ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

宗谷本線秘境駅紀行 その11(最終回)

2016-02-15 04:07:52 | 北海道内の旅行・風景
2日目 午後3時半。

「宗谷本線秘境駅紀行」と言いつつも、駅巡りの最後に訪れたのは石勝線「東追分」駅。今年3月に廃止が予定されている過疎駅です。さっそく周辺を散策してみます。


駅から出ると保線小屋があるだけで人家はナシ。線路を覆う雪よけのシェルターがあり、これに沿ってしばらく細道が続いています。


無機質なシェルターは錆が浮き出ており、プラスチック製の窓が壊れていたりと不気味です。
これをただただ眺めながら歩いていくと、ようやくT字路にぶつかりました。来た道を振り返ってみると、駅へ続く道とはとても思えない雰囲気。


こちらも細い道ですが、なぜか肥料を運搬するダンプが何回も通っていました。今までの秘境駅とは違って家がいくつもあるのが見えますが、駅が廃止されるという事は利用している人がほぼ居ないといった感じなのでしょうね…。


そして人家が見える方向とは反対を見てみると…。
駅から見えた雪原へと続く踏切が。


…実はこの踏切、かつてサントリー『金麦』のCMに使われたロケ地なんですよ。女優の檀れいが出演しているあのシリーズです。北海道ロケもしていたんですね~(*^_^*)。

↓サントリー『金麦』「帰り道」編 (2010年9月)



参考:サントリー公式チャンネル(https://www.youtube.com/watch?v=xJOgDIQTfi4)


せっかくなので、向こう側まで歩いてみる。



…何もナシ!!

寒いですがとても気持ちいいです!(*^_^*)
さすがCMに使用された景色だけありますね。丘のてっぺんには道路があるようで、車が地平線に沿って移動する姿が小さく見えたりします。こりゃ絶景だわ。

なお、この辺りは金麦だけかと思いきや ZONE『Secret Bace~君がくれたもの~』PVロケ地として使用された事もあるそうな!これは後に駅ノートを読んで知った情報です。
確認してみると、曲の終盤、男の子が古くさい路線バスを追いかけるシーンが確かに似ていました。

坂を上りきると分岐点が。



家々は遠くに見えるのみ。いずれもこの道を延々と歩かなければ辿り着くのは不可能です。
いや~、こんな場所にこれほどまでの隠れ絶景スポットがあるとは思いもしませんでしたね。
今度は夏にぜひ来たい場所です!(*^_^*)

丘の上から駅を眺める




またひとつ、いい駅で降りる事ができました…。
東追分駅、知られざるロケ地と隠れた絶景への最寄り駅でした。
3月の廃止が惜しいです。

午後4時5分、駅に戻る。


待合室には駅ノートと、綺麗に整頓された机が。

可愛らしいお花やクマさんが飾られ、無機質な待合室を明るくしてくれていますね。以前はベンチも何もない駅で、ノートも床に放り出されているような駅だったようですが、いったい誰が??

何冊にもなったノートを読んでみると、どうやらこのノートや小物類はJourny(ジョニー)さんという方が設置し、管理を行っているようです。
他の訪問者の記述に定期的に返事を書いていらっしゃるので、どうやら駅の近くに住んでいる方のようですね。僕がノートを開いた時に書かれていた最後の書き込み(1月12日)も彼のものでした。

過去のノートは紛失防止のためコピーが取られ、1枚1枚がきちんとファイルに綴じられた物も。整理されたノートや小物類から、駅に対する愛情が感じられますね(^-^)。
この駅の廃止を最も悔やんでいるのは、おそらく彼なのではないでしょうか…。



ノートを読んでみると、やはり廃止の報道を聞きつけて全国から訪問する方が増えているようです。
夏空の下、一面のとうきびに感動した学生の旅人。
強風と雷雨の中でひとり下車した猛者。
星を見ようと夜の列車でやってきた常連さん。
雪原を駆ける特急列車に汽笛で挨拶をされ、涙しながら喜びを綴った本州の社会人。

…この駅にも、人それぞれの思い入れがあるようでした。
僕も「Journyさん」が読んでくれる事を願って、彼へのメッセージを書きました。


午後5時半、迎えの列車が来る。

「秘境駅紀行」最後の列車です。
色々あり過ぎて2日間とは思えぬほどに長かった旅でしたが、まだ第1章が終わったばかり。目指す場所はまだまだある。これから札幌駅に戻り、そのまま別の列車に乗らなければならないのです!
休む間は全くありませんが、僕はとても楽しみでした。
今回の冬の鉄道旅での2つ目のメインとも言えるイベントが、もう目前に迫っていたわけですからね…。


「宗谷本線秘境駅紀行」、
完。



2016年 冬の鉄道旅
第2章へ続く。
コメント
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