ハッキング

何の魔術なのだろう

同じ釜の飯を食った

仲間が何かの加減で

能力が入れ替わる

それを同位核転移と呼ぶが

その魔術が行われる

魔術をされたものは

気がつかなければ

能力を奪われる



なぜだろう

俺にあった能力がなくなり

身近な誰かがそのちからをもつ

おいらには不思議でならなかった

急激に能力を失う自分と

なぜか何もできなかった友がちからを得る

妄想だろうか現実だろうか？

何か魔術でもやっているんだろうか？



誕生日の今日

酒を飲みながら神と契約した

俺の能力を奪ったものから

その能力を返還してもらう

そして相応の報いを受けること

報いを受けたくなければ

相応の恩恵を与えること

神との契約は成立した

ウィスキーを飲んで杯を交わした

いくつかのイメージが頭に浮かんだ

イメージの重要性が身にしみてわかった

何人かの人間が頭によぎり

イメージとともに消えた

彼らが同位核転移をしていたのだろう



夢の中で目の開かないおいらが

景色の見える世界で

行動している

寝ているからまぶたは開かない

でも夢だから見えるわけだ

そしてまぶたの開かないおいらが

夢の世界で

見えないのに行動している

まぶたは開かないが見えるという夢の世界

そこで自由に行動しているのだ

見ていなくて見えているという夢

おいらの経験上

イメージをまぶたの裏に投影して

そしてそのイメージに何をしているかを

尋ねるとこたえが返ってくる

そして

往々にしてその通りらしいのだ

超能力でなく

誰もが持っている能力

動物との会話は

このイメージが大事なのかもしれない



イメージと現実とのコンマ何秒かの差

現実と認識までの差もコンマ何秒かだ

そのコンマ何秒かの使い方しだいで

イメージの実現に違いが出てくる



今日は誕生日

神と契約を交わした日

それがどんな神なのかは知らない

圧倒的なちからを持っている存在なのか

ごく微小な示唆を与えることで

未来を変える存在なのか

そんなことはわからない