ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

花輪和一 聖地巡礼 その1

2015-10-15 12:27:13 | 好きです札幌
また変な企画やりま~す。

さて、皆さんはマンガ好き・アニメ好きの間で使われる「聖地巡礼」という言葉を知っていますか?
「聖地」といっても、神聖なパワースポットや宗教的信仰のメッカを回る事ではない。

マンガやアニメ等の舞台となった地域や、キャラクター達の背景に描かれている実際の風景を自ら訪問し、感動したり写真を撮ったりして楽しむファンが存在するのです。この行為こそが「聖地巡礼」。
いわば次元を超越した、21世紀ならではの
「ジャパニーズ・カルチャー」!!


…はぁはぁ。
ピンとこない方のために、例を挙げてみましょう。
数年前に話題となった『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない。』(フジテレビ系)というアニメがあります。
僕は滅多にアニメは見ないのですが、家族が「凄く感動するアニメがあるらしい」という事を聞きつけてレンタルしてきたので、僕も一緒になって見ていました。
どうやらあのアニメは埼玉県秩父が舞台のようで、街並みや神社などの背景がなんともリアル。アニメの知名度が上がるにつれ、現地にはコスプレしたファンたちが続々と訪れ、ついにはイベントが開催されるなどの熱狂ぶり。

そしてつい先日、このアニメがついに実写化され、フジテレビで2時間の特別ドラマとして放送されたんですね。
僕は原作のファンという程ではありませんが、この実写版はすごく良かった。
何といってもキャストが最高で、特に「めんま」の子、全てを守ってあげたくなるようなか弱くて可愛い姿が共感を誘い…(涙)。
その内容もアニメを忠実に再現しており、もちろんALL秩父ロケ。
見た事のある風景が実写となって続々と登場するので、すっかり感動してしまいました。
たとえば。

(『あの花』オープニングシーン・旧秩父橋)
       ↓

(特別ドラマ『あの花』・キャンペーン用ショット)
…おもしれぇ~!
聖地巡礼おもしろそう~!!\(^○^)/



こうして、マンガやアニメには特に興味が無いにもかかわらず「聖地巡礼」に興味を持ったホルマリン。
この後、思わぬきっかけにより、あるマンガの聖地巡礼を行う事になるのです…。
聖地は、意外と近所に存在していたのである。


さて。二度目の質問で申し訳ないのですが、皆さんは花輪和一という漫画家を知っていますか?
1947年生まれ、71年デビュー。比較的マニアックな作品を描いておられるので知名度は高くないかもしれませんが、代表作は『刑務所の中』という作品です。

(青林工藝社 2000年)
作者はかなりの拳銃マニアで、モデルガン収集の趣味が高じてしまい改造銃を不法所持、そのまま銃刀法違反で逮捕されてしまい、北海道の刑務所に収容(1994年)。
その獄中での生活を、細かい観察眼とリアルなタッチを駆使して描いたドキュメント漫画が、この『刑務所の中』。
主演山崎努で映画化された事もあります。

…おもしろいです。
花輪さん、とにかくマニアックで僕並みのヘンタイです(笑)。刑務所内の細かい細かい部分まで観察していて、その全てを丁寧に記録しています(*^_^*)たとえば、服役中に出された食事内容を懲役3年ぶん、1日も欠かさずノートに全てメモしているとか。(※作者は自ら、作中で自分の事を「ムショオタク」と述べているww)
この漫画は母が興味を持って購入していたのですが、僕もすっかりハマってしまい…今では親子そろって花輪さんのファンです(笑)。

で、このたび再び母が見つけて購入してきたのが『刑務所の前』。

(2003年 小学館)

今度は「」ですか…。
「刑務所の中」よりも後に描かれた作品ですが、内容は逮捕されるまでの作者のドキュメント。
友人からボロボロに錆びた拳銃を譲り受け、それをハンダで修復していく様がじっくりと描かれていて、これまたマニアックで気持ちいい(→後にこの銃が問題となって逮捕されるのだが)。

で、この作品は3巻あるのですが、その最終巻でのクライマックスシーン。
拳銃マニアの友人が次々と警察に逮捕されてしまい、その包囲網が作者にも迫りつつあります。
マンガの締め切りも迫っており、追い詰められた作者は不法所持の拳銃をビニール袋に入れ、どこに隠して証拠隠滅させようかと近所を徘徊します。

…ううむ、何やら見た事あるような無いような景色が…。
やはり作画が丁寧だ。

そして何と、作中に藻岩山が。

前作「刑務所の中」は北海道の刑務所が舞台だったので、「作者はもしかして北海道の人??」と思っていたんですが、予想以上に近そうです。


で、いよいよ問題のシーン。

作者は自宅の窓から林があるのを見つけ、そこに拳銃を埋めようと思い立ちます。


やっと証拠隠滅!!という場面なのですが。


…ん?



……あの…。

これだいぶ近所なんですけど…(汗)。


向こうに藻岩山が見えて、手前を横切る細長いカマボコのような物は札幌市営地下鉄南北線のシェルターだ。
シェルターの上にピョコンと飛び出ているマンション、よく見て頂くと塔の上に大きな屋根が付いており、独特のキノコ型をしている。
家の近くにこんな形のマンションがある気がする…。

さらに写真をよく見てみると、藻岩山と地下鉄シェルターの間にこんもりと盛り上がった森があるのに気付く。
これは…、よく桜を見に行く天神山なのではないか。


さらに作中には、拳銃を埋めた林の反対側は墓地であるという記述が見られる。
家から微妙に離れているが思い当たる場所があるぞ、大規模な墓地…。


ビンゴォォォ!!平岸地区だ!!

花輪和一さんは、平岸地区に不法拳銃を放棄していた!!

ええと、前置きが長くなりましたが。
家からそんなに離れていないので、せっかくですから写真の場所を探しに行きましょう!!
…それにしても花輪さん、平岸に住んでいたのか…。
好きなマンガ家が予想以上に近所に住んでいたとは驚きました。
まぁ、90年代前半のお話ですから現在は引っ越されたと思いますが…(^_^;)

10月某日。

…あったぞ!マンション!!

先ほどの写真に写っているマンションとよく比べてみて欲しい。
ほら、独特の配色、そしてキノコ型の屋根が酷似していますよね!!(*^_^*)
楽しくなってきました♪


ちょっと天神山に登って、頂上から景色を確認してみましょうか。
問題の林が望めるかもしれません(*^_^*)。


なんとも大層な名前の山ですが、標高89メートル札幌で一番低い山となっています(笑)。
そのため、こんな階段を少し登るとすぐ頂上です。

山頂に到着。

このように広場になっているのですが、桜の時期はキレイなんですよ、ここ…。

いよいよ…山頂から平岸地区を望む!!


…あぁ~。思ったより微妙~…。


たぶんあそこが平岸霊園付近です。マンガと比べてみると似ているといえば似ている(笑)。


高圧電線の鉄塔が結構重要なポイントとなりそうですが、意外と多く立っていますね…。
放棄現場はだいたいの見当が付いているのですが、果たして特定できるのでしょうか?

異色の企画「花輪和一 聖地巡礼」、
続く。
コメント (8)
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