ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

青森ミステリー見聞録 その2

2020-11-15 00:33:58 | 旅行(道外)2020~
10月17日(土)午前7時15分。

船内に大音量でチャイムが鳴り、ドライバーは車の運転席で待機するようアナウンスされる。
客室フロアから車まで降りると、自分の車の後ろに大型のトラックがズラリと並び、
大きなアイドリング音を響かせている。
いつの間にこんなに多くのトラックが乗り込んでいたのかと驚く。

自分も運転席に座ってしばらく待っていると、少し大きめの横揺れがあり、程なくしてゲートが開く。
無事に定刻通りに八戸港に到着したようである。
着岸から下船まで思いのほか早く、誘導されるままに順番に船の外へ。
少しあっけなかったが、いよいよ自分の車で本州に上陸だ。


早朝の八戸市街地でいきなり道に迷いつつであったが、地図とにらめっこしながら目的の県道454号線に乗る。
途中で立ち寄ったコンビニの女性店員さんが「りんご娘」の王林ちゃんばりの訛りで接客してくれ、
青森にいることを実感する。
常連と思しきおじいちゃんも半分くらい何言っているのか分からなくてナイスだ。


しばらく道なりに走り、午前9時10分、最初の目的地である三戸郡新郷村に入る。
何やら怪しげな人物のシルエットと「歴史とロマンとキリストの里」の看板が至る所に現れる。


極めつけは「ピラミッド」「キリストの墓」と書かれた青看板。
何やら「ナニャドヤラ~」と呪文のようなものを唱える人の看板もある。
自分はいったいどこに来てしまったのか。

実はここ新郷村、村内になぜか「キリストの墓」と「ピラミッド」があり、
二大パワースポットを観光資源として押し出している世にも珍しき村なのである。


……でも、なぜ青森県にキリストの墓が?
疑問に思っているうちに「キリストの里公園」なる場所へと到着した。
駐車場へと車を停める。


普通の公園かと思いきや、この先にまさかの「キリストの墓」があるらしい。
全くそうとは思えない小道をさっそく進んでみることにする。


公園は小高い山にようになっているようで、ひとけの無い薄暗い小道が坂になって続いている。
数分ほど登っていくと、少し開けた空間に。

そして……。階段を数段登った先に、それは確かにあった。



・キリストの墓(青森県三戸郡新郷村大字戸来字沢口)

皇祖皇太神宮(茨城県磯原村)の菅長・竹内家に代々伝わる「竹内古文書」の記述によると、
ゴルゴダの丘で処刑されたのは実は身代わりとなった弟イスキリで、刑を逃れたキリストは
密かに日本へ渡り、ここ青森県新郷村(旧・戸来村)で106歳の長寿を全うしたという。
そもそも、キリストが日本へ初めて渡来したのは21歳の時。33歳まで修行を重ね、ユダヤへ帰ってその教えを説いて迫害にあったらしい。

一見トンデモ伝説ともいえるこの古文書が発見されたのは昭和6年。
同10年、古代史研究家らが村を訪れて調査したところ、村長の案内で本当にキリストの墓を見つけたというから驚きだ。
小さな村に突然降って湧いた「湧説(ようせつ)」とも言われているが、当時マスコミは大熱狂。
……まぁ、信じるか信じないかはあなた次第だ。


小高い丘を登った向かって右側が「十来塚」と名付けられたキリストの墓。
そして向かい合うように、左側には「十代墓」として弟イスキリの墓まである




二つの墓のすぐ近くに、伝説や村の歴史について展示した立派な施設「キリストの里伝承館」がある。
入場料は大人200円。さっそく入ってみよう。


小ぎれいな館内には、昔の農機具などが並べられ、普通の郷土資料館のような趣もある。
しかし「民家復元コーナー」と名付けられた一角に、不思議な展示物が……。


この地方では、藁で編んだかご「エジコ」をゆりかご代わりにして子育てしていたというが、
子どもの額には十字架が……。
なんでも、生まれて間もない子を初めて外に出すとき、厄除けなどを願い墨で十字架を描くという風習が
古くから言い伝えられてきたというのだ。
……ううむ。

続く。
コメント (2)
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