グレートノーザン鉄道

アメリカのグレートノーザン鉄道の実物(歴史、資料等)と鉄道模型(HO:レイアウト、車両)に関するプログです。

スティーブン峠越えとカスケードトンネル

2005年05月02日 | 実物・歴史
 GN最大の難所であるロッキー山脈越えの中でも、スティーブン峠は最後まで残った難所でした。この峠越えは3回も路線が変わっています。第1段階は1983年完成のスイッチバックによる路線、第二段階が1900年開通の旧カスケードトンネル、第三段階は1929年開通の新カスケードトンネルです。
 1893年1月6日に最初に完成した路線は、8つのスイッチバックと最大4%の勾配がありました、当初からこの路線は一時的なものとみなされており、1900年12月には長さ2.6マイルの旧カスケードトンネルが開通して、スイッチバックは無くなり、勾配も最大2.2%に改善されました。しかし、この路線もループや急勾配、急カーブの連続でした。また、冬には雪害も多く発生しました。これを防ぐために、長距離のスノーシェッドも建設されましたが、1910年2月の雪崩で90人以上が死亡するという大事故もおきていました。そこで、1912年には新トンネル建設のための調査が開始され、1925年に着工、1929年1月12日に長さ7.8マイルの新カスケードトンネルが開通し、現在まで使用されています。この新トンネルにより、サミットの高度も500フィート下がり、急勾配、急カーブも相当に緩和されました。また、雪害も受けにくい路線となりました。新カスケードトンネルは、当時米国で最長、世界でも5番目に長いトンネルでした。写真は1929年1月12日に新トンネル開通後初めてのオリエンタルリミッテドをワナッチィで祝っているところです(ワシントン大写真コレクションより)。