人生にロマンスとミステリを

小説を読むのも書くのも大好きな実務翻訳者です。ミステリと恋愛小説が特に好き。仕事のこと、日々のことを綴ります。

平居紀一『甘美なる誘拐』

2022-04-23 10:00:09 | 読書記録(紙書籍のみ)
平居紀一著『甘美なる誘拐』

おもしろかった!!!!!
いや~、読んだことを忘れないための読書記録で、内容をいつもささっとまとめてるけど、
これはささっとまとめるなんてできへん!
すごいなぁ。やられたわ。どんでん返しやな~。

っていうか、一番のどんでん返しは悠人やな(笑)。
悪気がなくてちょっと抜けた感じの、しょ~がないなぁ(苦笑)てなっちゃうタイプ
やのに。実はすごすごるやろ。

いろんな人の目線で物語は語られるけど、主に悠人のコンビの真二目線で語られるから
余計おもしろいな~。悠人目線やと興ざめやもんな。うんうん。

兄貴分の荒木田にこき使われているばかりの冴えない日常を送る二人(真二と悠人)が、
ある日他殺体を見つけてしまう。
その人に借金がある自分たちが疑われるかも、と借用書をいくつか抜いて逃げようとしたら、
表から人が来て、仕方なく裏から逃げようとしたら、犯人の落とし物と思しき物を拾う。
それはもちろん殺人事件の鍵である。

その一方で、地上げ屋から嫌がらせを受けて廃業寸前に追い込まれていた父娘。

真二と悠人は荒木田の命令で、脱法行為で儲けまくっている宗教団体から教祖の孫娘を
誘拐することに。身代金の受け渡しも、1つ目のダミーには気づけたけど、まさかそうか!って
感じだったな。脳筋の愚鈍そうな(?)牛村が意外や意外。大切なすり替え工作を遂行。

殺伐としそうな内容だけど、主人公二人のコミカルともいえる掛け合い、なにより悠人のキャラが
物語の雰囲気をぐっとおもしろくしてる。

ほんとすごい。ほんとおもしろかった。こういう感じの本、大好きだな。

何度読んでもおもしろそう。再読して違和感を拾い集めると、もっとおもしろいだろうな。
何カ所かで違和感を持ったけど、たぶん拾い残したのもありそう。
読み終わった後、表紙に描かれている人物を眺めて想像力を膨らませるのが楽しい。荒木田が予想外にイケメン(笑)。
コメント
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