備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム101.古代山陽道を探す(その5・辛川市場~富原)

2008-12-10 21:00:11 | Weblog
国道180号線から分かれた狭い道路を約700m進むと、岡山市北区辛川市場で県道61号線(妹尾御津線)と交差する。交差するのだが、その先は畦道である(写真上)。畦道にしては微妙に広い(古代官道跡というには狭そうなのだが。)。そこを歩いていくと、もちろん未舗装で、何となくフワフワした感触は畦道そのものである。しかも、「石川工業」という会社の裏側までで、道は無くなる。ただし、法務局備付けの公図では、畔道と水路があることになっている(幅は、合わせて約3m)。
舗装道路は、県道との交差点から右(南)に曲がって約120m(およそ1町)のところにある交差点を「中川」(笹ヶ瀬川水系)に沿って北方向に進む。その先、「今岡緑橋」(写真中)で元の直線道路に戻る。ここで後ろを見ると、さっきの畦道が「今岡緑橋」まで続いていたらしいことがわかる。
その先は、道路の右側(南側)は「緑ヶ丘団地」という住宅団地で、その名の通り、ちょっとした丘になっている。少し北にずれれば坂道を回避できると思うのだが、道路は直線的に進んでいる。
今岡を過ぎると、道路はやや方向を変え、北東方向からほぼ東方向に向かう。地図で見ると、今岡のあたりは2本の川が通っているせいでよくわからないが、辛川市場以西と楢津以東では条里制の方向が明らかに違っている。
そして、楢津と富原の境、「三白峠」を越える(写真下。ただし、富原側から撮ったもの。)。写真下の右側に見える、ネットを張った広場は「富原ちびっこ広場」で、その先にはブドウの温室がある。この辺りが「富原遺跡」といわれるところのようだ。「ようだ」というのは、特に案内板などはなく、遺跡自体の範囲がどこまでなのかもよくわからないため。
「富原遺跡」については、長くなりそうなので、次回に。


写真上:県道61号線との交差点


写真中:今岡緑橋


写真下:ほぼ直線的な道路の先の切通しが「三白峠」。