どんづまり

一日一写を掲げた写真も

ぜんぜん撮らんようになった

なにを写真にしたらええんか

わからんようになった

障碍者スポーツの写真を撮ろうと

したときもあった

もう何年前のことやろう

今ではその分野の専門家がひとりおるらしい

おいらのほうが先やったのになぁ

スポンサーがおらんねん

恵まれた環境やったのにな

ケッ

いまは

なにを写真にしたらええんかわからん

わからんから撮れん

東日本震災からずっと悶々と

なにを撮ったらええんやって

わからんまんまや

絵も最近はあまり描かん

なにを描いたらええんか

わからんようになった

絵も写真もなにをしたらええんかが

わからんようになった

誰かのために何かするみたいな

そんなことはもうどうでもええんかもしれん

なにをどうしたらええんかがわからんねん

スポンサーもなんもおらんねんから

誰かのために何かする必要はないねん

マネタイズがでけへんねんから

誰かの何かのためにやらんでええねん

でもなにをどうしたらええんか

わからんようになった

わからんすぎて

なんもでけへん

かっこつけた文章かいても

なんも意味を見つけられへん

正直に曝してどうするのってとこもある

けどこれがおいらやからなぁ

写真も絵もアカン

文章もぜんぜん

なにをどうしたらええんだか

わからん

そういう思いがズンズンたまって

爆発しそうな感じになっている

手段はあるねん

でも目的や目標が見えへんねん

夢ってもんが見られへんねん

哀しいなぁ

爆発しそうや

ボケ～！

奪われた笑顔

病はいつしか私から笑顔を奪った

そして気がついたときには

私のまわりから笑顔を奪っていた

どうしようかと悩み

みずから道化になろうとした

しかし虚しく空回りをして

馬鹿のようになっていた

笑顔を奪われた家族と

何とか結びつこうとした

しかしハリネズミのジレンマのように

近づけば近づくほどに

チクチクと愚痴をはいていた

いちばん身近な家族に対して

私は口撃を向けていた

私はいったいどうすればよいのか

わからなくなっていた

笑顔を奪った病とはなんだ

何度か入院して家族とはなれて

暮らすようになっていた

家族とはなれて暮らす距離感は

なんとなくハリネズミのジレンマで

苦しんでいた距離感を

埋めたような気がした

お互いに年を重ねたからだろうか

口撃もしなくなった

私は結婚して家族ができた

これから私たちはどこに向かうのだろう

新しい家族には笑顔がある

これから私たちはどこに向かうのだろう

家族には笑顔がいる

素直に笑える笑顔がいる

これから私たちはどこに向かうのだろう

笑顔を取り戻すために

どこに向かうのだろう

苦労をかけたね

ありがとう

まだ病気はわからないけど

ほんとうにありがとう

笑顔がかえってくるといいな

むかしみたいに

そこからきた

その地点からもうまえにむいて歩きたかった

だから振り払うように忘れようとした

忘れようと何度しても

その地点の現実は

いつまでたっても記憶から

消えることはなかった

忘れたい現実は心に刻まれ

忘れられない現実になっていた

それでもどうしてもまえを向き歩きたかった

やがて過去の現実をかさぶたのようになるまで

大事にあたためることにした

過去の現実はかえることはできない

しかし過去への思いをかえることはできる

痛々しいだけの現実ではない

そこで得たものと失ったものがある

計り知れない痛さのなかで

過去への思いを変えようとした

確かに私は失った

しかし私はこの命は失っていない

たしかに得たこの思いは

痛々しく苦しいものかもしれないが

何かを語り継がなければならない使命なのかもしれない

過去の時点を忘れようにも

私には刻まれている

無理に忘れようとすればするほどに痛い

これは戦争を死の直前になって語った老人たちと同じ

語り継がなければならない現実なのだろう

失ったものとそれからの私

気持ちの整理をしていきながら

過去の整理をしていきながら

伝えるべきものを考える

時は無常になかったかのようにすぎていく

しかし確かにある私は心に刻んだまま

まえにむいて進めずにいた

歩くべきなんだろう

忘れなくてもいいんだろう

また忘れてもいいんだろう

大切だった人を

大切だったことを

大切だったものを

そしてまた歩くのだろう

いっぽの重みが昔と変わった現実で

また歩けばいいのだろう

時がくるまで

時がくるまでゆっくりやすめばいい

何もせかさないし攻めてきたりはしない

あなたがあなたのままであるように

誰もあなたを攻めたりはしない

やすみなさい

ゆっくりやすみなさい

また時がくるまでやすみなさい

あせって何かをする必要もない

誰もせかしてきたりしない

どうどうとやすみなさい

あなたをどうこうしようなんて

だれもおもわないでしょう

あなたはあなたのままでいいのです

やすみなさい

ゆっくりやすみなさい

平穏を感じて静かにやすみなさい

いずれこころの平和が訪れるまで

チェンジ

すべてのことがあの日変わった

あの日を境に変わったのだ

何もない日だった

いつものようにゆっくりと朝起きて

いつものようにコーヒーを飲み

ボ～ッとしていた

町の声が５０年に

1度のチャンスだといっていた

おいらは今世紀最大のチャンスだといった

何のことなのか実際わからなかった

いつもと変わらない普通の日だった

おいらはわけがわからず宝くじを買った

末等でもいいから当たれといったら

5等が当たった

おいらはこれは柳の下にドジョウというやつが

起きるのではないかと思った

最高額が出るまであたるのではと思った

すべては思い込みから始まっていた

完全な思い込みが奇跡を生んだ

おいらは奇跡の中にいた

どうしてだろう

おいらにこんなことがあるのか

宝くじは最高額が当たった

そしておいらは奇跡を知った

何も変わらない日だった

ただチャンスだといい

思い込みがわいてきて

宝くじを買った

それだけだった









ってことあったらいいのになぁ

まやかし

インターネットやテレビやラジオやゲームを

いったんやめてごらん

それらは君を惑わしているまやかし

君のまわりにいったいなにがある

君とまわりとの関係は

まやかしにどれほどの時間を費やしている

現実として君はそこにいる

そしてそれらのものがなかった場合

自ら時間を費やしているだろうか

まやかしに時間を奪われていないかい

自らの意思で時間を費やしているかい

時は公平にすぎていくよ

自らの意思で楽しんでいるかい

まやかしに楽しませてもらっているかい

踊っているか踊らされているかさ

君の時間は限られていて

その時間をどう過ごすかさ