人生にロマンスとミステリを

小説を読むのも書くのも大好きな実務翻訳者です。ミステリと恋愛小説が特に好き。仕事のこと、日々のことを綴ります。

S・J・ベネット『エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人』

2024-01-24 20:03:40 | 読書記録(紙書籍のみ)
S・J・ベネット著、芹澤恵翻訳『エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人』

SNSで見かけて気になって購入してから、ずっと積読だったんです。
だって、帯に「容疑者は50名」って書いてあって、え、私、50人分も
名前覚えられへん……ってなってしまって(笑)。

でも、実際に女王陛下が50人に事情聴取するわけもなく、女王の代わりに
事件を調べる秘書官補が50人に話を聞くわけでもなく……。

ウィンザー城で若いロシア人男性のピアニストが、クロゼットの中で遺体で発見される。
自殺に見せかけた殺人だとすぐにわかるけど、MI5の「すっとこどっこいのうすらとんちき」
長官が、スリーパー(潜入してから、ひたすら本国からの指示を待っていたスパイ)の
仕業だと言い出し、お城で働いていた人たちをスパイだと疑い始める。

でも、家族みたいな人たちがそんなことをするわけない、ということで、
女王が推理をする……けど、公務がつまってるので、みんなを集めて
「犯人はあなたね!」をするわけではない。

MI5の「うすのろまぬけ」長官が、ふふん俺が解決した、みたいになってるのが
腹立たしいんやけど、そこが他者の領域を守る女王陛下のやり方なのだそう。

とにもかくにも女王が愛すべき、そして愛情あふれた人であることが
伝わってきて、そんなふうに描写されるくらい愛されているんだなぁというのが
感想でした。

表紙イラストが超かわいいです。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 近況報告 | トップ | 呉勝浩『爆弾』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

読書記録(紙書籍のみ)」カテゴリの最新記事