昨年、初めて行った大宮薪能がとてもよかったので、
今年も妹にチケットを取って貰い2人で行ってきました
第37回大宮薪能 武蔵一宮氷川神社境内
ご神木の前に舞台と客席がしつらえてあります。
雨天の場合は市民会館でしたが、
昼間吹いていた風も夕方にはすっかり止んで絶好の薪能日和です
さて、今回の番組は・・・。
素謡 「翁(おきな)」
能 「胡蝶(こちょう)」
狂言 「仏師(ぶっし)」
能 「土蜘(つちぐも)」
素謡の後に雅楽と火入れ式、解説が入りました。
能「胡蝶」
花の都に初めて上った吉野の僧が梅花に見とれていると、忽然と一人の女が語りかけ、自分は胡蝶の精であり花に戯れる身でありながら梅にだけは縁がないことを嘆き、必ず夢の中に現われるから僧に回向をしてくれるよう頼み消える。僧が言われたとおりに読経し梅の下で眠りにつくと、胡蝶が現れ、おかげで梅の花にも戯れ成仏することができると喜びの舞を舞って消えて行く・・・。
胡蝶が再び登場すると、頭上に蝶の飾り物を頂いた胡蝶の装束がものすごく美しく
またその舞も華やかで、いつもは怖く見える面がとても愛らしく可愛らしく見えたのが不思議でした
始まった頃はまだ明るかった空も胡蝶の舞が佳境に入る頃にはとっぷりと暮れて、
本当に素晴らしかったです
狂言「仏師」
新しく持仏堂をたてた男が安置する仏像を求めに都に上ってくる。
都の詐欺師がそれを聞きつけ自分を真仏師だと名乗って、一日で作り上げると約束し、仏像になりすますも、男は仏の風貌が気に入らぬと何度もやりなおしを要求し、何度も入れ替わり立ち替わりをしているうちに最後にはばれてしまう。
2人のやり取りや気に入らぬ度に替えるポーズが面白くて、会場中から笑いが沸き起こっていました
能「土蜘」
源賴光が何とも知れぬ病に苦しんでいる。
実は土蜘の呪いで最後には土蜘は一人武者に首を切り落とされて退治されてしまう。
見せ場は何といっても土蜘の手から放たれる蜘蛛の糸(パンフ表紙参照)
前半、僧に化けた土蜘が蜘蛛の糸を放って逃げるのですが、その蜘蛛の糸が舞台後ろのご神木にも掛かって野外の醍醐味に!野外と舞台とが一体となって呪われてます感がたっぷりで見応えがありました。
それに周りにいる囃子方や地謡方にも当然かかるんですが、頭に乗っていても顔の前に垂れていてもまったく払うような素振りを見せずに最後まで勤めていたのはさすがだと思いました!
意味ある動きをしたらそこに別の物語が宿ってしまいますものね。
土蜘の精が舞台上にしつらえられた巣の中から登場する場面は大迫力でした。
薪番が火を絶やさないようにずっと番をしています。
私達の席は前から三列目で舞台の斜め前方にあたる場所だったのですが、
この薪の熱による空気の揺らめきがちょうど舞台上の演者と重なる時があって、
この世のものではない妖しさが一層際立って、ますます幽玄の世界へと誘うのでした・・・
良かったわぁ~~~
次は七月の能楽堂よ~
そちらも楽しみ楽しみ
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