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情報公開審査会 平成15年度(独情)答申第41号 特定私立大学に係る私立大学等経常費…

2004年03月19日 | 個人に関する情報
諮問庁 : 日本私立学校振興・共済事業団
諮問日 : 平成15年 7月15日 (平成15年(独情)諮問第30号)
答申日 : 平成16年 3月19日 (平成15年度(独情)答申第41号)
事件名 : 特定私立大学に係る私立大学等経常費補助金に関する文書の一部開示決定に関する件

答 申 書


第1  審査会の結論
 特定私立大学に係る私立大学経常費補助金変更交付申請書等(平成13年度分)(以下「本件対象文書」という。」)につき,その一部を不開示とした決定について,諮問庁が不開示とすべきとしている部分については,別表に掲げる開示すべき部分を開示すべきである。

第2  異議申立人の主張の要旨
(略)


第3  諮問庁の説明の要旨
(略)


第4  調査審議の経過
(略)


第5  審査会の判断の理由
1  本件対象文書等について
(1)  本件対象文書について
 本件開示請求は,学校法人Aび学校法人Bに関する法人文書として,ア 私立大学経常費補助金交付申請書及び一切の添付資料(平成13年度及び同14年度分),イ 同補助金交付申請に対して交付の決定を行ったこと及び当該決定の内容がわかる文書並びにウ 両学校法人が提出した,前項記載の交付決定に係る実績報告書及び関係資料を求めるものであるが,諮問庁は平成13年度分に係る以下の行政文書を特定し,一部開示決定を行ったものである。
 なお,異議申立人は,平成14年度分については異議申立ての対象としていない。

 アに対応する文書
①  平成13年度私立大学経常費補助金変更交付申請書
②  大学等専任教員等・個人票(総括表)
③  大学等専任教員等・個人票
④  大学等専任職員等・個人票(総括表)
⑤  大学等専任職員等・個人票
⑥  役員報酬等調査票
⑦  学生定員・現員調査票(大学等・大学院)
⑧  留年者調査票(大学等)
⑨  私立大学等の収入支出調査票
⑩  非常勤教員調査票
⑪  教職員福利厚生費調査票
⑫  私立大学退職金財団掛金支出調査票
⑬  研究旅費支出調査票

 イに対応する文書
⑭  補助金内示額表及び特別補助内示額内訳表
⑮  費目別補助金配分額計算表
⑯  専任教員及び学生の経費に係る補助金配分額配点表
⑰  教員に係る補助金配分額計算表
⑱  学生に係る補助金配分額計算表

 ウに対応する文書
⑲  私立大学経常費補助金に係る事業の実績報告書(添付書類である事業報告書及び設備購入状況表を含む。)
⑳  決算書及び予算書

 諮問庁は,2つの学校法人に係る上記20件の文書のうち⑭補助金内示額表及び特別補助内示額内訳表を全部開示しているため,一部開示とした残り19件が本件対象文書である。

(2)  諮問庁が,開示することとしている部分について
 諮問庁は,本件諮問後に,補充理由説明書において,不開示とした部分のうち,法5条1号に該当しないとして次の部分を開示することとしている。

ア  A学校法人及びB学校法人の調査表作成担当者に係る電話番号
イ  A学校法人の上記(1)⑨収入支出調査票の「E-mail」の欄
ウ  B学校法人の上記(1)⑤専任職員等・個人票における氏名

2  不開示情報該当性について
 諮問庁が,なお不開示とすべきとしている部分について,以下,不開示情報該当性を検討する。

(1)  学校法人が提出した補助金変更交付申請書,各調査票及び実績報告書等における不開示部分のうち,共通する事項について
(略)


(2)  学校法人が補助金の交付を受けるために作成し諮問庁に提出した申請書及び調査票等の添付資料について

ア  平成13年度私立大学等経常費補助金変更交付申請書
(略)


