「モブ同然の悪役令嬢に転生したので男装して主人公に攻略されることにしました」 岡崎マサムネ

「今日び、どこの騎士も壁くらい登れますよ」
　エリザベスにとって王城に潜入して壁を昇るくらいは当たり前のこと。３階くらいまでは何も使わず上り下りできるものなのだ。

　公爵令嬢エリザベス・バートンは、ある日突然前世の記憶を取り戻し、自分が乙女ゲーム「Royal LOVERS」のモブ同然の悪役令嬢に生まれ変わっていることに気がついた。10年もしたら学園に入学してゲームがスタートする。あまり愉快ではない未来に思いをはせたエリザベスははたと気がついた。悪役令嬢が破滅するなら、攻略対象になればいいじゃない！
　かくしてエリザベスは、主人公であるヒロインに惚れられ、かつ友人エンドで終わらせるべく、自分磨きの日々を開始した。男装し、心身を鍛練して剣の修行に励み、身長を伸ばすべく食生活を工夫し……そして、剣の腕は騎士団の指導者級、女の子たちにキャーキャー言われる、ナンパなクズ野郎が誕生していた……。

　悪役令嬢もの強化週間。悪役令嬢で検索かけて片っ端から目を通していくと、いろいろありますね。文章が読みにくいものや設定の穴が気になるものを外し、主人公の性格や言動が気になるものもやめて、数が多いので中断したまま長期間放置のものもやめておきましょう。そうすると、剣と魔法のファンタジーから現代まで、王道のものからひねったものまでいろいろ見つかります。まだ日本の時代劇で面白い悪役令嬢ものは見つかってません。ありそうなんだけどなー。
　この作品はそんな中でも脳キン系。破滅ルート回避していくうちに手段と目的を取り違えるようになっていきます。こういうのも百合というのでしょうか？

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