付け焼き刃の覚え書き

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「夕ばえ作戦」 光瀬龍

2024-08-05 | 時間SF・次元・平行宇宙
 中学生の砂塚茂が古道具屋で手に入れた円筒形の不思議な機械はタイムマシンだった。茂が行き着いたのは江戸時代の武蔵国は荏原郡。そこで代官と幕府に反抗する忍びの一族「風魔」との争いに巻き込まれてしまう。
 タイムマシンで現代と行き来できる茂は、友人たちの協力を得てなんとかしようとするのだが……。

 1964年に『中一時代』で連載され、67年に盛光社のジュニアSFシリーズから書籍化。72年頃に鶴書房のSFベストセラーズとして復刊。74年にNHKでテレビドラマ化。83年には角川文庫、99年にハルキ文庫で復刊。2008年にはコミカライズと極めて息の長いジュブナイルSFです。ただ、物語的にはビターエンドですね。
 バロウズだと火星の重力は地球より弱いので相対的に地球人は力持ちになるという理屈でしたが、この話では江戸時代の人間は現代人よりも栄養状態が悪いので、しっかり食べて科学的トレーニングを積んだ中学生の方が忍者より強いというものでした。しかも携帯型タイムマシンで気軽に行き来できるので、危なくなったら現代に戻って場所を移動してまた戻るという裏技が有効でした。風魔の姫、風祭陽子は男勝りな美少女で、良いヒロインでしたよ。
 手元にあるのはSFベストセラーズ版。どこにも発行年月日の書かれた奥付がないので出版年は不明。国会図書館でも分かりません。ただ、SFベストセラーズが72年に刊行開始したシリーズでその第2巻なのでおおよそそのあたり。

【夕ばえ作戦】【光瀬龍】【】【鶴書房SFベストセラーズ】【現代人無双】
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