イ  大学等専任教員等・個人票
 大学等専任教員等・個人票における採用年月日,現職発令年月日,氏名,生年月日,卒業年月,最終学歴(学校名,医歯獣学部区分,学校種別),授業時間数(1週当たり,年間総時間),給与月額(13.5(本給,諸手当)),年間支給総額,担当科目及び補助金の申請の有無の各欄の記載並びに学校の合計欄における授業時間数(一週当たり,年間総時間)給与月額(13.5(本給,諸手当))及び年間支給総額が不開示とされている。
 教員個人ごとのこれらの各項目の記載は,個人に関する情報であり,個人を識別することができるものとして法5条1号に該当するものと認められる。
 これらのうち,専任教員の氏名及び担当科目は,大学における講義概要や履修案内などに掲載されるものであり,慣行として公にされているものと認められることから,専任教員の氏名及び担当科目は開示するのが相当である。
 大学等専任教員等・個人票における,個人ごとの給与の内訳,授業時間数及び学歴は,慣行として公にされ又は公にすることが予定されているものとは言えない。
 また,補助金の申請の有無は,当該個人の勤務条件の一端を明らかにするものであり,慣行として公にされ又は公にされているものとは言えない。したがって,これらの事項はいずれも法5条1号の不開示情報に該当するものと認められる。
 学校の合計欄における授業時間数(一週当たり,年間総時間)給与月額(13.5(本給,諸手当))及び年間支給総額については,既に開示されている専任教員数から,当該学校法人の専任教員の勤務条件及び給与水準を推測されることとなるものである。これらの記載は特定の個人を識別することはできないが,これを公にすることにより,なお個人の権利利益を害するおそれがあるものとして,法5条1号の不開示情報に該当すると認められる。
 なお,異議申立人は,全国大学職員録(私立大学編)に,生年及び学歴が掲載されていると主張しているが,専任教員・個人票に記載された内容とまったく同一の情報が,同職員録において公表されているものとは言うことはできないものであり,異議申立人の主張を採用することはできない。

ウ  大学等専任職員等・個人票
(略)


エ  役員報酬等調査票
 役員報酬等調査票における学長を除く理事の担当職務,常勤・非常勤の別,監事の氏名,理事及び監事の生年月日,監事の就任年月日,監事の再任年月日,監事の退任年月日,報酬及び給与支払総額(年間)及び内訳の欄,申請状況,役員報酬の決定方法の欄並びに平成12年度人件費支出内訳表に表示された役員報酬額の欄が不開示とされている。
 不開示とされた担当職務の欄のうち,どの理事が具体的に何を担当しているのかは,慣行として公にされ又は公にすることが予定されているものと言うことはできない。ただし,理事の担当職務の欄に記載された課長相当職以上の職名は,全国大学職員録(私立大学編)に担当理事の氏名とともに掲載されており,慣行として公にされているものと認められる。
 また,監事の氏名についても,同職員録に監事という職名とともにその氏名が掲載されていることが認められる。したがって,理事の担当職務のうち課長相当職以上の職名及び監事の氏名については,慣行として公にされているものと認められ,法5条1号ただし書イに該当することから開示すべきである。
 常勤・非常勤の別の欄,理事及び監事の生年月日,監事の就任年月日,監事の再任年月日,監事の退任年月日,報酬及び給与支払総額(年間)及び内訳の欄については,いずれも個人に関する情報であり,慣行として公にされ又はまたは公にすることが予定されているものと言うことはできない。したがって,法5条1号の不開示情報に該当するものと認められる。
 また,申請状況の欄は,役員が教員を兼ねている場合があることからすると前記(2)イと同様の理由により不開示情報に該当するものと認められる。
 役員報酬の決定方法及び人件費支出内訳表に記載される役員報酬額は,学校法人の経営に関する機微な情報であることから,法5条2号イの不開示情報に該当するものと認められる。

オ  学生定員・現員調査票(大学等・大学院)
(略)


