折にふれて

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いつか見た青い空

2018-01-13 | 折にふれて

1月12日、金沢の積雪は46センチ。

久しぶりの大雪に市内を中心とした交通は大渋滞、

急を要しない仕事はキャンセルし、

午前中は職場あげての除雪、午後からはデスクワークが中心となった。

久しぶりと書いたが、以前の金沢ならこれくらいの降雪は当たり前、

確かに交通量は多くなっているが、

それよりも、暖冬に慣れて雪に備える意識が希薄になったことが

都市機能そのものを弱体化させているように思えてならない。

 

いきなり毒を吐いてしまったが、悪いことばかりでもない。

今日は週末とあって、町内のあちこちでは家族総出で除雪する姿が...。

各家庭とも敷地と自宅前の道路を除雪するのが雪国の習わし。

自然と除雪コミュニティのような連帯感が生まれ、

隣同士はもちろん、通行人も含めて「お疲れさま」、「ご苦労さま」と声をかけ合う姿は、

当事者のひとりながら微笑ましい。

ともすれば、地域コミュニティが希薄になりがちな昨今だが、

除雪の声がけが縁で「ご近所さま」意識が深まることも少なくない。

 

もうひとつ良いことがあった。

除雪が一段落して見上げた空が...。

雪雲の間から青い空がのぞいている。

雪国に住んだことがある人ならわかってもらえると思うが、

季節の大半が厚い雲に閉ざされる冬。

雲の合間からのぞく一瞬の青空になんとも言えない爽快感を覚えるのだ。

こんな空を眺めると思いだす言葉がある。

子供の頃の大雪の日。

何日も家から出ることができず、学校にも行けなかったので、

おそらくは三八豪雪の記憶ではないかと思う。

ふとラジオの番組から「いつか見た青い空」という言葉が聞こえてきた。

その言葉が、そのとき窓から見えた、雲の切れ間の一瞬の青空にかぶり

子供ごころに鮮やかな印象として残ったのだ。

ずいぶんと後になってから、

「いつか見た青い空」はシドニー・ポアチエ主演の映画「A Patch of Blue」の邦題であることを知った。

映画そのものは、人種差別を背景とした盲目の白人少女と黒人青年のはかない恋を描いたもので、

冬の青空とはまったく関係がない。

が、初めて聞いてからというもの、この時期の青空へのあこがれを映す言葉として、

この年になっても忘れることができなくなったのである。

 

さて...。

明日は今年に入って初めての「晴れ」予報とのこと。

ひょっとしたら、「初日の出」を拝めるかもしれない(苦笑)

そして、堂々と満天の「青空」を撮りに出かけようと思う。


「太陽の当たる場所」 スティービー・ワンダー


Stevie Wonder - A Place In The Sun

 

 

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