないのと、もう一人の遺体発見者の混ぜ込み方がうまくて。

は~、やられたな。まさかまさかのどんでん返しでした。

おもしろかったけど、最後、また殺人の犠牲者を見つけたっぽい
終わりなのが怖い……。
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10.『福猫探偵~無愛想ですが事件は解決します~』

2020-06-19 00:39:01 | 紙書籍
マイナビ出版ファン文庫さんから『福猫探偵~無愛想ですが事件は解決します~』
本日発売です!



『福猫えびす神社』に棲みついている猫が神様…!?

東京の大手企業で秘書として働いていたが、セクハラ上司を背負い投げしてクビになった真琴は、
次の仕事が決まるまで実家が営んでいる食堂で働くことに。
数日たったある日、お使いの帰りに小さい頃よく遊んでいた神社に立ち寄ると、そこで不愛想なキジトラ猫と出会う。
しかしその猫は、普通の猫じゃなかった!?

生真面目な元OLとミステリアスな探偵が、商店街で起こる不思議な事件を解決します。


久々のマイナビ出版ファン文庫さん。
ツンデレ(ほとんどデレない)猫の神様が出てきます。
不思議な存在たちも出てきて、謎の事件も起こります。
もちろんイケメンも登場しますよ! そして、地元大阪の名物料理や
ちょっとお節介なおばちゃんおじちゃんたちも出てくるほのぼのしたお話です。

どうぞよろしくお願いいたします。

楽天ブックス
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同時発売は編乃肌さんの『腹ペコ神さまがつまみ食い ~深夜二時のミニオムライス』です。

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歌野晶午『葉桜の季節に君を想うということ』

2020-06-14 20:50:19 | 読書記録(紙書籍のみ)
歌野晶午著『葉桜の季節に君を想うということ』

雨でどこにも行けないので、本ばっかり読んでいます(笑)。
どんでん返しがすごい本だと紹介されて読みました。

っていうか! どんでん返しってそこ!?という驚きの本。

まず出だしが達したときのシーン。それも男性目線で。
ほんとに男性はそんなふうに思ってるの? 女性向け恋愛小説書いてる身としては
ちょっと寂しい……的な出だしで。

まあ、それはおいといて。七歳年下の後輩くんが高校生で来年大学受験って
話をするもんだから、主人公は二十五歳か、意外と若いな、というミスリードを
誘われます。

んで、お金で女性を買いまくるし、『何でもやってやろう屋』といいつつ、
ガードマンやったりパソコン教室の講師をやったりする探偵で。
んー、二十五歳にしてはちょっと……という違和感は常にあったのです。

あ、なんか、主人公の年齢に関するどんでん返し(?)がインパクトありすぎて、
肝心の内容をぜんぜん書いてなかった。

ええと、後輩くんが片想いしている女性から、悪徳商法に騙されて大金を
注ぎ込んだおじいさんが、ようやく騙されていたと気づき、弁護士を雇うぞ!と
なったところでひき逃げにあって殺された。その真相を調べてほしいと依頼される。

その合間に、過去にあった出来事を回想しつつ、悪徳商法の事務所に忍び込み、
調べていって、まあ証拠を掴むという感じなのですが、実際に警察に突き出すところまでは
いかず、恋愛物語的に最後は終わります。

愛した人が実は……的などんでん返しはわりとあると思うけど、年齢の方の
どんでん返しのインパクトが大きいのなんのって。

最後の林語堂の「人生の黄金時代は老いて行く将来にあり、過ぎ去った若年無知の時代にあるにあらず」
という言葉が、この小説の神髄なのかなと思います。

ネタバレですけど、主人公、1951年で二十歳ですって。そう来るか!!!
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澤村御影『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』

2020-06-14 11:38:20 | 読書記録(紙書籍のみ)
澤村御影著『准教授・高槻彰良の推察2 怪異は狭間に宿る』

ちょっと時間ができて、ずっと読みたかった本がようやく読めました!
『准教授・高槻彰良の推察 民俗学かく語りき 』の続編です。

小さい頃一ヵ月間行方不明になり、その間の記憶がない高槻准教授。
大きな翼をはぎ取られたように、背中に大きな傷跡が残っている。

一ヵ月の間、何があったのか。
わからないことが怖いから、その理由を探すために怪異現象を研究している高槻。

幼い頃、死者の祭りに参加してしまい、人の嘘を聞き分けることのできる耳を得て
しまった尚哉。それゆえに孤独になり、孤独に生きていこうとするのだけれど、
まあ、変わり者の人なつこい大型犬のような高槻に振り回されつつ、今回は
高槻の過去に触れられたことで、尚哉の気持ちも明るい方向にずいぶん進んだんじゃないかと。

なかなか本物の怪異に巡り会えない二人ですが、短編二件目の「スタジオの幽霊」に
出てきた女優さんは、小さい頃、本当に怪異を経験していたようです。

おもしろかった。個人的には高槻先生の友達の佐々倉刑事が好きです。
頼りない主人公を放っておけない、ぶっきらぼうだけど優しい人。
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