カ  留年者調査票(大学等)
 留年者調査票(大学等)における大学学部学科別留年者数及び短期大学学科別留年者数の欄が不開示とされている。
 留年者調査票に記載された留年者の人数は,学部,学科別に,特に補助金計算のための調整係数を算出するために,在学者のうち修業年限を超えた者のうち1年未満の留年者を抽出した内訳であり,成績評価の方針など私立大学の教育理念の下での結果を示すものであることから,前記オと同様に,公にすることにより,学校法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものとして,法5条2号イの不開示情報に該当するものと認められる。
 不開示とされた成績評価基準の明示の欄は,調査票の記入要領によれば,○又は×記入の選択は,すべての学部等で,シラバス等に成績評価基準が明示されているかどうかによって決まるものである上,厳格な成績評価実施のために成績評価基準の明示が求められていることからすると,法5条2号イの不開示情報には該当しないため,開示するのが相当である。

キ  私立大学等の収入支出調査票
 私立大学等の収入支出調査票における科目別の内訳欄(学校部門の決算額,研究所図書館等からの割振り額,食堂・売店・寄宿舎に係る除外額,その他の除外額,奨学事業で加点対象とならない経費,差引額),学生納付金収入に対する教育研究経費等支出の割合,学生納付金収入に対する経済的に修学困難な学生に対する奨学事業支出等の割合,翌会計年度以後の会計年度において基本金への組入れを行うこととなる金額及び差引収入(支出)超過額の欄が不開示とされている。
 私立大学の収入支出調査票に記載される数値は,学校法人会計基準に定められた計算書類である資金収支内訳表の大学部門における大科目である学生納付金収入並びに教育研究経費支出及び設備関係支出の内訳である小科目に掲げられた数値に相当するものである。
 これらのうち,学校部門の決算額における学生納付金収入(F)及び教育研究経費支出(G)の欄の数値は,諮問庁が既に開示している大科目に相当するものであり,不開示情報には該当しないため,開示することが相当である。
 その余の数値については資金収支内訳表及び基本金明細表に計上される小科目の数値及び開示された計算式により小科目の数値を算出できるものであるため,これらを公にすることにより,学校法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものとして,法5条2号イの不開示情報に該当するものと認められる。

ク  非常勤教員調査票
 非常勤教員調査票における非常勤教員数のうち対象部門の教員数,授業時間数,依存率,非常勤教員で時間単価が1,800円以上の者の欄の非常勤教員年間担当総時間数及び非常勤教員給与支給総額並びに時間単価の算出基礎の欄及び1時間当たりの学校平均単価の欄が不開示とされている。
 非常勤教員調査票における非常勤教員数のうち対象部門の教員数,授業時間数の内訳,依存率,非常勤教員で時間単価が1,800円以上の者の欄の非常勤教員年間担当総時間数及び非常勤教員給与支給総額は,学部ごとの非常勤教員の割合を詳細に示すものであり,学校法人の経営戦略やノウハウをうかがい知ることのできる情報である。また時間単価の算出基礎及び学校平均単価の記載は,当該学校法人が経営上の判断に基づき設定した考え方及び金額を示すものである。これらの学部ごとの詳細な記載内容は,これを公にすることにより,学校法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものと認められ,法5条2号イの不開示情報に該当する。
 ただし,非常勤教員年間担当総時間数の学校計については,これによって直ちに当該学校法人の経営戦略やノウハウをうかがい知ることができるものとは言えないので,不開示情報に該当せず開示することが相当である。

ケ  教職員福利厚生費調査票
 教職員福利厚生費調査票における長期給付平均掛金のうち平成13年10月分の長期給付掛金の額(学校法人負担分),10月分平均掛金及び年間平均掛金の欄並びに労災保険の平均掛金のうち労災保険平成13年度概算額及び年間平均保険料の欄が不開示とされている。
 教職員福利厚生費調査票における長期給付平均掛金の欄における長期給付掛金の額(学校法人負担分)は平成13年10月分の額であって,学校法人のある時点における給与の水準を推測することは可能であるが,決算書の小科目レベルの数値として計上されているものではない。また,開示されている補助対象加入者数で,これを除することにより平均掛金を算出しており,年間平均掛金も,単に12月を乗じて算出した数値であって,補助金計算のために算出した数値であることから,これによって直ちに学校法人の経営戦略をうかがい知ることができるものと言うことはできず,不開示情報には該当しないため,これらの三つの欄の数値は開示するのが相当である。
 労災保険の平均掛金のうち労災保険平成13年度概算額については,学校法人の経営戦略やその裁量によって自由に計上されるものではなく,一定の率に従って算出される数値であり,これによって算出された年間平均保険料の欄の数値も同様であることから,これを公にしても当該法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがある不開示情報に該当しないため,これらの二つの欄の数値は開示するのが相当である。

