たくさん悪い奴がいたから
その中から悪い奴を取り仕切る鬼が出てきた。
鬼はカオスにある程度のルールをあたえた。
鬼のおかげで悪い奴が減っていった。
しかし平和になっていけば
鬼は無用の存在になった。
ある日一寸法師だの桃太郎と名乗る
若者に鬼はやられた。
鬼は替わりに地蔵を置いていった。
子供の行く末を見守るために…。
鬼は悪もんでもなんでもなかった。
でもそんなことは人間さまにはわからない。
そう見えるものを鬼と呼び
そう見えるものを神と讃える。
どちらの顔も同じものの
別の顔であることに気がつかない。
だから怯える。
自分の中にも鬼と神がいる。
そんなことにも気がつかない。
地蔵は慈愛を示し人を導く道祖神。
地蔵は人が地獄に落ちるのを防ぐ阿弥陀如来。
そんな地蔵を残し鬼は町をあとにした。
平和が町に訪れたが
いつ悪い奴がまた現れるのかはわからない。
また鬼が必要になるかもしれない。
願わくば鬼の言葉を魂に刻み
平和な世を続けて欲しいものだ。
「己自身に聞け
己の鏡に映る世界は
己の表れ
己自身を知れ
変えるならまず己から」
周りを見渡して変わった風景もなく
テレビの中で戦争が起きている。
ボクは相変わらず不安や不満を抱えている。
どこが違うのだろう。
ボクの不平や不満や不安がなくなれば
もしかしたら戦争も終わるかもしれない。