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黄昏叔父さんの独り言

 アマチュア無線と何でも有りのブログ

 アマチュア無線今昔

2014年11月06日 | アマチュア無線


 
 
 私がアマチュア局を開局した1966年頃はトランシーバと言う概念は有ったが一般的な物では無く送信機と受信機が分離していて送信周波数も水晶を使用したスポットかVFOを使用していた。嘘か本当かは解らないが現在のケンウッドがトリオと言われて居た頃の語源は送信機、受信機、VFOの組合せのトリオから来ていると聞いて居る。更に其の昔は春日無線と言われて居た事を知っている人は少ないだろう。

 

 当時の其々の機器は図体も大きく重いし何より13.8Vで働くメーカー製の無線機器など見た事が無かった。ただタクシー無線機等は振動タイプのインバター電源回路を搭載して活躍していたが後ろのトランクに鎮座していて現在の固定機並みの大きさが有った。無線の世界でトランシーブの言葉が一般的に使われ始めたのは電波形式がSSBに変わってからで送信機と受信機の周波数構成が同じに成り送信機と受信機が独立していても其々をVFOを使用して運用出来る様になった。平たく言えば現在では当たり前の受信して居る周波数と送信周波数が自動的に同一周波数になる事である。やがてメーカーは送受関係の同じ周波数構成部分を共用化してコストダウンしたトランシーバー成る物が世に出て現在の無線機の主流と成った。此の事と半導体の発達で無線機の低電圧駆動や小型化と省電力化は急速に進み昔では考えられ無かったHF帯に於ける移動運用が可能になった。


 まずアマチュア無線に於ける移動運用はU,VHF帯から始まりマイカー時代の到来で小型の無線機と小型のアンテナを乗用車に取り付けると通信距離は短いながら簡単にアマチュア無線が楽しめる為にアマチュア局数は加速度的に増え始めアマチュア無線界の黄金期を迎えた。この時代に免許取得のシステムとして講習会制度が出来た事も見逃す事は出来ない。其れまでは年2回の国試を受けなければ成らなかったし初級でも合格率は40%前後であった。其の後に講習会制度が出来た事に寄って講習に詰めて出席する努力と費用負担さえすれば大半の人がアマチュア無線の免許証を手に入れる事が出来たし特に後半はハムショップと連帯での講習会が多かったので開局申請から無線機器の調達まで一元化されアマチュア無線局の開局が楽に成った。


 此の頃の移動運用と言えば大半の局は車に乗っている時に無線をする事で現在のHF帯での移動運用とは少し意味合いが違うが諸事情に寄って自宅でアマチュア局を開局したくても出来なかった方には朗報と成ったに違いない。やがて携帯電話の普及に寄ってU,VHF帯の情況はガラリと変わってしまった。元々バンド特性として限られた通信範囲の為に比較的限られた方との通信が多かったので本来の不特定多数の局と交信を楽しむタイプの人以外は此の世界を卒業して行った。アマチュア無線には秘話装置が無いので個人的な話をしたい人には携帯電話が向いているし携帯電話の各種通信サービスが此の事に更なる拍車をかけた。


 そして現在はアマチュア局数は加速度的に減少を続けている。此れは何も日本だけの現象では無く世界共通の現象であり要因は様々だろうが矢張り携帯電話とパソコンンの普及が大きい。しかも其れ等は本来アマチュア無線の世界が取り込んでいた若い層を取り込んで居る事である。私が若い頃は勿論パソコンも携帯電話も無かった。家庭電話も各家庭に有る時代では無かった其の時代に小型の無線機を使用して自宅で日本国内はおろか時には海外と無線で交信出来る事は多感な高校生を夢中にさせるに十分な魅力に溢れていた。

 

 多分今の若い世代がインターネットを通じて知り得る情報や世界感はこれ等と近い物だろう。事実、私の様な年寄りでもインターネットはアマチュア無線や日常生活に欠かせない物と成って一日中常時接続状態にあり今と成っては無くては成らないアイテムと言える。多分私が今の時代に高校生であればアマチュア無線よりも寄りパソコンやインターネットの世界に魅力を感じ夢中に成っていたに違いない。


 人には「巡り逢わせ」と言う物が有る。私達の世代(此の歳に成って無線に夢中な世代)は幸か不幸か前記の様な時代に生まれ車、電話、パソコン、テレビや便利な家電商品等、何も無い時代に生まれ成人していく過程で全ての物を手に入れ其の発展していく情況を目にし利用しながら体験し来た。私の場合はアマチュア無線との出会いも然り、調度良い時代に出会えたと思っている。ある程度、自作が必要なA3の最後の世代としてアマチュア無線局を開局し海外の無線雑誌を見ながら憧れたコリンズの無線機や大型のビームアンテナの写真を見ながら『こんな設備で運用出来る日が将来に来るのだろうか?』と溜息をつきながら半信半疑で設備拡張を追い求めた日々・・・・・・

 

 時代は変わり今や世界最高水準の無線機は日本製でアマチュア局が50~100万円の無線機を使い7MHz帯等の大型ビームアンテナを駆使してアマチュア無線が楽しめる時代が来る事を夢見る事は有っても実現出来るとは思わなかった。またアマチュア無線の栄枯衰退を実感する中で運用形態も随分様変わりして今やHF帯は『移動運用花盛状態』車社会の発達と無線機の小型化や発電機やバッテリーが安価に手に入る様に成った事とアマチュア局数の減少から来る珍しい場所からの需要の増大で移動局は今や『大モテ』状態に成って居る。此の様な情況や動きは時の流れと共に変化して行くだろうが追従するしか無い。其の意味で今思うと私の場合はアマチュア無線やパソコン時代には良いタイミングで出会えたと思っている。
 


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