コ  私立大学退職金財団掛金支出調査票
 私立大学退職金財団掛金支出調査票における平成13年10月分掛金,10月分平均掛金及び年間平均掛金の欄が不開示とされている。
 私立大学退職金財団加入者数及び平均掛金の欄において不開示とされた掛金の数値は平成13年10月分の金額であり,学校法人のある時点における職員の年齢構成をある程度は推測することは可能となるものであるが,決算書など計上される数値そのものではない。また,開示されている補助対象加入者数で,これを除することにより平均掛金を算出しており,年間平均掛金も,単に12月を乗じて算出した数値であって,補助金計算のために算出した数値であることから,これによって直ちに当該学校法人の経営戦略をうかがい知ることはできず,不開示情報には該当しないので,これらの三つの欄の数値は開示するのが相当である。

サ  研究旅費支出調査票
(略)


(3)  補助金交付の申請を受け,当該学校法人に交付する補助金の配分額の計算のために,諮問庁が作成した文書について

ア  費目別補助金配分額計算表
 費目別補助金配分額計算表における非常勤教員給与費の欄における員数(上下段),経常的経費,補助金基準額及び配点,職員給与費の欄における員数,単価(職員平均給与費),経常的経費,補助金基準額及び配点,学生経費の欄における員数並びに厚生補導経費の欄における員数,経常的経費,補助金基準額及び配点の欄が不開示とされている。
 非常勤教員給与費の欄における員数の記載のうち,下段の数値は,前記(2)ク 非常勤教員調査票における非常勤教員年間担当総時間数の学校計の時間数であり,開示するのが相当であると判断したところである。また,上段の員数の数値は,配分基準に定められた非常勤教員の依存率によって補助対象として算出し認定した数値であり,不開示情報には該当しないため,開示するのが相当である。
 なお,非常勤教員給与費の欄における経常的経費及び補助金基準額の数値は,この欄における員数の上段の数値に,既に開示されている単価を乗じて算出されることとなるため開示するのが相当である。また,この調査票における配点の数値は,後記ウの学校平均配点であることから,これによって直ちに学校法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものとは認められないため,開示するのが相当である。
 職員給与費の欄における員数は,補助対象となる専任職員数であり,既に諮問庁が大学等専任職員・個人票(総括表)において開示しているため,不開示とする理由は見当たらないので,開示するのが相当である。
 職員給与費の単価において不開示とされた部分は,当該学校法人職員の平均給与費を記載したものであり,学校法人における経営戦略をうかがい知ることができるものであるため,当該学校法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあることから,法5条2号イの不開示情報に該当するものと認められる。
 職員給与費の欄において,不開示とされた経常的経費及び補助金基準額については,既に開示されている配分基準上の上限単価である標準給与費を乗じることにより算出されるものであり,計算式についても開示されているため,不開示情報には該当しないため,開示するのが相当である。
 学生欄の学生経費欄における員数は,後記エのとおり,学生現員から補助対象として算出した人数であるため,開示すべきであり,この員数から算出されることとなる厚生補導費の欄における経常的経費及び補助金基準額についても開示するのが相当である。

イ  専任教員及び学生の経費に係る補助金配分額配点表
(略)


ウ  教員に係る補助金配分額計算表
 教員に係る補助金配分額計算表における学部ごとの教員の平均給与単価,研究旅費の欄における申請額及び配点(J)のうち学校全体に対応する配点が不開示とされている。
 学部ごとの教員の平均給与は,平均給与額の実数であり,学校法人における経営戦略を示すものであることから,公にすることにより,学校法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるため,法5条2号イの不開示情報に該当するものと認められる。
 また,研究旅費の欄における申請額は,前記(2)カにおける研究旅費の学部別内訳を記載したものであることから,前記(2)カのとおり不開示情報に該当するものである。
 これに対し,配点欄における学校全体に対応する配点は,配分計算上の調整係数となる学校全体としての学校平均配点であるが,既に開示されている部分の数値及び計算式によって算出が可能となるものであり,また学部ごとの配点がすべて開示されていることからも,不開示情報に該当するものとは認められないため,開示するのが相当である。

