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古都探索日記

奈良や京都の散策日記

フランツ・リストの宗教音楽

2024-11-07 08:47:51 | 音楽
 11月6日、朝日カルチャーセンターにて受講。講師は吉田文先生。受講内容を要約。

 フランツ・リストの宗教音楽の二回目はオルガン作品。リストは多く残しているが小品が多く、コンサート用は三作品。その中から今回のテーマは Weinen,Klagen,Sorgen,Zagen 「泣き、嘆き、憂い、おののき」バッハのカンタータ12番(BWV12)の冒頭合唱の通奏低音をもとにしている。バッハはこの通奏低音を晩年ロ短調ミサのクレドの「十字架につけられ」にも利用している。

 BWV12は復活祭後第3主日(ユビラーテの主日1714年)に演奏されたが、ユビラーテ=喜びとは正反対に半音階を多用した暗く、重苦しい曲想である。朗読された聖書はヨハネの福音書の16章の「悲しみは喜びに変わる」がテーマなので初めは悲しみの暗さを表現している。

 リストは1859年にピアノの前奏曲として作曲した。同年リストの長男で末っ子のダニエルが急死したのが動機になっている。さらに3年後の1862年ピアノのための変奏曲に発展させた。この曲にはBWV12の明るい曲想の終末コラールも曲の終わりにつけられている。この年、次女が急死したことが動機。さらに1863年にオルガン用の変奏曲として完成させた。

 はじめにバッハのBWV12、そのあとリストのピアノのための前奏曲と変奏曲、最後にオルガンの変奏曲を視聴した。

 画像はテキストの一頁目と二頁目(右)。二頁目の楽譜はバッハのBWV12(上)とロ短調ミサ。

 バッハとリストにこのような関連があることは全く知らなかった。変奏曲についてオルガン曲が劣るという意見もあるらしいが、私はそんなには感じなかった。特に終末のコラールはオルガンのほうが迫力があり背後のバッハの存在を感じた。

 大変興味深いレクチャー、ありがとうございました。


 
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パイプオルガン&ヴァイオリン 華麗で優美なひとときを

2024-10-04 18:56:14 | 音楽
 10月3日のパイプオルガン ブランチコンサートは珍しいパイプオルガンとヴァイオリンのデュオ。画像はプログラム。

 演奏はヴァイオリン:三好孝市、パイプオルガン:吉田文、トマス・マイヤー=フィービッヒ(敬称略)

 最初はデュオでヘルマン・シュレーダー(1904-1984) 「前奏曲とカンツォーネとロンド」より前奏曲(オルガン吉田先生)
 二曲目はJSバッハの「G線上のアリア」

 続いてマイヤー=フィービッヒ先生のミニ講座:二人のロマン派の作曲家の紹介とオルガン独奏
 ハンス・フェアマン(1860-1940)「オルガンソナタ第6番ト長調」よりアダージョ
 ヤン・アルベルト・ファン・エイケン(1823-1868)「オルガンソナタ第一番」から間奏曲

 デュオに戻ってリクエスト作品2曲 タイスの瞑想曲とガブリエルのオーボエ(エンリオ・モリコーネ作)

 最後にデュオでヨーゼフ・ラインベルガー(1839-1901) 「6つの作品 op150」より「夕べの歌」と序曲

 初めてパイプオルガンとヴァイオリンのデュオを聴いたがピアノの伴奏より味わい深いものがあった。G線上のアリアとタイスの瞑想曲以外は初めて聴く曲だったが、とくに最終のラインベルガーの序曲のフーガが強く印象に残った。
 
 ありがとうございました。

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フランツ・リストの宗教音楽

2024-10-03 13:57:17 | 音楽
 10月2日、朝日カルチャーセンターにて受講。講師は吉田文先生。画像はテキストの一頁目。講義内容を要約。

 まず初めにリストの生涯を追った名曲アルバム「リストへの旅」を視聴。

 日本ではリストは作曲家、演奏家として知られているが、19世紀の宗教音楽の重要な作曲家である。また教会音楽についての著作も残していて、54歳の時に修道士になったほどの敬虔なカトリック教徒だった。

 彼の言葉として「音楽は本質的に宗教的である」が残っているが、典礼に使えるほどに典礼文に忠実である。ミサ曲、カンタータ、モテットその他にわたる。

 作家としてはは22歳で執筆した「将来の教会音楽」の断片が残っている。教会音楽に対する彼の要求と理想が記されている。先生は詳細に解説してくださったが、キリスト教徒ではない私には難解な内容だった。

 最後に「小鳥に説教するアッシジの聖フランシチェスコ」のピアノ独奏とオルガン演奏(サン=サーンスが編曲)
 「波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」のオルガン演奏を視聴。フランチェスコはフランツのイタリア語。

 ありがとうございました。
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メンデルスゾーンの宗教音楽 Ⅱー3 エリヤ 2

2024-09-20 08:59:54 | 音楽
 9月18日、朝日カルチャーセンターにて受講。講師は吉田文先生。画像はテキストの一頁目。

 前回に続いて、エリヤの第二部をスコアを追いながら全曲を視聴。劇的な力強いソプラノのアリアから始まる。バッハ・マタイ受難曲第二部冒頭のアルトアリアとの類似点がある。またヨハネ受難曲のバスのアリオーソに似た部分も他にみられることから、バッハの影響が推測される。第一部に較べて聴きがいのあるように感じられた。

 次に晩年の未完成の「キリスト・クリストゥス」を視聴。パウルス(新約聖書キリスト後)、エリアス(旧約聖書)、に続くキリスト本人をテーマにした三作目のオラトリオになる予定だったが、完成前に死去。

 次回からはフランツ・リストの宗教音楽が予定されている。楽しみにしております。ありがとうございました。
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メンデルスゾーンの宗教音楽 Ⅱ-2 エリヤ

2024-08-08 13:35:36 | 音楽
 8月7日、朝日カルチャーセンターにて受講。講師は吉田文先生。画像はテキストの作品概要の頁。

 1 エリヤ(日本語)について講義内容 (タイトルはElias)
 エリヤは旧約聖書「列王記」の預言者。イスラエル王国はその時代ダビデ王からの栄華は終わり、邪悪の王アハブによって滅亡の危機にあった。エリヤとエリシャは神の代弁者となり、神の力は彼らの行った多くの奇跡によつて現された。

 2 作品概要 1836年オラトリオ「パウロ」(新約聖書)の初演後、メンデルスゾーンはすぐに二作目のオラトリオの計画を始めた。しかし多忙などの理由から中断、1845年に再開、1846年8月26日、バーミンガムのタウンホールにて自身の指揮で初演(英語版)。1847年ハンブルクにて作者不在でドイツ語版を初演、この日メンデルスゾーンはライプツィヒで脳卒中で倒れる。11月4日、永眠。メンデルスゾーンがエリヤを選んだ理由は不明。
 作品はバッハのオラトリオのように聖句を福音史家が朗唱するのではなく、オペラのように対話形式で進められる。また序曲の前にエリヤの言葉が歌われるのも特徴の一つ。

 以上の講義の後、エリヤ(ドイツ語版)の前半部分を対訳を見ながら視聴。全体に暗い印象を受けた。

 自分では絶対に聴けない作品に接することができました。ありがとうございました。

 
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