「瑠璃色にボケた日常」 伊達康

「死んだ聖人君子より、生きている悪人罪人の方がまだ偉いんだ」
　死人はこの世界に何の影響も与えはしないのだと有働瑠璃。

　中学時代には野球で名投手として一世風靡したものの、交通事故で野球のできない身体になってしまい、高校生になった今はガラの悪い不良としか周囲に認識されなくなってしまった紺野孝巳。彼には人には言えない悩みがあった。
　野球部時代のチームメートの幽霊に取り憑かれていたのだ。
　噂で霊能力者の少女について知り、思いあまって彼女のいる「おはらゐけんきゅうかい」を訪ねた紺野だが、実はそこは「お祓い」ではなく「お笑い」の研究会だった……。

「攻撃は最大の防御、攻めは最大の受け」

　挫折した野球少年が無理矢理に漫才のコンビを組まされるはめになり……と、どこかで聞いたようなボケとツッコミのお笑い求道ものと、霊能バトルっぽい異能ものを足して割ったら、すてきな話になりました。「霊能者」と「お笑い」がきちんと等価でストーリーを構築してます。カントクっぽいイラストも問題なく、はまってます。主要キャラを３人に絞っているのが良いのかな。
　鴫原翠さんが良い感じにボケ開眼してますね。

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