エ  学生に係る補助金配分額計算表
 学生に係る補助金配分額計算表における学生数の現員,対象学生数及び経常的経費が不開示とされている。
 学生に係る補助金配分額計算表における学生数の現員の数値は実数であり学部ごとの内訳である。また,対象学生数の学部ごとの内訳は,定員を限度に定員内の人数を補助対象とすることとなるが,内訳レベルでは学生数の実人員がそのまま記載されている。したがって,前記(2)オのとおり不開示情報に該当するものと認められる。
 これに対して,対象学生数の学校全体の合計は,配分基準に従って,各学部の実人数と定員から補助対象とする学生数を抽出し合計したものであることから,学生数の実人数の合計とは一致しないものである。経常費補助金の計算上,学生数の実数が不開示情報であるとしても,補助対象として算出し,計算上用いるために作られた数値であることから,不開示情報には該当せず,対象学生数の学校全体の合計については開示するのが相当である。
 また,経常的経費については,単価が開示されている学部ごとの内訳は,前記の学生現員数を推計することができるものであるため,同様に不開示情報に該当するが,学校計の合計欄の学生数に対応する経常的経費の欄の数値は,前記(3)ア費目別補助金配分額計算表において既に開示されているため,不開示情報には該当せず,開示するのが相当である。

(4)  補助金の交付を受けた学校法人が,実績報告のために作成し提出した文書について(ウに対応する文書)

ア  私立大学経常費補助金に係る事業の実績報告書及び事業報告書について
①  私立大学経常費補助金に係る事業の実績報告書及び事業報告書における補助事業に要した経費(総額)並びに補助事業に要した経費の区分ごとの金額が不開示とされている。
 私立大学経常費補助金に係る事業の実績報告書における補助事業に要した経費は,変更交付申請書に記載された金額と同じ考え方により算出され,決算額に対応するものである。したがって,合計金額及び補助事業に要する経費の区分ごとの金額は,前記(2)アと同様に,開示するのが相当である。

②  設備購入状況表
 実績報告書の添付書類である設備購入状況表において,購入価格1個又は1組当たり50万円以上500万円未満の設備の備品番号,品名,数量,支払金額,購入年月日及び支払年月日の各欄の記載が不開示とされている。
 これらの記載は,一般的な機器に関するものであり,いずれの項目についても,学校法人の競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるものとは認められない。したがって,設備購入状況表の記載については開示するのが相当である。

イ  決算書
(略)


ウ  予算書
(略)


3  異議申立人のその他の主張について
 異議申立人は,私立大学の学生数等の情報を公開することについて,種々の主張をしているが,当審査会の上記判断を左右するものではない。
 なお,文部科学省の「学校法人制度の改善方策について」及び総合規制改革会議第3次答申において,各私立大学の情報公開を促進する方策を進めることが提言されているところであり,これらの提言を踏まえ,今後,制度的な取組によって大学の情報公開が促進されるとともに,各私立大学がその判断によって,更なる情報公開を進めることが望ましいものであることは言うまでもない。

4  本件一部開示決定の妥当性
 以上のことから,本件対象文書につき,法5条1号及び同条2号イに該当するとして,一部を不開示とした決定について,不開示とされた部分のうち,諮問庁が同条1号及び2号イに該当するとして不開示とすべきとしている部分については,そのうち,別表に掲げる開示すべき部分については同条1号及び2号イのいずれにも該当せず開示すべきであるが,その余の部分については,法5条1号及び同条2号イに該当すると認められるので不開示とすることが妥当であると判断した。

第6  答申に関与した委員
 清水湛,饗庭孝典,小早川光郎


 別表
(略)


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