頼子百万里走単騎 "Riding Alone for Millions of Miles"

環境学者・地理学者 Jimmy Laai Jeun Ming(本名:一ノ瀬俊明)のエッセイ

2015年3月上海(海外学術動向調査)

2019-04-13 01:58:00 | 旅行

18日
 19日もしくは20日に予定されていた上海・華東師範大学での講義が急遽、この日の午後にセット(こういうマネージメントは信じられない)されたので、あわただしいスケジュールになってしまったが、予定の便に乗るべくW先生の車で大連周水子空港へ。しかし、飛行機は正午まで飛ばないという。結果、講義は19日午後に延期となった。この時期、海岸沿いの天候は一般に悪く、フライトの情況は非常に不安定である。空港のカフェで数時間W先生と学術的な議論。非常に実りの多い時間となった。
 いつものように上海浦東空港に到着し、リニアから地下鉄に乗り継ぐ。今回は7号線が便利だ。上海体育場駅から5分ほど歩くような場所のホテルのはずが、駅の出口がホテルの正面のデパートに直結していて、あっという間にホテルに到着。便利だ。次回もここにしよう。相変わらず夕方のタクシーは非常に少ない。
 よく見るサウナの外に公安の車両が停まっていて、サウナの正門のシャッターが下りている。非常階段から出てくる客が数名。なるほど、「下面有対策」。ホテルの部屋にもピンクちらしが数枚。夜、突然の大雨。古北の日本人街にあるパブへ2年ぶりに寄ってみる。

19日
 午前中、地下鉄3本を乗り継ぎ、郊外のキャンパスへ向かう。最寄駅からはタクシー。2年前は白タク(しかし安い)しか走っていなかった。
 午前中は生科院の若手の先生2名を訪ねる。2008年以来交流のあるC講師と名大の教え子の一人であるH副教授。早めのお昼で各種の裏話(研究不正など)を伺うことができた。
 午後は地理院気象学系の修士学生へ90分の講義。当方の最新の研究成果と、関連分野における大所高所からの国際的な研究意義を語る。
 夜はこちらでのボスS教授らと上海料理へ。

20日
 ホテルの朝食がないので、前夜に新疆レストランで晩酌し、ナンを1枚余計に注文して持ち帰っておいた。午前中こもってあれこれ作業したのち、お昼に過橋米線を食べてから、上海での定点観測ポイントを巡回する。新疆路、蒙古路、天目路付近には、有名な中国初のアダルトビルがあり、その足元に、スクラップされそうでなかなかされない落后した一帯が取り残されていたが、ついに再開発の手が入ったようで、半分ほどが更地になっていた。

No chance to visit in the recent three years. Is this inner-city (Xinjiang Road and Menggu Road) still alive? The first adult-shop building was in the vicinity.

 このような城中村と呼ばれるところは、古北日本人街に近い呉中路などにもそのまま残っている。携帯の会社なども小さな支店を設けているが、話されている言葉は上海語でも普通話でもない。その地域からの民工が住んでいるのだろう。「村」の入り口に派出所があって、外来者は登録せよ、と書いてあるが、形だけのようだ。「村」の中は別世界。昔の中国の地方都市の長屋そのままだ。
 星遊城(上海体育場駅ビル直上)の新疆料理タハルで夕食。順番待ちの間も遊びにいけるよう、携帯に呼び出しを設定できるので利用してみた。同じビルに、便所主題餐庁(カレー屋)というチェーン店ができていた。器もテーブルやいすもトイレをイメージしたつくり。そこでカレーを食べさせるとは。客は少なかった。勇気のある人は試してみて欲しい。

 テレビで黎明(レオン・ライ)主演の映画「梅蘭芳」を見た。田中少佐との交流場面など、日本人の描き方には公平さを感じさせる。

21日
 上海最終日はとても暖かく、牛皮コートは完全に不要だった。
 2011年11月に大連で購入したアンドロイド携帯(モトローラ:当時2700元)がここ半年で急に時代遅れになり、昨秋のドイツではあまり気にならなかったが、2月のタイで異常に気がついた。最近のSNSの進化は目覚ましく、動きがどんどん遅くなってしまい不都合を感じるようになったのだ。次回の訪中は6月なので、その折に次のを購入しなければならない。近くの著名大型量販店を何件か回って資料を集めたり、店員への聞き取りを実施した結果、サムソン、アイフォンであれば当たり外れはなく、前回並みの値段(35000円程度)で購入すれば、確実にグレードアップが見込めるようだ。

 大型デパートの前に唐服のモデルさんが2名、キャンペーンのお仕事中。前日に気になったモンゴル料理店で遅い昼食。屋上にはゲル式個室もあり、予約すれば羊の丸焼き(3万円程度)も堪能できる。

 浦東空港でチェックイン前に物乞いの女子学生に遭遇。2007年夏に南京東路でも遭遇したが、この時の女のコは農民の娘が着の身着のまま上京してきてしまったという感じだった。今回の彼女はどうみてもそこらにいる普通のかわいらしい女子大生だ。しかしセリフ、ストーリーはまったく一緒(安徽人)だった。前回は食事など、200元ほど投資してインタビュー(新浪博客に掲載:http://blog.sina.com.cn/s/blog_6a4d3cb00101ej88.html)させてもらったが、残念ながら今回は時間がない。多分詐欺だとは思うけどこのまま帰してしまうのも惜しい。財布をなくして困っているというので20元だけ渡し、空港ビルのコンビニでパンでもかじりなさいと言ってやった。詐欺じゃなければお礼くらいするかと思い、名刺も渡しておいた。20元なら詐欺じゃなかったとしてもパンをかじって地下鉄で市内へ戻るのがギリギリという金額だ。
 この話を微博にアップすると、小生のフォロワー達は大盛り上がり。「先生、騙されましたよ。」「安徽人は詐欺師(案汇人)ばっかりだ、最低。いや、河南人のほうが悪質だ。」 地域間の対立感情は大変興味深いので、そのうちいただいたご意見をまとめてみたいと思う。中国人は人がいいらしく、乞食は効率も悪く疲れるが、稼ぎとしては悪くない商売だという。街中や鉄道駅からついに空港へ進出してきたのか、という分析もあった。夕方の便なので、つくばへの帰宅は深夜になってしまった。

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2 コメント

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Unknown (本人)
2019-05-08 14:57:40
薄化粧にピアスしていたので、「君は貧乏人じゃないね。」と、ストレートに聞いたら、このピアス10元です、とおっしゃる。
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Unknown (本人)
2019-08-01 01:38:06
これ以降まる4年上海に宿泊していない。もう別世界になってしまったのだろうか。
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