人生にロマンスとミステリを

小説を読むのも書くのも大好きな実務翻訳者です。ミステリと恋愛小説が特に好き。仕事のこと、日々のことを綴ります。

宮部みゆき『スナーク狩り』

2021-04-25 10:04:18 | 読書記録(紙書籍のみ)
宮部みゆき著『スナーク狩り』

結婚の約束までしていた恋人に裏切られた慶子(超美人でお金持ち)は、銃所持の資格を持っていて、
元恋人の披露宴会場に散弾銃を持って乗り込もうとした。けれど、元恋人の妹(仲良くしていた)にばったり会って
気持ちを変え、帰宅。その彼女を、釣具店勤務の織口が待ち伏せしていて、銃と車を奪った。
その織口を慕っていて、客として来ていた慶子に惚れていた佐倉が、織口を止めようと車で追いかける。
織口は元妻と娘を20歳の甘やかされたカップル(シンナー中毒)に殺され、二人の公判を傍聴していたのだけど、
二人が上っ面だけ反省して、本当は少しも悔いていないことを知って……という展開。

慶子は披露宴で元恋人を撃ち殺すのかと思っていたら、目の前で自殺をしようと考えていて、
散弾銃に鉛を詰めて暴発(?)するような細工をしていた。

織口は慶子から盗んだ車が途中でパンクし、ヒッチハイク。織口を乗せた男性は、妻が母の束縛に心を病んでいて、
金沢で入院中。病床の妻に「息子を連れてきて」と言われて、息子と一緒に夜、金沢に向かっているところだった。

さて。読んでいる途中はすごくハラハラドキドキして、勧善懲悪を期待していました。
んで、慶子を裏切った元恋人は本当に最悪な男で、こんなやつが弁護士に!と思ってたら、
なんかそれまでいろいろ計算していたわりに、最後は愚かにも慶子の部屋に侵入し、慶子を殺そうとする。
そこに、パンクして乗り捨てられていた慶子の車を発見し、慶子の様子を不審に思っていた
刑事が踏み込んできて、元恋人は逮捕。ざまーみろ、と思いまして、まあ、織口の元妻と娘を
殺した犯人も同じような目に遭うのかと期待するのですが……。

なんか読み終わったとき、期待していたのとはちょっと違う感が。反省してない極悪バカップルは、
散弾銃の暴発で死に、引き金を引いたのは本人たちなんだけど、あまり後味がよくないのは、
その後、佐倉が苦しんでいるからかもしれない。

織口を乗せた父子は、父は巻き添えで怪我をしたけど、心を閉ざしていた子どもが心を開き始め、
母の束縛に心を病んでいた妻がしゃきっとするので、まあ、一番よかったのかもしれないけど。

勧善懲悪、読後感すっきり~♪を期待していたので、ちょっと後味が悪かった。でも、人を二人
死に追いやってしまったら、やっぱり佐倉は平気ではいられないのだろうというリアリスティックな
終わりではあるけれど。
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謎対応

2021-04-23 11:01:20 | 日記
大阪府に緊急事態宣言が発出された場合(というか、もう決定したな)、
小学校は1、2限を家庭でプリント学習やICTを活用した学習、3、4限学校で授業、給食・掃除後下校、
5、6限家庭でプリント学習やICTを活用した学習を実施するという連絡が学校からありました。

ん? 隣の小学校は生徒1人に1台タブレットが支給されたそうだけど、次男の小学校はまだ
学校が一括して預かったままだぞ? 大丈夫か? 子どもたち、ちゃんとタブレット使える?
ってか、そもそも私がちゃんと操作できるんだろうか。家のWiFiにちゃんと接続できる?(ドキビク)。

3時間目からちゃんと登校するかな~。うちの子、ダラダラしそう。

こういうとき、両親が外で共働きの家庭は本当に大変だろうと思う。
高学年の子なら、ちゃんと3限目から登校できそうやけど(いや、うちの次男、一人にしたら
サボってゲームしてそう)、低学年とか、入学したばかりの1年生とか、
親がちゃんと送り出してあげないといけないような気もするし……。

もう一年以上、大人しく生活してきて、本当に疲れちゃったな。

大阪ワクチン、どうなったんだろう。
私たちが予防接種を受けられるのはずっと先だろうから、それまでどうにか
かからないようにしたいけど、これ以上どう自粛生活すればいいのかわからないな。
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近藤史恵『黄泉路の犬 南方署強行犯係』

2021-04-22 15:36:45 | 読書記録(紙書籍のみ)
近藤史恵著『黄泉路の犬 南方署強行犯係』

近藤史恵さんの本はビストロ・パ・マルの話が好きで何冊か読んだけど、
へー、ミステリも書いてるんだ!と図書館で見つけて借りました。

おもしろかった! 主人公の新米刑事・圭司の視点で語られる(三人称)なんだけど、
彼と組む上司の黒岩さんがかっこいい! 冷徹な美人という感じなんだけど、
不器用な優しさを持っている人。

アニマル・ホーダーという心の病気で、動物に執着しちゃう女性が殺されて(北署の事件)、
それに別の強盗事件(圭司たちの管轄)が絡んでるっぽくて、捜査を手伝いつつ、
黒岩の甥っ子ちゃんの問題も出てきつつ。軽い恋愛要素も入っている。

真犯人はかなり言動が怪しい女性だったけど、圭司くんが惚れちゃってたのが、
気の毒だったな。男主人公の刑事が実は真犯人女性に恋をしてて……みたいな話を
一度読んだことがあるけど、タイトルが思い出せない(近藤さんの本でなかったことだけは確かだ)。

ペットを捨てること、捨てられたペットの里親になること。

病気の妻を捨てて離婚して子どもを引き取ったのに、子どもをうまく育てられずに黒岩に
なんとかしてもらおうとする黒岩義兄。世間体ばっかり気にする義兄の姉。
でも、甥っ子をかわいいと思う黒岩の葛藤。

深いです。

私の叔父が獣医さんで、自宅の半分を動物病院にしてるんだけど、
動物病院だから引き取ってくれるんちゃうか、という安易な考えでか、
結構病院の前にペットが捨てられるのだそうです。あまりに続くから防犯カメラつけた、と
叔母さんが言ってたけど。

そういう自分で面倒を見られないから人に押しつけて、でもそうするしかなかった、と言う
人間の身勝手な気持ちがテーマです。
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新刊(アンソロジー)のお知らせ

2021-04-22 13:11:12 | 日記
5/18にマイナビ出版ファン文庫Tearsさんから『東京駅・大阪駅であった泣ける話』が
発売されます。Amazonさんほかで予約が開始されています。



苦し紛れにつけた短編タイトルが、まんま採用されています(笑)。
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オーディオブックが発売に!

2021-04-16 11:26:37 | 日記
マイナビ出版ファン文庫Tearsさんの『京都であった泣ける話』
それに収録されている『そこにあなたという道標、そして縁』というお話が、
麻生さきさんの朗読で、audiobookから発売になりました!

めっちゃいいお声~。すごく優しくて芯があって、ステキなお声です。
とても情緒のある朗読に、思わず購入ボタンをポチしました。

すごくステキに読んでくださっていますので、ぜひぜひお耳でお話に浸っていただければと
思います。

よろしくお願いいたします。
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