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情報公開審査会の答申などを集めて載せています。

情報公開・個人情報保護審査会 平成22年度(独情)答申第53号 附属中学校入学検査の科目ごとの得点…

2011年03月09日 | 事務・事業に関する情報
諮問庁:国立大学法人名古屋大学
諮問日:平成19年8月31日(平成19年(独情)諮問第94号)
答申日:平成23年3月9日(平成22年度(独情)答申第53号)
事件名:附属中学校入学検査の科目ごとの得点分布等の不開示決定に関する件

答  申  書


第1 審査会の結論
「名古屋大学教育学部附属中学校における入学検査の各科目ごとの得点分布と総得点の分布並びに入学ライン(’07,’06年度)」(以下「本件請求文書」という。)の開示請求につき,別紙の1に掲げる文書(以下,併せて「本件対象文書」という。)を特定し,その全部を不開示とした決定については,異議申立人が開示すべきとする部分のうち,諮問庁がなお不開示とすべきとしている部分については,別紙の2に掲げる部分を開示すべきである。

第2 異議申立人の主張の要旨
1 異議申立書
(1)異議申立ての趣旨
独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下「法」という。)3条の規定に基づく開示請求に対し,平成19年6月15日付け名大総第58号により国立大学法人名古屋大学(以下「名古屋大学」,「処分庁」又は「諮問庁」という。)が行った不開示決定(以下「原処分」という。)について,これを取り消し,本件対象文書の開示を求める。

(2)異議申立ての理由
異議申立人が主張する異議申立ての理由は,異議申立書の記載によると,次のとおりである。
この度の情報公開請求に対し,「不開示」という決定がされた。
その理由は,入学の選考は独自の「入学合否判定基準」により「総合的に判断」しており,「完全に合致する法人文書は存在しない」というものであった。また,一部資料について,「入学検査に係わる事務・事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」という理由であった。
入学選考を公平・公正に行うには,仮に「独自の入学合否判定基準」があったとしても,あらかじめその基準で配点し,その最終的な総合点により,上位者から選考を行っているはずであり,合致する法人文書がないということは考えられない。文書がないということは,場当たり的に,し意的な選考をしているということであろうか。
また,具体的にどのような形で文書が存在するかを,開示請求者は知り得る由もない。請求趣旨に沿う,文書内容を提示することが誠実な対応と考える。
今回の一部文書の「不開示」理由となっている法5条4号は,社会への不利益,行政実務への極端な負担が発生するおそれがある場合に適用する例外的な規定であり,今回の処分は明らかな拡大解釈である。今回請求した資料の配点ウエイトは,一般的に国公立中学・高等学校の入学試験の実施に当たり事前に公開されている事柄である。他の国公立中学・高等学校においては,「入学検査に係わる事務・事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」が発生しているであろうか。
学校の入学試験は,その学校が求める人材を表わすものであり,志願者にとって,各検査(今回の請求では学力検査,作文検査,内申書,面接)の配点ウエイトは,学校選択や受験準備において必要な情報である。ところが,名古屋大学教育学部附属中学校(以下「附属中学校」という。)においては,公開されていないだけでなく,何らかの配点方法により上位者から選抜することすら明らかにしていない。結果として,受験者の負担が増すと同時に,次のようなうわさが父兄はもちろん,小学校の教員や学習塾の進路指導からも公然のこととして語られている事実があり,小学生の父兄の間で不安や疑心暗鬼となっている。また,真偽も不確かな附属中学校向けの受験情報を提供する業者の存在することとなっている。

① 成績上位者から選ぶのではなく,上位・中位・下位から抽選で満遍なく選んでいる。したがって,学力は関係ない。
② 学力検査は足切りに使い,2~3倍程度とした後,作文と面接で選んでいる。
③ 同じ中学から,複数生徒を合格させない。
④ 兄弟が在籍する場合は合格させない。
⑤ 名古屋大学教授の子息は優先入学できる。

