備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム96.吉備の中山を歩く(その5・吉備津彦神社)

2008-12-05 20:15:11 | Weblog
吉備の中山の「元宮磐座」から北東に急坂を下りていくと、備前国一宮「吉備津彦神社」に至る。「吉備津彦神社」は式内社ではないが、公式HPもあるし、いろいろな人がいろいろな情報を伝えているので、このブログでの記事は思い切り少ない(「吉備津彦神社」の項、2008年5月23日記事)。
今回も特に書くことはないのだが、山の中を歩いてきたので、ここでも社殿ではなく、写真は「岩」を掲載しておく。神池に浮かぶ「亀島神社」の先にある環状列石である(ここは立入禁止になっている。)。この池は古い様式をよく伝えているものといわれており、論者によっては、この環状列石は「吉備津彦神社」より古いのではないか、という説もある(個人的には疑問と思うが。)。

コラム95.吉備の中山を歩く(その4・磐座)

2008-12-04 21:13:18 | Weblog
吉備の中山には立派な岩がゴロゴロしている。特に、吉備津神社側の「奥宮磐座」と呼ばれるところでは、どこが首座かわからないくらい大岩が連なっている(写真上)。樹木が鬱蒼としており、「奥宮磐座」のすぐ下に「鏡岩」という一際立派な岩もある。が、暗くて、小生の貧弱なコンデジでは真っ暗になり、うまく写真が撮れない。
一方、吉備津彦神社側の「元宮磐座」のある場所は、見晴らしもよく、明るい雰囲気である。「元宮磐座」も一見して磐座とわかる、大きく、上が平らな岩である(写真中)。雨の日の翌日に訪ねたからだろうが、岩の上の窪みに水が溜まっていたのが印象的だった。また、この近くに「八大竜王」と呼ばれる石の祠もある(写真下)。雨乞いの祭りも行われていたようだ。


写真上:奥宮磐座


写真中:元宮磐座


写真下:八大竜王

コラム94.吉備の中山を歩く(その3・福田海Ⅱ)

2008-12-03 20:34:54 | Weblog
「福田海」本部境内を登っていくと、「有木神社」(写真上)、「藤原成親遺跡(墓)」(写真中)を経て、吉備の中山の遊歩道に出る。その先、「大吉備津彦墓(中山茶臼山古墳)」の裏手につながっている。)。「藤原成親遺跡」まではかなり急な坂で、道も細いので注意。
藤原成親は、鹿ケ谷謀議事件で備前国児島に流罪となり、後に「有木の別所」に移され、そこで出家したが、平家の手により殺されたという。「有木の別所」というのは、かつてこの辺りにあった「高麗寺」の子院かと思われる。
巨岩好きの方には「天柱岩」がお勧め(写真下)。剣の先のような大岩に、「天柱」の文字が彫られている。彫らせたのは、「福田海」開祖中山通幽であるという。「福田海」本部から少し東の斜面に墓地があるが、その脇に参道口がある。「天柱岩」の更に上に進むと、吉備中山の磐座がある。


写真上:有木神社


写真中:藤原成親遺跡。供養塔があったと思われるが、元の形もわからないくらい風化が進んでいる。


写真下:天柱岩。急坂の途中にある。

コラム93.吉備の中山を歩く(その2・福田海Ⅰ)

2008-12-02 22:01:19 | Weblog
「吉備津神社」(岡山市)から北東に山麓を約400m行くと、「鼻ぐり塚」で有名な「福田海」本部がある(写真上)。吉備中山の2つの峰の谷の部分にあり、ここが備前・備中国境となる。
「福田海」本部境内の東端、道路沿いに「両國橋」がある(写真中)。これも国境の名残り。橋が架かる「細谷川」が国境線だからで、古今和歌集の「まがねふく 吉備の中山 帯にせる 細谷川の 音のさやけさ」(読み人知らず)にも歌われている。
「鼻ぐり塚」は、横穴式古墳の上に牛の鼻輪を積み上げているもの(写真下)。


「福田海」について:http://www.asahi-net.or.jp/~rn2h-dimr/ohaka2/20tikusan/26cyugoku/hanaguri.html


写真上:「福田海」遠景。小さくてわかりにくいが、谷の下に黄色に色づいた銀杏の木と屋根が見える。ここが「福田海」本部の入り口。向かって右に行くと「吉備津神社」、左に行くと「吉備津彦神社」。


写真中:両國橋。石柱の奥に見える石垣が「細谷川」で、国境線。国境に架かるから「両國橋」。


写真下:鼻ぐり塚

コラム92.吉備の中山を歩く(その1・吉備津神社)

2008-12-01 20:07:30 | Weblog
「吉備の中山」は不思議な山で、備前国一宮「吉備津彦神社」、備中国一宮「吉備津神社」のほか、神道系の「黒住教」本部、仏教系の「福田海」本部があり、宗教施設ではないが、キリスト教系の「ノートルダム清心学園」一宮校舎もある。
もっとも、「吉備の中山」山系にはいくつかの峰があり、特に北側にある2つの峰(170mと162m)を「吉備中山」と称しているようであり、「吉備津彦神社」はその東北麓、「吉備津神社」は西麓にある。そして、この2つの神社を結ぶ遊歩道が整備されている。社殿だけではなく、磐座などもあり、歩くのも面白い(ただし、かなり急な登りがある。)。
まず吉備津神社(岡山市北区一宮)(写真上)から登り始める。登り口は、境内の西端から。「岡山県古代吉備文化財センター」方向に向かう車道もある。
徒歩約10分で、急な階段があり、上って行くと大吉備津彦命墓(中山茶臼山古墳)がある(写真下)。ここは皇族の陵墓であるとして、宮内庁の管理下にあって立入り禁止。3世紀後半から4世紀頃築造の前方後円墳と考えられているが、自然の地形を利用して造られたため、前方後円墳として設計されたかどうかに疑問もあるらしい。

中山中学校生徒会のHPから(吉備の中山の地図):http://www.kct.ne.jp/~mandai/kibinonakayama/nakayama_map/sub01.htm

吉備津神社HP:http://kibitujinja.com/

岡山市のHPから(中山茶臼山古墳):http://www.city.okayama.okayama.jp/museum/kofun1/09.html


写真上:吉備津神社。修繕完了した国宝神殿・拝殿


写真下:大吉備津彦命墓(中山茶臼山古墳)