ぶんやさんち

ぶんやさんの記録

東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』

2009-05-10 13:14:09 | ときのまにまに
非常に「ひねくれている作品」である。一筋縄ではいかない。もっとも東野圭吾の作品はほとんどすべて、そんな感じではあるが、この作品は格別である。「現実か、芝居か」、「現実が芝居か、芝居が現実か」、「嘘か、真か」、「嘘が現実か、現実が嘘か」。読者は徹底的に翻弄される。読み終わって、言い換えるとこの作品から解放されて最初の感想は「こんなことよく考えられるなぁ」ということである。ともかく推理小説であることには間違いない。だから、結末も秘密である。わたし自身でさえ、読みながら何度「結末」を読もうかと思ったことか。しかし、それをしたら「もうお仕舞いよ」。

最新の画像もっと見る