もちろん,附属学校という学校の目的から,学力検査のみに選抜が偏らないことは合理的で妥当性もあると考える。ただ,その選抜基準を明らかにすることは,定員の6倍にも及ぶ受験者や,その数倍も入学を検討している父兄の利益にかなうものである。基準が明らかになれば,受験者の判断は異なったものになるであろう。
この情報公開は,し意的な選抜方法が行われていないかのチェックを行い,父兄に入学検査に関する適正な情報を提供するという点から,法の趣旨に沿うものである。「入学検査に係わる事務・事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」などというのは,学校が公費によってまかなわれ,多くの小学生や父兄にも影響を及ぼす社会的な存在である,という視点が欠落した独りよがりの判断である。

2 意見書
(1)情報公開を求める趣旨
ア 附属中学校では,受験者の学校選択にとって必要な情報である学校の「選抜方法」,すなわち学校側が求める学生の資質を明らかにしていない。そのため,あらかじめ公開していれば防ぐことのできる,「適性のない=合格の可能性の少ない」受験生までも,受験する結果を招き,現在の高倍率に反映している。この現況は受験生や学校の合理的でない負担となっている。

イ また,情報を公開していないことで「各中学校で1人の合格」,「大学教授の合格枠の存在」,「成績は分布するよう上中下から選抜」のようなうわさが,名古屋市内の小学校の教職員・保護者に広く浸透している事実がある。このことは小学校内での保護者間の疑心暗鬼の状態を生み出し,情報公開の必要性を裏付けている。

ウ 附属中学校が「学力試験」だけでない選抜をすることに異論があるわけではなく,どのような選抜方法であれ,その観点と選抜基準が受験生に公開され,公平で公正な選抜を行うことが,社会全体にとっての利益である,という趣旨である。

(2)補充理由説明書に関して
ア 文書1-1ないし文書2-4の資料の一部公開に前向きなのは,前進ととらえている。
しかし,文書1-1及び文書1-2のうち,検査Ⅱの配点項目,配点項目の具体的内容,検査Ⅲの評価の観点の非公開については理解するものの,調査書の配点,配点項目及び配点項目別の配点についても,全面的に公開されるべきである。諮問庁は観点を公開することで,附属中学校の受験生本来の資質の把握が困難となるおそれがあると主張するが,それは「選抜する側の都合」を前面に出した理論である。以前,ある高校が受験の際に,「面接」検査でなく教科試験の際の服装を選抜基準にしていたことが明らかになり問題となったことがあった。生徒を普段の素の状態で検査をしたいがために受験者の合意を得ない場面や観点で選抜を行ったことで社会的批判を浴びたわけだが,諮問庁の主張はその高校の行動と同じと言える。調査書を作成した小学校も受験する学生も,調査書の個別観点により採点されるという認識は希薄である。面接や作文の個々の観点は学校側の裁量であったとしても,調査書の個別配点や選抜に与えるウエイトは,調査書を提出する小学校や受験生にあらかじめ公開されるべき情報であると考える。

イ 文書2-1ないし文書2-4の「相関図」については受験者番号を除き公開されるべきである。縦軸目盛りがウエイト付けであるとの誤解を招く可能性があるという主張であるが,文書1-1及び文書1-2の内容が正確に伝われば理解される事項である。「誤解される可能性」は拡大解釈できる文言であり,すべての事柄を非公開にする理由につながる。正確にすべて公開することで,誤解されずに正確に伝わるというのが情報公開の趣旨であると考える。例えば,愛知県の公立高校では,複合選抜制をとり,内申書(45点満点)を2倍し(学校により異なるが)当日の配点(100点満点)を1.5倍等各学校が事前に公表している加重を行い,合計点で上位から選抜しているが,ほぼすべての受験生や保護者は,試験結果をウエイト付けして合否判定を行っていると理解している。

ウ なお,開示を要望するのは「得点分布」と「入学ライン」である。この相関図の中で,合否ラインを示すボーダーの直線又は各プロットの合否結果が示されていなければならない。その相関図が,単なる得点の分布図であり,最終的な合否決定との厳密な相関がないのなら,最終的な合否を決めた資料を特定し公開すべきである。

エ 名古屋大学が,異議申立人の公開要求文書を特定するために面談を持ったのは,平成19年4月に開示請求をし,同年5月開示決定期間の延長,同年6月不開示決定,同年7月異議申立てをしてから2年後の同21年である。最初の開示請求時に確認すれば済んだことであり,いったい何を検討し開示決定期限を延長しながら,情報を不開示としたのか理解に苦しむ。極めて情報公開に後ろ向きで,学校外の声に対応しない姿勢が残念である。

