日本海側各地で大雪が続いている。
北陸も連日、注意報や警報が発令されているが
「金沢は?」というと、この通り。
金沢市東山 2022.01.15 12:48 Sony α7R3 Vario-Sonnar 24-70㎜/f2.8 (70㎜ f/5.6,1/100sec,ISO100)
断続的に雪は降るものの、
歩道や屋根にうっすらと残るばかりで
今のところ大きな被害は聞こえていない。
けれども、まだ一月半ばのこと。
ふだん降らない近畿地方での大雪のこともあるから油断大敵。
生活者ができる大雪の対処は迅速な除雪しかないので
常に警戒だけは解かないでおこうと思う。
さて。
女性ボーカルグループ、ロネッツのリードシンガー、ロニー・スペクターが亡くなったそうだ。
ロネッツの代表曲といえばこの曲『ビー・マイ・ベイビー』。
Be My Baby The Ronettes
リアルタイムで聞いていたわけではないが
洋楽では最もポピュラーな曲のひとつで
「ああ、この曲!」と頷く向きも多いと思う。
自分にしてもそう。どこか懐かしく耳障りのいい曲と思っていた。
ところが昨年、ある大物プロデューサーの死をきっかけに
この曲がポピュラーなだけではなく、大きな音楽的意義を持つことを知ることになる。
『ビー・マイ・ベイビー』はそのプロデューサー、フィル・スペクターが生み出した
アレンジスタイル『Wall Of Sound(音の壁)』の代表曲でもあったのだ。
そのことは、このブログでも去年取り上げていて ( 音壁伝説 2021.02.27 )
その続編を、特に日本のミュージシャンへの影響を
書くつもりでいたのだが、つい書きそびれていた。
それで、ロニー・スペクターの追悼というわけでもないが
これを機会に記しておこうと思う。
門外漢が語るのもおこがましいが、
ウォール・オブ・サウンドとは、オーケストラとパーカッションを多用することで音圧を上げ
各パートが一体となった力強く、また華やかな音楽と理解している。
フィル・スペクターがプロデュースした有名なアルバムのひとつが
ビートルズの『レット・イット・ビー』であり、
ジョン・レノンやジョージ・ハリスンもその影響を受けている。
また、ビーチ・ボーイズの音楽もウォール・オブ・サウンドそのものだとも思う。
そして、日本のポップシーンにおいてもウォール・オブ・サウンドを取り入れたものは多く
山下達郎や大滝詠一の音楽にはそれが色濃く感じられる。
さらに意外にも、こんな人たちもウォール・オブ・サウンドの「チルドレン」だったようだ。
・加藤和彦
Yuki ドゥー・ユー・リメンバー・ミー
・佐野元春
SOMEDAY
・鮎川 誠
ユーメイドリーム シーナ&ロケット
(ウォール・オブ・サウンドは)壮大なオーケストレーションとパーカッションの多用、
オーバーダビングを駆使した独創的なサウンドと独特なエコー感覚を特徴とするもので
今まで世界中のファンを魅了してきた。
魅了するのみならず、このサウンドは、ミュージシャンを志すものなら
一度は試してみたいと思わせる媚薬のような香りも放っていたようである。
そしてチルドレンたちは思い思いに
ウォール・オブ・サウンドに身を委ね、身を焦がしてきたのであろう。
その結果が、”イミテーション”と呼ばれるサウンドしか生み出せなかったとしても...。
抜粋:音壁JAPAN(ソニー・ミュージックエンターテインメント)