付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「モリウサギ」 高村渚

2020-02-01 | ミステリー・推理小説
「仲間で定めた仲間のルールは守る。たとえ神が異論を唱えても」
 小説『ヴァルナシア旅行団』の台詞。

 これと定めたご主人様の望むままに、どんな獲物でも狩ってくる猟犬「守護獣」を獲たものは世界を征す……そんな都市伝説のような話が政財界や官僚の世界の一部では噂されているらしい。
 少なくとも、警察出身の政治家や公安委員長が絡む事件の捜査で陥れられ、左遷や免職どころか悪くすれば犯人にされていたかもしれない刑事が、一転して殉職もしなのに二階級特進するくらいには信憑性がある話として信じられているらしい。
 それは書店に並んだライトノベル『ヴァルナシア旅行団』のサイン本の前から始まった……。

 「コミケ土産です」と置いていかれた袋の中には、文庫サイズの小説が4冊。3話、4話、最終話……で、2話は?と訊いたら、1巻が1話2話同時収録です……って分かりにくい。
 軽く読めて面白かったので最後まで一気読み。巨悪に蟷螂の斧で挑もうとして追い落とされそうになっていた平刑事のもとに、名古屋からわざわざ転校してまで押しかけてきた見ず知らずの女子高生は、魔法のような情報収集から神業のような射撃までこなすスーパーレディでした。ただ、刑事と少女の共通点は1冊の本を愛していたというそれだけの話……というアクション主体の刑事ドラマ。
 面白かったけれど、それだけに守護獣の正体はあやふやなままにしておいた方が良かった気がします。

【モリウサギ】【高村渚】【藍乃屋】【押しかけ嫁】【連続少女誘拐事件】【殺人事件】
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「風柳荘のアン」 ルーシー... | トップ | 「転生前は男だったので逆ハ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ミステリー・推理小説」カテゴリの最新記事