第3 諮問庁の説明の要旨
(略)


第4 調査審議の経過
当審査会は,本件諮問事件について,以下のとおり,調査審議を行った。

① 平成19年8月31日  諮問の受理
② 同日           諮問庁から理由説明書を収受
③ 平成20年2月18日  本件対象文書の見分及び審議
④ 同年7月14日     審議
⑤ 平成21年5月18日  委員の交代に伴う所要の手続の実施,本件対象文書の見分及び審議
⑥ 平成22年9月13日  審議
⑦ 同年11月1日     審議
⑧ 同年12月20日    諮問庁の職員(名古屋大学文系事務部長ほか)から口頭説明を聴取及び審議
⑨ 平成23年1月26日  諮問庁から補充理由説明書を収受
⑩ 同年2月14日     異議申立人から意見書を収受
⑪ 同年3月7日      審議

第5 審査会の判断の理由
1 本件対象文書について
本件開示請求は,「名古屋大学教育学部附属中学校における入学検査の各科目ごとの得点分布と総得点の分布並びに入学ライン(’07,’06年度)」(本件請求文書)を求めるものである。
処分庁は,完全に合致する法人文書は存在せず,また,本件開示請求事項を一部含む法人文書は存在するが,これを公にすると,法5条4号に該当するとして,不開示決定(原処分)を行っている。
これに対して,異議申立人は,原処分の取消しを求めている。
諮問庁は,異議申立人との間で,対象文書の特定について確認作業を行い,その結果,本件対象文書として文書1-1ないし文書2-4を特定するとともに,法5条1号並びに4号柱書き及びハに該当する部分は不開示とし,その余の部分は開示する旨の補充理由説明を行っている。
異議申立人は,補充理由説明書に対する意見書において,受検者番号を除き開示すべきであると主張する。
したがって,以下,本件対象文書の見分結果及び諮問庁の職員からの口頭説明聴取結果を踏まえ,本件対象文書の不開示部分の不開示情報該当性について検討する。

2 不開示情報該当性について
(1)文書1-1及び文書1-2について
ア 附属中学校の入学検査について,当審査会事務局職員をして諮問庁に確認させたところ,諮問庁は,附属中学校の入学検査は,以下の検査Ⅰ,検査Ⅱ,検査Ⅲの結果と受検者の出身小学校からの調査書の審査結果を総合的に判断し合格者を決定していると説明する。

①  検査Ⅰは,9教科(国語,社会,算数,理科,生活,音楽,図画工作,家庭及び体育)及び「総合的な学習の時間」を含み,かつ教科横断的な内容の問題を使い,記述形式で行われる検査で,小学校で学習した内容の総合力を問うものである。

②  検査Ⅱは,課題と原稿用紙を提示し,作文形式で行われる検査で,思考力,表現力を問うものである。

③  検査Ⅲは,グループ面接等により行われる検査で,個性を見るものである。

また,諮問庁は,口頭説明において,附属中学校の入学検査の特色について,以下のとおり説明する。

①  附属中学校の入学検査は,学力のみを測定する学力検査とは異なり,附属中学校の特色ある教育目的に照らして,その特色に対応して発展できる可能性のある学習者・生活者としての生徒を選考するための検査である。

②  適性検査では,なぜそうなるのかという疑問を出発点に,答えだけでなく,その答えにいたる過程や,総合的に考え応用できる力,自分の考えをまとめて話すこと,書くことについて重視している。

③  受検者の表現力やコミュニケーション力など,人間的な能力や特性などの資質を見いだし,その総合的な評価によって合否判定を行っており,一般の学力検査において行われている検査結果と調査書の結果のウエイト付けによる選考は行っていない。

イ 本件対象文書を見分したところ,文書1-1及び文書1-2には,入学検査(検査Ⅰ,検査Ⅱ及び検査Ⅲ)及び調査書の点数化についての附属中学校独自の採点方法等が記載されており,このうち,検査Ⅱ,検査Ⅲ及び調査書のそれぞれの採点方法等の一部が不開示とされている。

