付け焼き刃の覚え書き

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「アレクシア女史、欧羅巴で騎士団と遭う」 ゲイル・キャリガー

2012-01-07 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「運命というものはない。人狼がいるだけだ。そして偶然というものはない。吸血鬼がいるだけだ。それ以外のことはすべて自由な解釈にゆだねられている」
 執事フルーテの記憶するタラボッティの言葉。

 マコン卿と幸福な結婚をしたアレクシアだったが、彼女が懐妊した途端、状況は一変した。 人狼であるマコン卿と反異界族であるアレクシアの間に、子供ができるわけがない!というのだ。
 城を追い出され、実家にも居場所の無くなったアレクシアは、男装の発明家であるジュヌビエーヴ・ルフォーを誘って欧州への旅に出た。
 だが、なぜか身重の伯爵夫人を命を狙って吸血鬼たちの襲撃が始まり、やっとの思いでたどり着いたイタリアにはテンプル騎士団が待ち受けていたのだ……。

 007の秘密兵器みたいに幾つもの武器が仕込まれたパラソルを手にした伯爵夫人の冒険譚。あと、アイヴィ・ヒッセルペニもバカのようでバカでないところを見せていますが、果たして帽子店はいかなることになっているのやら。
 そうか、ブルマーの発明は19世紀末か。それなら、はいていてもおかしくはないか……とかあれこれ。

「自分の心配をして何が楽しいの? 他人の心配のほうが何倍も楽しいわ」
 アレクシア・マコンの言葉。

 ゼンマイ式のテントウムシの群に襲撃され、連発式ライフル銃が火を吹いて、オーニソプターが空を舞い、騎士団と吸血鬼がガチでぶつかり合う冒険活劇。脳内イメージはすっかり、カリオストロの城。秘密兵器のパラソルを打撃兵器として振りまわしている、身重の伯爵夫人は峰不二子という配役で。映画化するならルーカスフィルムかなあ。
 スチームパンク活劇で、パラノーマル・ロマンスで、とにかく先が楽しみなシリーズです。

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