ウ 検査Ⅱの不開示部分について
本件対象文書を見分したところ,当該不開示部分には,検査Ⅱの配点項目名,配点項目別の配点,配点項目の具体的内容,具体的な点数化の方法が記載されていることが認められる。
検査Ⅱの検査内容は,作文試験で思考力,表現力を問うものであることからすると,諮問庁が不開示を維持するとする配点項目の具体的内容は,通常,容易に想定し得る程度の内容にすぎず,また,配点項目の項目名も,配点項目の具体的内容を端的に表現したものであるか,あるいは,配点項目の項目名として,通常,容易に想定し得るものにすぎないと認められ,そうであるならば,これらを明らかにしたとしても,配点項目別の配点や具体的な点数化の方法が明らかにされない限り,受検者が講ずるとされる受験対策の内容は想像の域を出ないことから,それによって受検者が受験対策を講ずるなど,受検者本来の資質の把握が困難となり,入学検査事務の適正な実施に支障を及ぼすおそれが具体的にあるとまでは言えず,法5条4号柱書き及びハのいずれにも該当しないことから,開示すべきである。
一方,諮問庁がなお不開示を維持するとする配点項目別の配点,具体的な点数化の方法の部分については,これを明らかにすると,附属中学校の作文試験における独自の選考方法が明らかとなることから,それによって受検者が受験対策を講ずるなど,受検者本来の資質の把握が困難となり,入学検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められ,法5条4号柱書き及びハに該当し,不開示としたことは妥当である。

エ 検査Ⅲの不開示部分について
本件対象文書を見分したところ,当該不開示部分には,検査Ⅲの評価の観点とともに,具体的な点数化の方法が記載されていることが認められる。
検査Ⅲの検査内容は,面接による検査で,諮問庁が不開示を維持するとする評価の観点は,試検官が面接する際に受検者のどのような点をチェックするかという項目であり,通常,面接による検査であれば,容易に想定し得る程度の内容にすぎず,これらを明らかにしたとしても,受検者が講ずるとされる受験対策の内容は想像の域を出ないことから,入学検査事務の適正な実施に支障を及ぼすおそれが具体的にあるとまでは言えず,開示すべきである。
一方,諮問庁がなお不開示を維持するとする具体的な点数化の方法の部分については,これを明らかにすると,附属中学校の面接による検査における独自の選考方法が明らかとなることから,それによって受検者が受験対策を講ずるなど,受検者本来の資質の把握が困難となり,入学検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められ,法5条4号柱書き及びハに該当し,不開示としたことは妥当である。

オ 調査書の配点の不開示部分について
本件対象文書を見分したところ,当該不開示部分には,調査書の配点とともに,配点項目別の配点及び具体的な点数化の方法並びに調査書の記載内容をどのように点数化するかの例が詳細に記載されていることが認められる。
諮問庁がなお不開示を維持するとする調査書の配点,配点項目別の配点及び具体的な点数化の方法並びに点数化の例については,これを明らかにすると,附属中学校の調査書による独自の選考方法が明らかになることから,それによって受検者が受験対策を講ずるなど,受検者本来の資質の把握が困難となり,入学検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められ,法5条4号柱書き及びハに該当し,不開示としたことは妥当である。
しかしながら,配点項目の項目名については,募集要項にとじ込まれている調査書の様式から容易に推察することが可能であり,これを明らかにしても,配点項目別の配点及び具体的な点数化の方法並びに点数化の例が明らかにされない限り,受検者が講ずるとされる受験対策の内容は想像の域を出ないことから,それによって受検者が受験対策を講ずるなど,受検者本来の資質の把握が困難となり,入学検査事務の適正な実施に支障を及ぼすおそれが具体的にあるとまでは言えず,法5条4号柱書き及びハのいずれにも該当しないことから,開示すべきである。

(2)文書2-1ないし文書2-4について
ア 本件対象文書を見分したところ,文書2-1ないし文書2-4には,文書1-1及び文書1-2の基準に沿って,各受検者の入学検査結果及び調査書を点数化し,入学検査の点数を横軸,調査書の点数を縦軸に取った図に,受検者番号をプロットしたものであり,横軸の目盛り(検査の点数)は開示されているが,縦軸の目盛り(調査書の点数)及び受検者番号は,不開示とされている。
異議申立人は,補充理由説明書に対する意見書において,本件対象文書のうち,受検者番号を除き開示されるべきである旨主張していることから,受検者番号を除き,不開示とされている縦軸の目盛りの不開示情報該当性について検討する。
諮問庁は,口頭説明において,附属中学校の入学検査における合否判定は,非常に複雑な過程を経て合格者を選考しており,入学検査の結果と調査書の結果との間にウエイト付けするなどの結果に基づき合否判定を行っていないと説明する。
諮問庁が説明するように,縦軸の目盛りが公になると,調査書の配点が推察され,既に開示されている検査の配点とを突き合わせることにより,調査書と検査のウエイト付けがされているかのような誤った認識を受検者に与えてしまうおそれがあると認められ,その誤った理解に基づいた受験対策が取られることにより,受検者本来の資質の把握が困難となるおそれがあり,入学検査事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められ,法5条4号柱書き及びハに該当するので,不開示としたことは妥当である。

3 異議申立人の主張について
(1)異議申立人は,補充理由説明書に対する意見書において,この相関図には,合否ラインを示すボーダーの直線又は各プロットの合否結果が示されていなければならず,これらの記載のない相関図は,単なる得点の分布図であり,最終的な合否決定との厳密な相関がないのなら,最終的な合否を決めた資料を特定し公開すべきであると主張する。
これについて,諮問庁は,口頭説明において,合否の決定については,文書2-1ないし文書2-4に基づき選考委員会の委員が,合否判定基準(本件対象文書)に示されている分布表の例示に沿って,個々の受検者について合否を審議し,選考するという方法をとっているため,合否ラインを示すボーダーの直線等が示されている相関図は作成していないと説明する。
諮問庁の採用する選考方法からすれば,合否ラインを示すボーダーの直線等が示されている相関図は作成していないとする諮問庁の説明に,特段不自然,不合理な点は認められず,異議申立人の主張は採用できない。

(2)異議申立人は,その他種々主張するが,いずれも当審査会の上記判断を左右するものではない。

4 本件不開示決定の妥当性について
以上のことから,本件請求文書の開示請求につき,本件対象文書を特定し,その全部を法5条4号に該当するとして不開示とした決定について,異議申立人が開示すべきとする部分のうち,諮問庁が,同4号柱書き及びハに該当するとしてなお不開示とすべきとしている部分については,別紙の2に掲げる部分については,同条4号柱書き及びハに該当しないと認められるので,開示すべきであるが,その余の部分については,同条4号柱書き及びハに該当すると認められるので,不開示としたことは妥当であると判断した。

(第5部会)
委員 戸澤和彦,委員 久保茂樹,委員 新美育文

別紙
1 本件対象文書
文書1-1 平成18年度入試合否判定基準
文書1-2 平成19年度入試合否判定基準
文書2-1 平成18年度中学入学検査 男子相関図
文書2-2 平成18年度中学入学検査 女子相関図
文書2-3 平成19年度中学入学検査 男子相関図
文書2-4 平成19年度中学入学検査 女子相関図

2 開示すべき部分
文書名開示すべき部分
文書1-1① 6行目頭から5文字目まで
② 7行目頭から末尾まで
③ 9行目頭から7文字目まで
④ 10行目頭から末尾まで
⑤ 12行目頭から5文字目まで
⑥ 15行目頭から末尾まで
⑦ 19行目頭から5文字目まで
⑧ 20行目頭から4文字目まで
⑨ 21行目頭から4文字目まで
⑩ 22行目頭から7文字目まで
⑪ 23行目頭から13文字目まで
文書1-2① 5行目頭から5文字目まで
② 6行目頭から7行目末尾まで
③ 9行目頭から4文字目まで
④ 10行目頭から11行目末尾まで
⑤ 14行目頭から末尾まで
⑥ 18行目頭から5文字目まで
⑦ 19行目頭から4文字目まで
⑧ 20行目頭から4文字目まで
⑨ 21行目頭から7文字目まで
⑩ 23行目頭から13文字目まで